啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「ユキザサ」

2016-04-30 13:54:48 | 山野草
 「ユイザサ」  ユリ科
 「あの山は、植生が豊かで、花をとるのが楽しみ。」 「あそこは、監視員がなかなか厳しいらしいから、花をとるのは・・・。」 「・・・?」。会話中、どちらも聞こえるオトは同じなのだが、とるの意味が全く違う。“とる”を漢字で表せば、“撮る、取る、執る、 採る、 捕る、盗る”などが頭に浮かぶが、それぞれ漢字の意味するところは異なる。英語ではどうだろうか。“take   catch   get   steal・・”(誤っていたら失礼)でしょうか。この場合は、あまり誤解をうけないかも知れない。日本語は、オトだけならば、名詞のイントネーションにより、誤解を招くことがある事を、最近経験した。かといって、英語の単語を、おもい出そうにも、頭の引き出しが、かなり錆びついてなかなか開かない。ラジオから流れる英会話は、まるで子守歌のよう・・・。
 細い茎の先に、小さな白い花を円錐状につけるこの花を、“雪”にたとえ、葉の形が“笹”によく似ているので“ユキザサ„(雪笹)。草丈、20cm位。山地の湿り気のある場所に生える多年草。花径はあまりにも小さく写真をとるのに苦労した。1枚の写真をアップするのに、通常10枚位は、いろいろな角度から、撮影を試みるのだが、うつむいている花やあまりにも小さな花は、クローズアップしても、ピントがずれたり、手ぶれで苦労する。個体もしかり。撮る角度を私に教えてくれなかった。清楚で純白な小花と、すがすがしい緑の葉に、心があらわれる気がする。茶花として好きな花だ。

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「ボタン」

2016-04-27 16:56:45 | 庭の花木
 「ボタン」 ボタン科
 草木が萌え、里山も若葉に包まれ、新緑が目にしみる季節。春の山はのどかで、明るく、エネルギーに満ち溢れている。野も山も花の香りと、柔らかなひかりが降り注ぎ、まさに、山が笑っている状態だ。美味しいお蕎麦屋さんがあるとの情報を聞き、訪ねた山あいのひなびた店。美しい里の風景を楽しみながら、舌鼓を打ったのは言うまでもない。
 ボタン・・・それは百花の王。あでやかでゴージャスな姿は、息をのむ美しさだ。たった一本のボタンが咲いただけで、庭の景色がまるで変わるから不思議だ。気品と風格さえ漂うこの花びら、一見、頼りなさそうに見えるが、手で触れると、案外厚みがあり、しっかりした存在感がある。多少の風にも動じない。中国原産。平安時代に薬草として渡来したようだ。頭痛、関節炎の治療に根皮が使われたという。
 ボタンといえば、“花の御寺„といわれる、奈良県の長谷寺。ワラで囲いをした“寒牡丹„をみたことがあったが、春のそれとは違う美しい佇まいをしていた、と記憶している。
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「ジュウニヒトエ」

2016-04-24 15:16:19 | 山野草
 「ジュウニヒトエ」 (十二単) シソ科
 武家屋敷前から、満開のサクラが映し出された。みちのく 小京都 秋田、角館のサクラだ。今からおよそ350年前、京都のお姫様の嫁入り道具の中に、3本の桜の苗木があり、それが元になり、今日まで長い年月を経て、現在の姿になっているという。武家屋敷にシダレザクラ、息をのむ美しさだ。そういえば、今から20年ほど前、夏の暑い盛りに角館を旅行した。情緒ある街並みを散策し、その記念にと、山桜の樹皮を素材にした、お盆と茶杓を求めた。桜の深い光沢と素材の色合いが素敵で、今でも春になると使っている。
 京都のお姫様に因んで、ジュウニヒトエ、しかしこちらは植物名。何と雅な名前! 草丈20cmほどの多年草。葉の脇から花が茎に沿い、だんだんになってつく様を、平安時代の女官の「十二単」にたとえられたというが、淡い紫色の花でちょっと地味め。葉や茎も、何となくはっきりしなく、うすぼんやりしている緑色。そんな様に見えるのは、実は全体にやわらかい毛がふさふさしているためだ。日本固有種で本州と四国に分布。いつものハイキングコースでは、よく見かけているが、県によっては、絶滅危惧種に指定されているという。
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「ハルリンドウ」・・・たぶん

