啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「榛名  杏ガ岳  レンゲショウマ

2022-08-27 20:33:18 | 登山
 「レンゲショウマ」  キンポウゲ科
 ちょちょいと簡単に登れる山だし、山頂の展望は、晴れていても良くないから、雨にさえ降られなければ大丈夫、というガイドの言葉を信じ、曇天にも関わらず決行。向かった山は、杏ガ岳(すもんがたけ)1292m。およそ、1カ月ぶりの登山。駐車場から登山口まで3㎞、3㎞も荒れた登山道をテクテク・・ようやく‟杖の神峠”到着。ここが登山道。露で濡れているひざ丈程あるササを、ストックで払いながら直進。ようやく、小さな1つ目のピークをクリア。岩石の登山道を、登ったり、下ったり・・あれが頂上かも・・頑張れという声援を受け、足早に進み、標を見れば、‟鷲の巣山・・1317m”。ガッカリ  ぬか喜びして、一気に疲労!1回目のピークは聞いていたけれど、2回もあるとは!遠くに、もう1つ山が見える。挫折しそうになったけれど、雨は降りそうにないし、リタイアする理由が見つからない。ここは、意を決して、山頂を目指すしかない。一部、ロープある岩を下り、荒れた道が連続。「ちょちょいと登れる山だといっていたのに、嫌になっちゃうなぁ~」と心の中で泣き言。下ばかり見ていたが、ふっと見上げれば、目の前に素敵な花を発見!あれは、まぎれもない・・レンゲショウマ!・・木の枝や根っこにつかまりながら、よたよた歩いてきたけれど、この花を見た瞬間「ここに来てよかった!」と。山の神様からのプレゼントです。
 「レンゲショウマは、クルクル回る宇宙船のようだね」と同行者。釣り竿のような茎の柄の先に、下を向いて咲く。誰でも一度見れば、ひときわ異彩を放つその可愛らしさにとりつかれるのではないでしょうか。花の形が、ハスの花を思わせるところからレンゲ(蓮華)の名がついたと、図鑑に記されていた。
 すぐに登れる山だからと言われ、気軽に考えていたけれど、杏ガ岳は思っていた以上にアップダウンがあり、疲れた。同行者は迷ガイドと思っていたけれど、レンゲショウマと出会い、名ガイドと見直した。ここに、そしてこの時期にレンゲショウマがあることを知っていて、案内したんじゃないかしら。

レンゲショウマ

「蝉時雨」

2022-08-23 20:45:08 | 山野草
「ナンバンキセル」 ハマウツボ科
 久方ぶりの竹沼散歩。周囲およそ4㎞。沼の周りの山道は、樹木で覆われ、夏は木陰を、冬は暖かい日差しで、散歩を愉しむ人々を迎えてくれる。土の道は足に優しく、湖面を渡ってくる風は肌に心地良い。大きく「ふぅ~」と息を吸い込み深呼吸。この山道は、勿論車も通れるが、たとえ、ゆっくり走ってくれたとしても、土が乾いていれば、土ぼこりがたち、正直、閉口する。そして、何よりの楽しみは草花の宝庫であり、お気に入りの場所だ。お盆が過ぎたこの頃では、秋草がたくさん咲いている。さらに、今日の竹沼は、蝉の大合唱。その鳴き声は、余計に暑くなるような気がするが、自然の中で聴いていると、暑さよりは夏の風物詩といった感がある。夏に蝉が鳴かなかったら、それはそれで寂しい。季節の変わり目、なかなか天気が安定しなく、山登りも小休止。最近では、夕方になると、虫の声に耳を傾ける今日この頃だ。
 「それって、ナンバンキセルですよね」。写真を撮っていると、散歩中の女性に声をかけられた。ナンバンキセルは漢字で「南蛮煙管」。昔、南蛮人が日本に持ち込んだパイプのこと。この植物が、似ているのでつけられた名前と記憶している。別名「オモイグサ」(思い草)の名も。人が、もの思う様子を想像したものというが、こちらの名前の方がロマンチックかも。

「もやい結び」

2022-08-18 19:06:15 | 山野草
「ホトトギス」  ユリ科
 「まず、普通に輪っかを作って、短い方のひもを自分の方に引っ張ると、ひもが真っすぐになる。そしたら、輪ができるから短い方にひもを入れて・・・この結び方を”もやい結びっていうんだよ」。その人は木の枝にひもを通し、いとも簡単にタープを張った。この結び方、覚えていたら便利かも・・。最初は、短いひもの方ばかり気にして、うまくいかない。何度も何度も練習して、やっと結べたもやい結び。この結び方、昔、見た記憶がある。何やら、手品みたいだなあ~と思いながら見た記憶。「もやい」とは、船につなぎとめるための結び方とのこと。実際、確かに強固な結び方だし、ほどけにくい。多少、風が吹いたとしても、タープの結びめはびくともしない。けれど、一旦、自分でほどこうとおもえば、スルスルと簡単にほどける。いつか、結ぶそのシーンが来るか来ないか分からないけれど、知っていると便利でしょうか。時々、練習をしないと忘れそうだけれど・・。
 半日陰の林の中で咲いていた黄色い花のホトトギス。ホトトギスといえば、鳥を思い浮かべるが、4月頃日本に来て9月頃に帰る渡り鳥。花の斑点模様が杜鵑の胸の模様にたとえてつけられた名。
まだまだ夏の盛りだけれど、ホトトギスが咲き始めると、何とはなしに秋の気配を感じさせる。

