啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「茶会」

2023-05-23 19:20:50 | その他
 「薄器が欲しい・・私は清水卯一の茶碗かな・・錠鉄の茶碗も欲しい・・それもいいけど、矢筈の長板も欲しい・・お軸いいですね・・流祖の花入れも欲しい・・」。全部欲しいものだらけ。
 お茶会の帰り、食事をしながら、ひとり一人が欲しいものを、それぞれがあげていく。貰えるとしたら、どれが欲しいかと・・。全くの絵空事ではあるが、お茶道具の話題は楽しい。
 新型コロナ「5類」への移行により、茶会が徐々に開かれるようになった。21日(日)、高崎茶道会、皐月会が感染対策をしながら、大聖護国寺で開催された。参加者は、人数制限があり、畳薄茶席(江戸千家)、立礼薄茶席(大日本茶道学会)の2席。久方ぶりの茶会とあって、気持ちが華やぐ。なかなか拝見できないお道具ばかりなので、同じ流派の仲間での会話は、共通点があり、話が弾む。この時期、青葉、若葉のさわやかなお庭を背景に、それぞれのお道具を愛し、風情をいつくしむ先生のお心やお人柄が映し出される。
 ところで、お茶といえば、季節のお菓子も楽しみの一つ。今回は2席とも「落とし文」。初夏の上生菓子。「落とし文」は、初夏の季語、と知った。「落とし文」とは、もともと人目をはばかる手紙や恋文などを直接渡さず、渡したい人の近くに落し、拾わせる置手紙のこと、とネットに記されていた。なんと、風流な情景でしょう・・現代なら、さしあたりラインかも。
 初めての護国寺。桂昌院ゆかりのお寺とのこと。「桂昌院」と名のつい枯山水庭園。さわやかな初夏の一日。ぬくもりのあるお茶会でした。

「梅雨色」

2023-05-20 16:33:44 | 庭の花木
 「ムラサキツユクサ」 ツユクサ科
 鹿児島県、奄美地方の梅雨入りが発表された。関東は6月中旬頃の見通しという。梅雨に似合う花といえば、アジサイ。今は、伸びた枝の先端に、まん丸い緑色の小さな花芽をたくさんつけている。隠し切れない可愛らしい花をつけるのは、もうすぐだ。
 一方、今つぎつぎと花を咲かせているのは、ムラサキツユクサ。‟ツユ”と名がついているように、梅雨のシーズンにぴったり。朝には、大きな3枚の紫色の花弁をつけ、午後にはしぼんでしまう。株の中心から、いくつかの茎をつけ、草丈は50cm程。「ムラサキツユクサは、歳の頃なら30歳くらいで、葉が根元からキューンとのび、可愛い年増のイメージ」と誰かさんは申しておりましたが・・???。年増は余分がけれど、まっ、可愛い花ということで・・・。40代・・50代・・70代のイメージの花は・・・何だろう?
 また、似ている名に「ツユクサ」があるが、これは全くの別の植物。茎は地面を這って伸び、青紫色で涼しげな2枚の花をつける。繁殖力がおおせいで、畑や道端など、どこでも見かける。これも、朝は花をつけ、昼頃にはしぼんでしまう。夏には、やや嫌われ者の感があるが、それでもよく見れば、おしべのつき方が面白く、全体的に清楚な感じを受ける。

「倒木・・コシアブラ」

2023-05-13 19:09:55 | 庭の花木
 上州名物の強風であっも、台風であっても倒れることがなかったコシアブラの木。先日、北からの風にあおられ、無残な姿で倒れてしまった。コシアブラといえば「山の女王」と呼ばれている山菜。「普通の家庭では、なかなかこの木はないよ」と言われているが、夫が実家の山から苗木を持ち帰り、あれから20年ほどになるだろうか?あまりに気候や環境が違うため、根が付くか心配していたが、今では木の周囲も30cm程になり、立派に育っている。
 春になれば、枝先から美しい艶やかな黄緑色の芽を出し、みずみずしい若葉は、天ぷらやコシアブラご飯に最高‼ ほんの少しの苦みと独特な風味があり、さわやかな味覚がある。勿論、今年も美味しく食べました。それが、それが何と倒木! ショックです。よく見れば、根っこが一部腐っている。山にいない虫が、ここにはいたのだろうか?早速、手当てをして処置したのだが・・・元気になって欲しい。 
なお、名の由来は、かつてこの木の樹脂を絞り、濾したものを漆のように塗料として使われていたからだそうです。