2016-04-21 15:42:04 | 山野草
 「ハルリンドウ」 リンドウ科
 舗装された道路の両側は、白、ピンク、紅色のハナミズキの花が満開。「ここは、ハナミズキ通りというんですよ」と、施設の利用者の方から教えていただいた。埼玉県内の、ある福祉施設に依頼され、春のお茶会を催したのは先日の事。野点傘をはじめ、お茶道具を車に詰め込み、準備が大変だったが、協力してくださった仲間に助けられ、無事終了。帰り際、○○さん、と突然私の名前を呼ばれ、驚いていると、行事の予定表に名前が書いてあり、楽しみに待っていてくださったとのこと。こんな嬉しいことはない。そして、記念写真。楽しい時間は瞬く間に過ぎてしまう。今回の活動、定期的に行っている他の施設でのボランティア活動と合わせ、今ではライフワークとなっている。
 写真を撮っていると「それって何の花ですか?」と年配のご夫妻から声をかけられた。リンドウです、とお答えしたが、しかし明確には、ハルリンドウなのかフデリンドウなのか定かでない。簡単な見分け方を調べてみると、ハルリンドウは、一つの茎に一つだけの花をつけるが、フデリンドウは、一つの茎にたくさんの花をつけるし、根出葉が大変小さく、ロゼッタ状にならないと記されていた。・・・で、どっちかと悩んだ末に、ハルリンドウ?と決めた。リンドウといえば、一般的に、秋空に濃い青紫色の花をつけ、草丈も50cm位にはなるが、春に咲く花は、せいぜい10cm位だ。太陽の光を十分に受け、上向きに凛と咲く姿は可憐。漢字で「竜胆」と記するので、名の由来を調べてみると、リンドウの根が漢方薬の「熊胆」と同じくらいに苦く、これに匹敵するのは、たとえるなら、竜の胆くらいしかないんじゃないかという事でついたと、ネットには書き込みがあった。春の柔らかな日差しをうけ、丘の斜面に鮮やかな青紫色がまぶしかった。
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「チゴユリ」

2016-04-18 16:18:20 | 山野草
 「チゴユリ」 ユリ科
 今年の夏は、富士山へ行きましょう と誘われているが、正直、あまり気がすすまない。一つは、体力に自信がない事、二つは、山に花がない事、三つは、山小屋に宿泊すること。これが難関。以前、夫から、○○さんは山小屋は無理だよ と言われていたが、本当に無理かも?今回のチャンスを逃したら、生涯、富士山へは登ることはないと思うのだが、さて、どうしたものだろう?家族からは、ここ数年、登山の禁止命令が出ているが。
 チゴユリが咲いている頃かと思い、久方ぶりに、近くの庚申山に、散歩に出かけた。ふじの咲く丘公園では、ところどころ藤の花がさきはじめ、23日から、ふじまつりが催される。公園では、訪れる人々をむかえる準備に余念がない。自然豊かな雑木林が、少し伐採され、新たに藤棚の拡張工事が行われ、遊歩道も整備されていたのには、多少の驚きもあった。初夏を思わせる晴天のもと、散歩を楽しむ人も多く、山の斜面を歩く足取りも、気分も軽やか。そして、やっぱり咲いていたチゴユリ。チゴは、稚児と漢字で記するように、子どものこと。ちっちゃくて、可憐であいらしい花を咲かせる事からの命名。草丈は、20cm位。花は、ややうつむいて咲く。全開しない。当ブログの見出し写真に使用しているように、個人的にチゴユリは大好きな花。北海道、本州、四国、九州などに分布。
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「タンチョウソウ」