「ばあばも楽じゃない」

2022-08-12 17:21:17 | 山野草
 「ウバユリ」  ユリ科
 山の日、お盆と休日が続き、外出する機会が多い中、台風8号が発生。明日は、関東甲信に接近の可能性との情報。山の日と、土曜日にはさまれた金曜日も休日となり、息子たちは数日間の連休。ということで、家族そろって、早めの帰省。抗体検査を受けての帰省なので、ある意味安心して迎えられた。せっかく田舎に帰ってきたのに、天気が今一つはっきりしないため、予定していた山での散策は断念せざるを得ない。代わりに、玄関先にプールを設置し、水遊びグッズを浮かべながら、孫たちは大騒ぎ。というか、兄弟同士、おもちゃの取り合いで、ひと騒動。跳んだり跳ねたり、家の中はまるで運動場・・日常と違う日々もあと少し・・頑張るしかないかぁ~。
 花を水平に咲かせる独特な形をしたウバユリ。この花が咲く頃には、葉っぱが落ちてなくなり、その姿を、何と、歳をとった女の人の歯に例えての命名というから、失礼しちゃうわね~。一度見たら忘れられない程のインパクト。草丈、1mほど。

「湖畔のコテージ」

2022-08-08 15:46:30 | 山野草
 「フシグロセンノウ」  ナデシコ科
 猛烈な暑さを避けるため、向かった先は榛名湖畔。木陰のなるべく平らな場所、目の前には美しい姿の榛名富士がドーンと見える水辺に、テーブルや椅子を設置。季節の果物、トウモロコシ、漬物・・そして枝豆・・とくれば、勿論ビールも。
 水辺には、子供達とともに家族で水遊び、魚釣り、読書を愉しむ人、シートを敷いて昼寝をしている人、恋人達もちらほら、なかにはパソコンを開き仕事(?)かな・・それぞれ思い思いの時間をのんびり愉しんでいる。ご馳走は、何といっても美味しい空気と、とびっきりの涼しさ!家でのクーラーは長時間あたっていると、身体の節々が痛くなるけれど、天然のクーラーは身体に優しい。時折、モーターボートが勢いよく走りさり、水辺にはちゃぷんちゃぷんと、ちょっとした波が立ち、目にも耳にも涼しさを感じさせる。
 鳥のさえずり、湖や森をつたわってくる優しいそよ風。誰に気兼ねすることもなく、自由を、自然を満喫する贅沢なひと時。こんな過ごし方があったのかと、今更ながら、気づかされた。メインディッシュはお手軽だけど、どこのレストランで食べるより美味しい食事!勿論、コーヒーは言うまでもない。
 評論家の吉沢久子氏が、ある書物の中で、フシグロセンノウについて書いていた。
「野の花の中で鮮烈な印象を受けてから、好きになった花は、フシグロセンノウ。夏の昼下がりの山路に、他の草や花がうち萎れている中で、ただ一輪、深い朱色のナデシコのような花。凛とした花にみえ、人の心に何かを残す花なのだろうか」と。
 榛名周遊道路の脇に、他の草花に抜きんで目立っていたフシグロセンノウ。何度でもデートしたい花です。

「暑いです」

2022-08-02 18:30:41 | 庭の花木
「オミナエシ」 オミナエシ科
 最高気温38℃、明日はもっと暑い予報。暑い、暑いといっても涼しくならないけれど、やっぱり、つい口から出てしまう「暑い」と。こんなに連日暑かったら、地球もそのうち悲鳴をあげるのではないでしょうか。
 最近、当地では夕方になると雷雨があり、激しい雷鳴!県外から嫁いできた友人は、群馬のカミナリは恐ろしいと嘆く。暑い方がまだましだそうで・・。それで、彼女はカミナリがなると、全ての電源を落とすのだとか・・。それって、意味あるのかなぁ~と思うのだけれど・・。「貴女、家に落ちたらどうするの?」と。そういえば、昔は部屋に「かや」をつり、家族全員中に入り、カミナリがとおり過ぎるのを待っていたような・・。それこそ、これって、どんな意味があったのかと不思議だけれど、蚊帳の中で見たあの鋭い光は、確かに恐怖心はあったけれど、きれいでもあったと記憶している。
 夕立が去ると、グッと気温が下がり、涼しく肌に心地良い。草花は、自然の雨をたっぷり吸い、元気いっぱいだ。
 秋の七草の一つ、オミナエシが咲いています。小さな黄色い目立つ花をつけ、細身な茎をヒョロヒョロと伸ばし、少し頼りなさそう。枝まで黄色に染まっているかのよう。花言葉「親切」「美人」