啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「今年もまた・・キンランとギンランと」

2024-05-12 10:20:59 | 山野草
 春は、野にも山にも花が一斉に咲き、それぞれが美しさを競っている。中でも毎年GW中の花の楽しみは、環境省レッドリストとしてあげられているキンランとギンランに会いに行くことだ。近くの自然環境で見られる花の中では特別な存在。スッとした立ち姿は、小さいながらも凛として、個体を見ていると、自分の背筋までも伸びる気がする。
 今年も咲いているかしら?盗掘されていないように・・・。祈る気持ちでその場所に行くと・・「ない‼」。ショック‼立派なキンラン1本を見つけたのは2年前。散歩をするたびに、その場所に来ると、ちょっとしたドキドキ感がある。とっても、とっても楽しみにしていたのに。あまりにも目立ちすぎる花。あ~、やっぱり盗掘されてしまった・・。ガッカリして、ふとその先を見ると、とても小さなキンラン2本発見。去年は全く気がつかなかった。大きな個体に、目がくらんだためか・・。どうかどうか来年、無事でありますように。
 アップしたのは、高崎市の、ある丘陵地のキンラン。丸太階段の脇に咲いている。あまりにも目立ちすぎ。踏まれやしないかと、ハラハラする。どうして、こんなにも人目の多いところに咲いているの?まるで「どうぞ、盗ってね」とでも言っているかのよう。どうか来年も会えますように。そして、こうした花が咲く環境を大切にしたい。
 今日は「母の日」。息子夫妻から素敵なお花が届きました。感謝です。

 キンランもギンランも花が全開した姿を見たことがない。いつも半開きか蕾です。どうも写真がピンボケ。上手に撮らせてくれない。

「災害」

2024-01-07 19:06:11 | 山野草
「ジシバリ」 キク科
 新年早々、あまりに大きな地震、その悲惨さは日がたつにつれ、ますます状況が明らかになり、被害が拡大し、多くの犠牲者が出ている。TVで報道される映像に、目を覆うばかりだ。数年前、自身も漆器で知られる輪島の朝市通りで、漆器を求めた。あの通りが一面の焼け野原。信じられない光景だ。停電、断水、通信障害などが続いてる非常事態。さらに、天気予報では雪。被災地に早くいろいろな支援物資が届きますように・・。
 道端、公園、アスファルトの隙間でさえも生えているので、一度は見たことがあると思われるジシバリ。花径の根元から出た細長い茎が生い茂って、地面(地)を縛るというところからの命名
と、図鑑に記されてあった。確かに、個体が咲いているところは、かなり群生が見られる。黄色で2cm程の花。通常はあまり気にかけなかったが、何も花がない冬枯れの半歩道で、可愛らしく咲いていた。

「寒気襲来」

2023-12-18 18:20:17 | 山野草
「ヨウシュヤマゴボウ」
 関東ではおととい一部の地域で夏日を記録したが、今日は一変、一気に冬到来。今日は北日本を中心に、大雪のニュースが次々に伝えられている。昔は12月ともなれば、これくらいの寒さは当たり前だったと思うが、最近は温暖化で異常な暖かさを感じる。
 今日のように、日差しはあるのに北風が強く寒い日は、外出も少し億劫になるが、それでも勇気を出して散歩に出かける。冬用の帽子にマスク、サングラスに手袋、厚手のダウンコート・・この姿では、どこの誰かも分からないし、まるで強盗のようないでたちだけれど、寒さには勝てない。
 散歩中、道路脇のフェンスに、ブドウの実を思わせる、美味しそうな紫色の実をつけた、ヨウシュヤマゴボウを見つけた。根がゴボウに似ているというのでヤマゴボウ、西洋が起源なのでヨウシュ・・合わせてヨウシュヤマゴボウの名がついたという。花は小さく、うすいピンク色の可愛い姿。花が咲いている時は、茎は緑色なのに、秋に実が熟すと、茎も紅色になる。ところが、この個体は有毒。見た目がとても美しく、有毒と分かっていても、切って花入れにさせば、独特の美しさを感じる。なるべく触らない方が無難かも知れないが・・。

