啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「満ちる春」

2018-03-30 18:55:31 | 庭の花木
 「イセヒカゲツツジ」  ツツジ科
 満開の桜。少し強めの風が吹くと、淡いピンク色の花びらが、宙を舞う。並木の沿道に、車を走らせれば、ハラハラとフロントガラスに舞い降り、TVのCMでみるような、時間と空間が流れる。心穏やかな時の流れ、また今年も桜をみることができた、と思うのは歳を重ねたからだろうか。
 ”今が植え時ですよ”とAさんのお父様。サギソウの植えかえだ。ご指南くださるとのこと。早速、昨年の鉢を持参し、ご自宅を訪問。紙の上に、鉢の土を広げ・・あれ?ない、ない・・球根どこ?消えちゃたのかな・・あっ、あった!あった!小さな白い芽を出し、小粒のピーナッツ位の大きさの球根が、苔に絡まっている。初めてみた。1粒1粒、芽を欠かないように大切に外す。100粒程度あっただろうか。鉢に新たに鹿沼土の大中小を敷き、球根を並べ、湿らせた苔を敷き、さらにその上に小さな鹿沼土。1鉢から3鉢に増やした。これから暫くの間、手間がかかるけれど、辛抱強く花の時期を待ちたい。Aさんのお父様、ありがとうございました。
 日陰ツツジも満開。通常は2メートル程になるが、当家では、1メートル足らず。淡い黄色で、花径は5センチ程。本来は、岩場や崖に咲く花なので、半日陰が適所なのかもしれないが、当家では、終日陽の光にさらされている。目立たず、陽にかざせば透けそうな、やさしい風合いは春の色。

サギソウの球根。よ~く見ないと、土と苔に絡まり、見落としてしまう。
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「つくし誰の子」

2018-03-27 11:37:44 | その他
 「スギナ」  トクサ科
 またまた、この季節がやってきた。手ごわい相手、スギナ。畔や畑に、ニョキニョキ、ツクシが頭をもたげ、その近くでは、束になって力強く、スギナが生えている。ツクシは、見るからに可愛らしく、昔は、茎についている、袴のようなものをむしって、遊んだものだ。書物によれば、これは食べられるそうで、甘辛く煮ると、ほろ苦く、春の味がするらしいが、個人的には、食べた記憶がない。一方、スギナ! これからのシーズン、この草取りには辟易する。完璧に退治した、と思っても土の中で、黒い地下茎が、どこまでも続いているからだ。ツクシは、スギナの胞子茎で、地下でがっちり手をつないでいる。全滅させるには、不可能と観念しているが、しかし、いざ庭でスギナを発見した時は根気強く、徹底的に退治することにしている。でも、どうしたことか、翌年にはしっかり葉を出してくる。なお、スギナの名は、葉の形が杉の木に似ていること、葉が食べられることから、杉の菜、つまりスギナになったという。
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「奇跡」

2018-03-24 16:50:09 | 庭の花木
 「ショウジョウバカマ」  ユリ科
 確か、昨年の秋口の頃、縦長の大きなダンボール箱が送られてきたのは。中には、鉢に植えられた植物、そして、手紙が添えられて。送り主は、義弟。書き物がなかったら、勿論、ショウジョウバカマとは気がつかない。”鉢ごと外に出して、ほおっておいても、春には花が咲くので大丈夫”と書きつけがあったが、私にとっては、とても貴重な植物であり、この辺りでは、お目にかかれない代物。山野の湿地、湿った草地に分布とのことで、乾燥した気候で育つのか、実は、かなり心配りをしていた。その甲斐があったのか、現在、2本満開。そして、まだ、いくつか咲きそう。草丈、20cm。葉の上に咲く、紅色の花が、まばゆく輝いている。名は、能楽の「猩々」の赤頭の毛にたとえたもので、下の葉は、袴に見立てたものだ、と図鑑に記されていた。別名、雪割り草の名も。ユキワリソウと言えば、長岡の友人から、そろそろ咲くころなので、みにいらっしゃい、とお誘いがかかっている。勿論、参りますよっ。春は、一斉に花が咲き、珍しい出会いもあるので、ワクワクする。
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「おぉ~、さむっ」