「ぐんま百名山 物語山とコンロンソウ」

2023-05-07 18:09:39 | 登山
 4年越しの物語山(1019m)登山。ついに、登らせていただきました。素敵なロマンチックな名がついている山。どんな物語があるのかしら・・と、ワクワクしながらの山歩き。
 ガイドブックによれば・・昔、このあたりの山城が、戦いで陥落し、城を守る兵たちが財産を持ち出し、山頂の西にある「メンベ岩」へフジヅルを頼りに登り、頂に財宝を埋蔵したのち、ツルを切って全員切腹して果てたという‟物語により、山の名がついたと記されていた。
 下仁田町、サンスポーツランドに駐車。ここからは沢沿いに登山口まで歩くこと1時間30分。標準コースタイムでは、40分と記されていたが、行く道すがら、あれは何の花? こっちは?などと花の学習会。けれど、健脚ならいざ知らず、登山口まで40分では無理がありそう。
 歩きにくい山道を、1時間30分も歩いて、ようやく登山口。やれやれと行きつき暇もなく、急登。根っこが張り出し、つづら折りのスギの林の中を忍耐強く、根気よく歩いていると、今度は、土の道に代わって、板状の石が何層にも登山道に敷き詰められ、足場がめっぽう悪い。同行者は、鉄平石ではないか、と申しておりました。ガレ場の連続・・おまけに登りっぱなして、休むところが、どこにもない。そんなところを、歩くこと1時間30分。ようやく、コル到着。

  ここから西峰へ。山頂は、ヤマツツジ、ミツバツツジも咲き、元気をもらう。黒斑山、浅間山、浅間隠山、鼻曲山など展望が素晴らしい。再び、コルに戻り、物語山の山頂を目指す。またもや急登。歩くこと20分。青空が見え始め、頂上が近いかと喜んでいたが、期待を裏切られ、どっと疲れる。それでも、あきらめず、足を進めていきさえすれば、必ず山頂に出るものだ。頂は、木の葉が茂り、遠くの山は見えない。

 下山は、往路を戻る。物語に出てくる‟メンベ岩”はどこ?登山中、ずっと気になっていたその岩が、木々の間から、偶然にも目に飛び込んできた‼山のてっぺんに、ど~んと垂直に岩がそびえたっている‼怖いほどの迫力だ。因みに、メンベとは、手打ちうどんを打つ時の板のこと。
 駐車場到着は17時。「物語山」という美しい名に惹かれて憧れていたけれど・・疲れました

 下山中、どこかで見たことがある様な花が、目に留まった。白い花がまとまって咲いている。
調べると「コンロンソウ」(崑崙草)と判明。名の由来は諸説あるようで、はっきりしない。白色の可愛らしい4弁花。一般的に、山地の湿った場所や谷川沿いの水湿地に生育とのこと。


「キンランとギンランと」

2023-05-04 12:11:13 | 山野草
 いつもの場所、今年もキンラン、ギンランを見ることが出来るだろうか?よもや、盗掘などされていないだろうか?ドキドキしながら、その場所が近くなると、心なしか足早になる。
 全ての植物には名前があり、毎日見ている花の名前さえすぐに忘れてしまうけれど、キンランもギンランも一度見たら忘れない。何といっても、滅多に見られないし、その凛とした佇まいに魅了されてしまうからだ。従って、見つけた時の喜びは大きく、興奮してしまう。
 このあたりかしら?目を皿のようにして・・・。明るく乾いた丘陵地・・ありました‼こっちに1本、あっちにも1本。この子達、どうしたわけか、人の目につきやすいところに咲いている。踏みつけられず、盗掘されず、ほっとした。
 そして、もう1か所散歩中、雑木林の縁で偶然に見つけたキンラン。それはそれは凄く目立つ。花の色は勿論だけれど、その草丈に。40cm程はあったかも知れない。大興奮‼盗掘されているのではないかと気にかかり、心配しながらの1週間。せめてもう少し丈が小さければ・・。再び現地に向かう。心配無用、日差しの中、孤高の美しさ、気品ある上品な姿で咲いていました。来年もこの場所で会いたいと切に願う。

ギンラン