「愛妻の丘」

2023-09-28 10:09:22 | 山野草
 「サラシナショウマ」
 軽井沢からの帰宅中、少し足をのばして「愛妻の丘」へ。群馬県嬬恋村の観光スポット「愛妻の丘」。ここは、バラギからのパノラマライン沿いにある展望台。周りは、見渡す限りのキャベツ畑。毎年、9月に「キャベツ畑の中心で、妻に愛を叫ぶ」というイベントがある。叫び台から「○○さん、愛しているよ~」と、夫が大きな声で、真剣に叫んでいる様子が、TV放映されています。会場にいる奥様も、少してれながらニコニコ、その子供たちも笑顔いっぱい、TVを観ている私もニヤニヤ笑ってしまいます。「愛妻の丘」は、日本武尊が東征の際、妻をしのび、嬬恋の地で「わが妻よ」と嘆いたことから、「嬬恋村」と名がつけられたとか。現在は、この名の由来から「愛妻の聖地」として、村の活性化に取り組んでいるという。ブリキでできた可愛らしい人形や、ハグ台もあり、「愛の鐘」を鳴らしてハグをする、まさに「キャベチュー」ですよね。この丘には、「愛妻家テミル原則」の看板があり、面白いことが書かれていました。
 1 やってみる、妻が喜ぶ家事ひとつ
 2 出してみる、気付いた時の感謝の言葉
 3 聞いてみる、世間ばなしと今日の出来事
 4 捨ててみる、ミエ、テレ、タテマエ、セケンテー
 5 なってみる、恋した頃の触れ合う気持ち
 納得できる名文句!です
 サラシナショウマは、軽井沢ハイランドウェイの山道にも、滝の周囲にも咲いていたが、そろそろ見納めの頃だろうか。白いブラシ状の花穂は、遠くからでもよく目立ち印象的。草丈の高い独特の花は、一度見たら、きっと忘れることがないでしょう。

「愛妻の丘」にて。

「夏は花火でしょ」

2023-08-22 12:21:03 | 山野草
「ツユクサ」 ツユクサ科
 暑いです。本当に暑いです。暑い、暑いと何度言っても涼しくなるわけではないけれど、つい口から出てしまう。雨は降らず、遠くで稲光はするけれど、それもお騒がせだけで、夕立も来ない。首都圏の水がめでもある、利根川水系のダムもピンチ!TV映像によれば、特に、矢木沢ダムは水面が大きく下がっているという情報。矢木沢ダムは、何度か訪れているが、あの満々と水をたたえていたダムが、こんなことになっていおうとは! 以前は、そこで魚釣りを楽しんだが、今はボートが出せないので、釣りどころではなさそうだ。まとまった雨を望みたい今日このごろだ。
 この夏、地方に限られたローカルな、ちっちゃい花火大会を見に行った。ドーンとなって、夜空に咲いた大輪の花、花火。そのたびに、近くにいた人たちは、一斉に夜空を見上げる。「オーツ」という声がどよめき、打ち上げられたその音は、なかなかの迫力だ。「まるで宝石のようだね。」と5歳の孫は、目をまん丸くして、歓声を上げる。ほんの一瞬、ほんの一瞬の輝きだけれど、何故か、見る人の心を打つものだ。真夏の夜の日本の情景だ。
 ブルーの2枚の花弁が、涼やかな印象を与えるツユクサ。早朝、花を咲かせ、午後にはしぼんでしまう1日花。昔から愛されている野草。可憐な花であるが、茎は地面をどこまでも這って、群生する。暑い盛り、草むしりをするわが身にとって、ちょっと厄介な植物でもある。