2018-03-21 20:17:53 | 庭の花木
 「ムシカリ」  ユリ科
 天気予報の情報で、覚悟はしていたが、最高気温7度。つい一週間程前は24度を超え、車ではクーラーをつけていたのに。一度暖かいおもいをすると、それを肌が覚えていて、今日の寒さはひとしおだ。まして、時ならぬ雪が降り、せっかく咲いたサクランボの花やスイセンなど、寒さで凍えているようだ。ムスカリも、すっかり雪に包まれてしまった。草丈、10センチ程。コバルトブルーのさわやかな色は、春そのもの。球根で、どんどん増えてゆく。植えっぱなしでも、丈夫で絶えることがない。小さい花ながら、群生すると、なかなか見応えがあり、庭のアクセントになる。
 書物によると、野生種には特有の香りを持つ種類があり、それが名になったとか。ムスカリはムスク、”じゃこう”に由来する。しかし、園芸品種では、その香りがないという。勿論、当家は園芸品種、何の香りもしない。しかし、小さな房が、いくつも重なり愛らしい。
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「待ちわびて」

2018-03-19 19:08:41 | その他
 年に数度、同じ流派に属する、県内社中の方と、お茶の研究会が開かれる。そうした折には、遠方の方との交流は、格別の楽しみがある。Mさんは、片品にお住まいの方。お互い、山ガール、いやいや、山ばばちゃん。尾瀬をきっかけに、花の話をするようになった。あちらでは、まだ雪が残っているという。雪かき、大変ですね、と申し上げると、雪かきは、年齢的にきついので、雪を吹き飛ばす機械を使っているというのだ。どんなものなのか、実際、みたことがないので、分からないが、彼女によると、ハンドルをずーと握っているので、その振動が腕に伝わり、それはそれで、きついものがあるという。風が強いの、寒いのと言いながら、のほほ~んと暮らしているわが身を、ありがたいと思う。
 東京では、サクラの開花を発表した。例年より、いくぶん早いらしい。この情報を基に、近所の鮎川沿いの桜をみに行った。蕾の先に、ほのかに染まった花が、恥ずかしそうに顔をのぞかせていた。今朝は、曇り空であったが、あと数日、明るい光に包まれる頃には、誰もがときめく、えもいわれぬ美しい花姿を見せてくれるに違いない。
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「花粉と香り」

2018-03-16 09:22:09 | 庭の花木
 「ジンチョウゲ」  ジンチョウゲ科
 今朝は、雲がかかっているものの、ここ数日間、3月とは思えない気温の上昇により、一気に蕾がほころび、サクランボの淡いピンク色の花が、満開の紅梅と競演し、お互いが春の夢をみているようだ。いろいろな花が咲きだすと、こちらの鼻もムズムズ。眼のかゆみ、くしゃみ、のどの痛み・・とうとう医者に駆け込んだ。ドクターは、カルテをみながら、”花粉症は毎年なのに、どうして、もっと早く来ないのか。早く治療すれば、症状も軽くすることもできるのに、もう、手遅れ”と叱られてしまった。わかっちゃ~いるけれど、待ち時間がねぇ~。しかし、緊急時、プールという特効薬がある。鼻も眼も改善され、気分爽快。今は、スギがピーク、これからはヒノキ、カモガヤ、秋にはブタクサ、ヨモギ、何だか一年中、鼻がグズグズしている。
 つまっている鼻にも、強烈な香りのジンチョウゲ。良い香りなのか、我が鼻は症状が悪化する感も。濃い紅色の蕾状態では、ほとんど香りがなく、その期間はかなり長いが、一輪でも咲くと、むせかえるほど強い香りを放つ。そして、毬のような満開状態をむかえると、香りは弱め。一年中、陽の光が当たらない場所にあるが、毎年、こぼれるほどの花をつける。

 サクランボの花。小粒だけれど、甘くおいしい実をつける。5月上旬には、樹全体にネットをかけないと、野鳥に食べられてしまう。あの小さな眼で、甘くなったのがよくわかるもんだと思うのけれど・・。
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「喜び」

2018-03-13 15:43:07 | 庭の花木
 「クロッカス」  アヤメ科
 先日、帰省していた我が愚息、JAで”じゃがいもの苗、どこにあるの?”とあたりをキョロキョロ。おい、おい、なんだぁ~?(爆笑)彼は、じゃがいもは種を植えるのではなく、苗を植えると本当に思っていたらしい。ほんまかいな。もう~、がっくり。まっ、しかし重たい肥料を運んでくれたので、ずいぶんと助かったが。たかが、2キロの植え付けだけれど、一人で作業となれば、しんどい。種イモを切り、木灰につけ、堆肥、苦土石灰をまき、耕し、畝を作り、30cm間隔で植え、その間に化学肥料をまき、ようやく植え付け。最後は、マルチをかけて終了。これだけの事なのだが、へとへと・・・。でも、収穫が楽しみ♪。
 ハナサフランの名を持つクロッカス。草丈10センチ程の小さな草花だけれど、その花の鮮やかさは、小躍りしたくなるほど、心が華やぐ。あまり、陽の光を受けない目立たない場所に咲いているが、存在感は抜群。花に比べ、葉は細長い。少しアンバランスなので、カメラに上手くおさまらない。
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「小さな幸せ」

