啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「木守り」

2021-11-28 19:31:58 | 庭の花木
 北海道、青森県酸ヶ湯、福島県桧枝岐村など積雪が急増し、県内草津町では、車の立ち往生も発生し、各地から初氷や初雪の便りが伝えられている。当地でもここ数日、強い北風と朝晩の冷え込みは厳しく、特に朝はいつまでも布団の暖かさに甘え、日に日に起床時間も遅くなってしまっている。
 つい先日まで実っていた当家の富有柿も、今ではすっかり裸木になり、上州名物「からっ風」にその身をさらしている。甘くて大きな富有柿、父親が孫の記念樹として植えてくれたが、あれから40年以上たっているのに、今だに健在。その果実は全部収穫しないで、数個枝に残してあげる。それは野鳥へのプレゼント。食物が少なくなる厳しい冬を、果実を食べて乗り切ってほしい。
 某新聞に、「富有柿はフユ柿」、寒くなる季節に食べる柿?と記載されていたが、そのとおりだと思う。そして、柿といえば思い出すのが「木守」。高松の銘菓で、柿の実と和三盆糖であしらった和菓子。上品な味わいだ。
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「初冬の榛名」

2021-11-24 21:18:51 | 庭の花木
「イソギク」 キク科
 「あれは相馬山、てっぺんに祠があり、とんがっている高い山だよ。そして、こっちが雄岳、むこうが雌岳、一番高いのが掃部ケ岳、あれは知っているよね榛名富士・・」と山の名前を次々と教えてくれるのだが、方向音痴の私は何度聞いてもちんぷんかんぷん。見る方向が違うと、山の形も違って見え、何よりもつい先日登った浅間隠山さえ、自宅から見れば、どこがその山かも全く見当もつかず、「あれ、あの山だよ。あそこに見える一番高い山」と言われ「あーそうなの」なんていう調子なので、「糠に釘」といったところだ。でも、榛名の山で唯一知っているのは榛名富士。中学生のころ、学校行事の一環として、2泊3日(?)の榛名高原学校があり、榛名湖でカッターを漕いだり、登山したり、フォークダンスで男子と手を繋げなかったり・・ドキドキした何だか可愛い思い出が、ドライブしながらよみがえってきた。榛名の山々はすっかり冬支度。少し前までは、いろいろな色にあふれていただろうと思われる葉も、すっかり枝から離れてしまった。榛名のメロディーラインは「静かな湖畔」。メロディーを口ずさみながら、初冬の湖畔を愉しんだ。
 イソギクは磯菊と記すように、秋の磯を代表するキクというが、実際、当家の庭にも植えてあり、毎年花をつける。黄色の小花と磯の青い海とを想像すれば、その綺麗さはきっと目をひくことだろう。花もさることながら、葉っぱもまた特徴的で、裏は細い毛が生え、しかも葉には白い縁取りがあり、いっそう葉の緑を引き立たせている。
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「帰り花」

2021-11-20 20:35:09 | 庭の花木
「ハタザオキキョウ」
 連日、小春日和の暖かさが続き、過ごしやすい。そんな中、どうしたかげんか、思いもよらない植物が花を咲かせることがある。庭の木の枝や枯れた草花の整理をしていると、可憐な青紫の花。よく見ればハタザオキキョウ。今頃咲くはずがないのに・・。時ならぬ花は、帰り花とか忘れ花、あるいは狂い花(ちょっとかわいそうな名前)とも言うらしいが、時季ならぬ開花に驚きと嬉しさがある。
 昨夜の月食、長時間愉しみました。部屋の灯りを消し、お気に入りの音楽を聴き、お茶しながら部屋からの月食、20時ころの満月になるまで楽しみました。「少しずつ出てきた月をカメラで撮ると満月になってしまいます?!」と友人からのメール。早速私も同じように撮りましたが、やはり満月になってしまった。肉眼では、はっきりとかけている月が見えるのに、何故でしょう?

 まるで白い花が咲いているようなハナビラタケ。一般的には市場にあまり流通していなく、スーパーで見かけることもないが、友人が届けてくれた。コリコリした触感で、癖がないのでどんな料理にも美味しくいただける。本来はアップした倍くらいの大きさがありました。(食べてしまったので)
 
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「眠れぬ夜に」

2021-11-17 11:40:22 | 庭の花木
「ツワブキ」
 空気が乾燥し、澄んだ夜空には冴えた月の光があでやかで、ツンとすましているようであり、また笑っているようでも・・眠れぬ夜は、そっとカーテンを開け、しばらくその妖しい光に魔法をかけられた気分になる。
 NHKラジオ第1「ラジオ深夜便」、偶然に聴いたハープ。奏者、内田奈織さん。映画音楽・・慕情、シェルプールの雨傘、エデンの東・・懐かしい音楽の数々、俳優や情景までもが思い浮かぶ。
 ハープは身近でなく、実際、見る機会も少なく、触れたこともないので、指先で弦をはじく感覚もわからない。あの夢のような形そのものにも魅力を感じるが、やわらかな音色は優雅で、心を癒す。聴いているうちにうっとりし、無意識に眠りについてしまった・・らしい。
 初冬を告げる花ツワブキ。晩秋の庭はだいぶ花が少なくなったが、今年は咲く時季が早く、ツワブキの花はもう終わりを告げている。大きな丸い葉はツヤもあり、ちょっとしたエキゾチック感がある。
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「よく似た果実」