「榛名・・つつじが丘」

2023-06-09 19:16:06 | 山野草
 伊香保森林公園、管理棟から林道上野原線を進んでゆくと、つつじが丘。その東屋からは、鍋割山、荒山、地蔵岳、黒檜山、日光白根山・・・展望が素晴らしい。「つつじが丘」と名が付いているとおり、ここはヤマツツジの群落。山道は花で覆われ、まさにトンネルのよう・・・と書きたいのだが、時すでに遅し。奥手のツツジが少しだけ咲いていた。つつじが丘は本格的な山ではないので、多少のアップダウンはあるが、森林浴の効果かマイナスイオンの効果か、精神的に安らぎを感じる。
 山道を進んでゆくと、「むし湯跡」。ここは、大正初めまで栄えた蒸し風呂のあと。交通の便が良くない時代に、こんな山奥に宿が数軒あったというから驚きだ。「むし湯跡」を右折し、しばらく行くと、道端に可愛らしい植物。4枚の葉、その中心からひょっと伸ばした茎の先に花の跡。ツクバネソウ?いや~違う・・葉の形、たぶん花も・・どなたか、ご存じでしたら是非おしえていただきたいです。
 森林に囲まれ、いい気分で歩いだすと・・・ギョッ、ギョ~、前方の木の根元にヘッ、ヘビが!飛び上がり、後ずさり・・・ぎゃ~と大声を出しても「その子」はビクともしない。「ヘビもこんなに嫌われてかわいそうだね」と同行者。
 つつじが丘から水沢山に登るショートコースもある。紅葉シーズン、この林道から登山の予定。水沢山山頂からの展望は、素晴らしかったと記憶している。

「キンランとギンランと」

2023-05-04 12:11:13 | 山野草
 いつもの場所、今年もキンラン、ギンランを見ることが出来るだろうか?よもや、盗掘などされていないだろうか?ドキドキしながら、その場所が近くなると、心なしか足早になる。
 全ての植物には名前があり、毎日見ている花の名前さえすぐに忘れてしまうけれど、キンランもギンランも一度見たら忘れない。何といっても、滅多に見られないし、その凛とした佇まいに魅了されてしまうからだ。従って、見つけた時の喜びは大きく、興奮してしまう。
 このあたりかしら?目を皿のようにして・・・。明るく乾いた丘陵地・・ありました‼こっちに1本、あっちにも1本。この子達、どうしたわけか、人の目につきやすいところに咲いている。踏みつけられず、盗掘されず、ほっとした。
 そして、もう1か所散歩中、雑木林の縁で偶然に見つけたキンラン。それはそれは凄く目立つ。花の色は勿論だけれど、その草丈に。40cm程はあったかも知れない。大興奮‼盗掘されているのではないかと気にかかり、心配しながらの1週間。せめてもう少し丈が小さければ・・。再び現地に向かう。心配無用、日差しの中、孤高の美しさ、気品ある上品な姿で咲いていました。来年もこの場所で会いたいと切に願う。

ギンラン

「来てね、ヤマガラ」

2023-04-27 21:32:47 | 山野草
「フデリンドウ」
 冬の戸神山での感動体験を友人にも体験を、と願い、再び訪れた沼田。前回は12月中旬。山はすっかり様変わり。登山道には、ジュウニヒトエ、ハルジオン、チゴユリ、コバノガマズミ、ヤマツツジ・・どの草花も冬を耐え、芽を出し花を咲かせる。山は淡い新緑から、少しずつ緑が濃くなり、緑色の素敵なグラデーション。野鳥のさえずりをききながら、山の美味しい空気をいっぱい吸い込み深呼吸。「あ~、幸せだな~」と。少し大袈裟かも知れないが、「生きててよかった」と思える瞬間だ。
 登山口までの山道で見つけたフデリンドウ。草丈、10cm足らず。暖かい陽ざしをたっぷり受け、上向きに青紫色の可愛らしい花をつけている。とても乾燥している山道なのに、よくぞ咲いていてくれたと心が動く。
 歩き始めて20分ほど、足も慣れ、いよいよ急登の登山口。岩に這いつくばりながらではあったが、2回目なので疲労感は少ない。山頂、771m。晴天であるが、遠くの山はかすみがかかり、暑い。低山は、やはり冬がいい。
 昼食をとっていると、ヤマガラ1羽、チャンス到来。あの感動体験を彼女にも‼やりました~。どこからともなく飛んできて、餌をくわえ姿をかくす。再び飛んできては、餌をねだる。自然環境として、いいかどうかは疑問もあるが、なかなかできない体験かと。彼女に喜んでもらえただろうか。