2018-03-10 11:07:21 | 山野草
 「ヒメオドリコソウ」  シソ科
 気の合う友達とのおしゃべりは、どうしてこんなにも、楽しいのだろう。水泳のこと、家族のこと、趣味のことなど、いくら話しても話題が尽きない。お互い独身。時間はたっぷり。気がつけば、10時なんてこともしばしば。この女子会、称してAKBB。氏名の頭文字もあるのだが、本当は、”あきれたばばちゃん”の意。いつでも忙しく行動的。自宅にいないので、お互いに、呆れている。このAKBB、先日ミュージカル界不朽の名作ともいわれる「屋根の上のバイオリン弾き」を鑑賞。県内ミュージカルの専門劇団(全員女性)による公演。素人とは思えない迫力ある演技、音楽等、素晴らしい舞台に感動。サンライズ・サンセットの名曲が心にしみた。次回が楽しみ。
 道端などに生え、タンポポやホトケノザとともに、春の野を代表する花、ヒメオドリコソウ。草丈、10センチ程度、充分に開花している状態でないが、唇の形をしたピンク色の、小さな花をつけている。葉は、ちりめん状で、ふかふかして、茎の上部は赤紫色。この、重なりあった葉の間から、花が顔をのぞかせている。”今頃は、あの場所に咲いているかもしれない”と出かければ、期待を裏切らず、約束したかのように花を見せてくれる。花言葉「快活 陽気 春の幸せ」など。
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「蓮に似て」

2018-03-07 18:13:20 | 庭の花木
 「ハクモクレン」  モクレン科
 施設への、ボランティア活動に伺った時のこと。”ニーハオ”と挨拶すれば、”こんにちは”とお返事を下さったその方は、70代とお見受けした女性。幼い頃に、中国へ渡り、そちらで、長期間生活をしていたので、ほとんど日本語が分からない。私も、英語なら、少しの単語とジェスチァーで、対応できるのだけれど、中国語となれば、お手上げ状態。お稽古が終了し、ご自分のテーブルについても、誰も話しかけない。というよりは、言葉の壁で、話せないのかもしれない。
 だいぶ昔、夫と中国へ旅行した時、勿論、二人とも言葉が分からないので、タクシーのドライバーと筆談し、コミュニケーションをとった記憶がある。観光地などを漢字で書けば、十分に通じる。今度、彼女に会ったら、中国のマップや地名を書いて、話すきっかけを作ってみよう。
 ハクモクレンは、中国原産。純白の花は大きく、花びらは厚い。この花が咲く頃になると、庭で眠っていた草花が、次々と葉や芽を出し始める。清楚な姿にひかれるが、ひとたび霜にあうと、すぐに茶色に変色。春といえど、まだ霜がおりる可能性もあるので、真っ青な空に映える、花を楽しみたい。
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「黄金色に輝いて」

2018-03-04 14:02:31 | 庭の花木
 「サンシュユ」  ミズキ科
 コマーシャルやテレビ番組でとり上げ、紹介される商品は、すごい影響力がある。ある番組で、放送された、大きなマイタケ天ぷらを食べたいと・・・行った店は、番組で放送された○○屋の水沢うどん。お昼時で、満車だったけれど、タイミングよく駐車でき、席に着けた。昔も今も変わらない繁盛ぶり。食事を済ませ、近くの水沢観音にお参り。晴天、行楽日和、お節句と重なり、境内は家族ずれでにぎわう。榛名神社とともに、信仰の地である水沢観音は、一年を通して、訪れる人が多い。
 実は、この水沢寺の西にそびえる水沢山。春の登山に誘われている。1194メートル、高さの魅力もあじわえる山であるが、健脚向きのハイキングコース。以前、夫と登ったのは、伊香保森林公園側から登るコースで、家族向き。急な坂を、喘ぎながら登ることも少ない。このコース、提案してみようかなぁ~。
 真っ黄色の、小さな花が、春の陽にまぶしく光っている。植物学者、牧野富太郎は、春黄金花(はるこがねばな)と名付けたように、黄色は黄金のように見応えがある。葉は、一枚もなく、幹からは樹皮がはがれ、手でも簡単に落ちてしまう。しかし、秋は真っ赤な小さな実が、なんとも美しい。
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