2021-11-13 17:34:54 | 庭の花木
「ツリバナとマユミ」
 瀬戸内寂聴さんが99歳の生涯を閉じた。朝日新聞朝刊に、月1回エッセー「寂聴 残された日々」が連載され、毎月心待ちにしていた。多くの名言の中に「うふふ~」と、つい笑みがこぼれてしまうユーモアと納得感、安心感そして何より自身を心地よくしてくれる言葉の数々。その一つひとつが心に響き、考え方や行動に背中を押してもらった。影響を受けた作家のひとりで、こんなふうに凛として、格好よく歳を重ねていきたいと憧れたりもした。ご自身のやりたいことをやり、率直な発言等々、その生き方は必ずしも容易いことではなかっただろう。しかし彼女の活動の根底にあるのは、常に「愛」なのかなと。新聞を読む楽しみが1つ減ってしまった。
 「ツリバナ」は高さが5mにもなり山地に生える樹木。春から初夏にかけて5枚の花びらが、下に垂れ下がって咲くが、その花から想像もできないほど、秋には赤い実がひときわ目立つ。本当にかわいらしい実は有毒。また、それによく似た果実は「マユミ」。4枚の花びらはとても地味であるが、秋の果実が一層目立つ。「ツリバナ」か「マユミ」の見分け方は、果実の割れ方かも。ツリバナは5つに、マユミは4つに割れるので、素人の自身としてはそのあたりで判断している。なお、ツリバナは赤城自然園、マユミは当家で撮影。

マユミの果実
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「王朝の花」

2021-11-10 10:11:03 | 庭の花木
「サガギク」 キク科
 京都、大覚寺といえば、嵯峨天皇の離宮。その嵯峨天皇が愛した花といえば、大沢の池の、菊が島に自生していた野菊。花のまわりにおおよそ2㎜、長さが5㎝程の、糸のような花弁をたくさんつけるその名は‟サガギク”。イメージとしては、茶筌のように花びらがたくさん立ち上がっている感じ。色も多様で、白色の他、黄色やピンク・・などがあり、目を愉しませてくれる。この菊の仕立ては、一鉢に3本、茎の長さは2mに育て、花は下に7輪、中ほどに5輪、先には3輪咲かせるという形に育てるという。確かに、以前訪れた時も、丁度今頃で、宮殿の廊下から眺めるのには目の高さがちょうど良く、境内の至る所で鑑賞でき、見ごたえがあった。優雅で品のある姿と香りを好まれたという嵯峨天皇に因んでの名の由来。
 サガキクは伝統的な古典菊。当家では、数年前ようやく手に入れた大切な菊なのに、地植えにして、ほとんど手を入れない。従って、咲きたいように、あっちを向いたり、こっちを向いたり・・。花びらを数えると、54枚も。それを器に浮かべると、松葉のようにきれいです。
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「冬浅し」

2021-11-07 18:43:27 | 山野草
「フユノハナワラビ」 ハナワラビ科
 暦のうえでは、本日‟立冬”。冬の気配が現れてくるころだが、実際にはさほど寒くもなく、まだまだ秋の風情。それでも、収穫のすんだ田んぼを見れば、どことなく冬めいた姿に、驚かされることもあるものだ。
 公園の芝生の上には、枯れ葉が風に運ばれカサカサと音をたてて舞う。小さな子供たちは、それらを両手いっぱいにかき集め、勢いよく空高く放り投げる。枯れ葉はまた風の流れに乗り、遠くに飛んだり、まるで踊っているかのように舞い落ちる。なんともほほえましい光景。その芝生をよく見れば、ところどころにワラビに似た植物。フユノハナワラビだ。あまり目立たないので、ともすれば見落としてしまう。おそらく知る人ぞ知る植物なのかもしれない。草丈10cmほどで、葉は秋に出て青いまま冬を越す。シイ、カシなどの林のもとに生育して、春には姿を消してしまう。個体は赤城自然園で撮影。花言葉「再出発」
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「山旅」

2021-11-04 17:25:29 | 登山
 山風に、黄金色のカラマツの細い葉は、朝のキラキラした光を浴び、空からわが身に降り注ぐ。ここは浅間隠山(あさまかくしやま)1757mの登山口。国道406号の倉渕権田の信号から県道長野原、倉渕線に入りおよそ20kmの二度上峠(のどあげとうげ)からのアプローチ。「そんなに大した山じゃないから平気だよ」(登ったこともないのに・・)という誰かさん。カラマツの林の登山道は、緩やかな登りで、この辺りまでは、それなりに・・・。ガイドブックには、歩行2時間40分、家族向き、一般向きと記されてあり、‟このくらいなら”と高をくくっていたが、大間違い。ここからが本番!「ここから浅間隠山南峰までやや急登」とYさんは言っていたが、「やや」どころではない。すご~く、すご~く急登!友人のKさんは「だまされたぁ~」と。何度、休んだことか。行けど行けども樹林。もう足が上がらない。「歩いていれば、そのうちつきますよ~」「もうすぐですから頑張ってぇ~」と出会った人は声をかけれくれるのだが、会う人会う人「もうすぐですよ」と。ついにそれは現実となって
「うわぁ~きれい!すごい!」急に眺望がひらけ、山頂からは、得も言われぬ美しさ!!我慢して登って本当に良かった。美しい姿の浅間山、上信越の山々、赤城山、榛名山・・360°の大パノラマ。浅間隠山に初めて登った。風のにおい、樹々のざわめき、紅葉を愛でるには少し遅かったかも知れないが、山頂からの雄大で圧倒される素晴らしい景観は、生涯忘れることはない。
 山の疲れは温泉で。深い森に包まれた北軽井沢の温泉で1泊。気心の知れた友との楽しい語らい。これってとても幸せです。

山頂からみた浅間山。本当は、もっともっときれいです。写真がいまいちでした。

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