初めての本格的なタケノコ堀り。大きなスコップを持ち、タケノコの掘り方を教えてもらったが、力がないのか、要領が悪いのか、手間がかかる。
 とりたて新鮮、湯がいて調理。 煮つけ、ステーキ、お味噌汁、まぜご飯、天ぷら・・疲れたけれど、美味しくいただきました。

「竹沼の春」

2023-04-15 18:52:30 | 山野草
 「センボンヤリ」  キク科
 寂しそうだった竹沼(藤岡市)も、キブシはいち早く春を告げ、樹木が芽生え、淡い新緑が春のやわらかい陽ざしを受け、光っている。一年で一番素敵な季節。いつもの散歩コース。雑木林の、のり面には、ジュウニヒトエ、タンポポ、スミレ、へびイチゴなどの花々が咲き、冬の味気ない散歩から、花を愛でながら出来るようになり、これからがますます楽しみとなった。何と言っても、ここは多様なお花が咲き、周囲4kmという距離は、心を満たすのにはちょうど良い。沼なので、勿論「魚」もいる。鯉も恋の季節なのか、よく見れば10匹ほどの鯉が集団見合い(?)。お気に入りの相手を見つけるのだろうが、私から見れば、どれも同じ顔に見えるけれど・・。鯉にも好みがあるのでしょう・・。
 一方、驚いたことに、カメが沼の倒木の上で甲羅干し。子亀を入れて12匹‼木の上で、全員真っすぐに整列し、じっと動かず。ミドリガメ?かと。こんなにたくさんのカメ、初めてみました。
 そして、そして見つけましたセンボンヤリ。草丈、10cmあるだろうか、ほんとに、ちっちゃい白い花をつけ、気を付けていないと、ほとんど見過ごしてしまう。「センボンヤリ」(千本槍)なんて、興味深い名で、花からどうしてこんな名前がついたのかと思うが、実は秋の花は開かず、たくさん並んだ槍に見立てての命名という。
 余談だが、NHK朝ドラ「らんまん」。植物学者、牧野富太郎が主人公。毎回、どんな花が紹介されるのか、楽しみにしている。

「神成山ハイキングコース」

2023-03-11 16:53:42 | 山野草
 「ウンナンサクラソウ」                                           「9連峰制覇~」なんていうと、オ~ッっていう感じだが、ここは群馬県富岡にある神成山(か
んなりさん)ハイキングコース。宮崎公園に駐車、ここから歩き始める。住宅地を抜け、富岡西中学校の脇が登山口。山は東西にのび、第一ピークから第九ピークまでの尾根歩き。富岡アルプスと呼ばれている。
 登山口からおよそ20分、見晴台のある姫天狗。やわらかな春の陽ざしが眼にまぶしい。眼下には、里山の長閑な風景がひろがる。時々、上信電鉄の模型のような、二両編成の可愛い電車が通り過ぎる。学生の頃を思い出す。
 神成山城址本丸跡は広く、よく整備されている。小幡氏の出城で、歴史を学べる里山。龍王ピークは321m。低山ながら、眺望は良く、稲含山、小沢岳、鹿岳、四ツ又山・・西上州の雄大な山並み、眼下には市街地が良く見える。第9ピークの吾妻山からの眺望も素晴らしい。案内板には、4月頃になると、マルバアオダモ、ヤマツツジ、タニウツギなどが山を彩るという。
 帰路は「かんなり郷道」を歩き、宮崎公園へ。目の痒みや痛み、鼻づまり、くしゃみ・・花粉に悩まされたハイキング・・でした。
 ウンナンサクラソウ(雲南桜草)雲南と名がついているように、中国雲南省が原産とのこと。淡い優しそうな花びらが、桜のようだ。頂き物だが、寒さには強いが暑さには弱い植物で、種から蒔いたとしても、来年発芽するか、全く自信がない。せいぜい花の咲いているこの姿を楽しんでいたい。