2016-04-15 16:19:52 | 庭の花木
 「タンチョウソウ」  (丹頂草) ユキノシタ科
 昨晩、熊本県で震度7の強い地震。突然の事態に、何が起きたのか、わからない状態だったのではないだろうか。一夜明け、その被害が徐々に明らかになってきた。映像からは、火災、家屋の倒壊、断水、停電、ガス、高速道路の亀裂などといったライフラインの混乱、そして救助活動等々が伝えられている。さらに、いまだやまぬ余震に、怖い思いをしているに違いない。地震は、予告なしにやってくる。なんとか、知る術はないものだろうか。
 最近の新聞記事に、国の特別天然記念物のタンチョウが、今冬、北海道の調査で、過去最高の1320羽確認された、と記されていた。1952年度は、釧路湿原を中心に、33羽が確認されただけというから、この間、環境省や地域など官民一体の積極的な活動が、たゆみなく続けられた結果なのだろう。タンチョウが上空を飛ぶ姿など、本物は一度もみたことないが、本や映像でみるその姿は、実に優美である。全長1m40cm、翼を広げると、なんと2m40cmもあるというから圧巻だ。
 こちらは、タンチョウソウ。漢字で“丹”・・赤い、“頂”・・てっぺん と書くように、白い小花の中心は赤く、スーッと長い茎は丹頂鶴の首に見立て、ヤツデに似たような葉は、羽に見立ててつけられた名前という。草丈、30cm位。硬い土からピンク色した蕾が顔を出し、茎が伸びたかと思ったら、すぐ花を咲かせ、あっという間にグングン茎が成長し、根元から葉が出てくる。黄緑色の葉が新鮮で、花入れにさせば、そこは春色。
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「ヒメリンゴの花」

2016-04-12 19:37:05 | 庭の花木
 「ヒメリンゴ」 バラ科
 休日(個人的には、毎日が休日なのだが)に、お客様を招いての、簡素な茶会を自宅で催した。音楽を通じての知人、Nさんのご家族とご友人の5人。お客様の中には、3歳の可愛いNさんのお孫ちゃんも参加。小さい子は、動き回ったり、走り回ったりするのが常と思うが、一点前が終了するまで、しっかり座っていた。立派な姿に感心した。Nさんとそのご友人は、学生時代からの親友で、今でも共に充実した時間を過ごしていらっしゃるとのこと。数十年という月日、ずっと友人でいられるのは、お互いに尊敬し、信頼し合う心、そして少々の距離感も大切だと思う。楽しい時、嬉しい時、辛いとき、困ったときなど、いつも隣にいてくれる友は大切にしたいものだ。音楽、花、など趣味の話題で会話も弾み、楽しいひと時を過ごした。
 今年も、咲きました、ヒメリンゴ。鉢植えで、高さ約30cm。この木だけは、決して枯らしてはならないと、心している。退職祝いに夫が頂いた記念樹。蕾はピンク色しているが、開花すると白色に変化。秋には、赤い小さな実をつける。食べられない事はないが、どちらかというと観賞用。当家には、地植えのリンゴの木もあるのだが、こちらは、細い枝先から、若い緑の葉を出しはじめ、よく見れば、ピンク色をのぞかせているのもある。秋の収穫は期待できないが、淡い花びらは、春からの贈り物だ。
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「ヤブレガサ」

2016-04-09 14:39:27 | 庭の花木
 「ヤブレガサ」  (破れ傘) キク科
 競泳 リオデジャネイロ 五輪代表決定戦、BSで6:00〜 NHK総合で7:30〜連日放映。水泳教室に入るまでは、興味もうすかったが、人間というのは全く勝手なもので、自分が水泳始めるようになって、毎日、TVにかじりついている。派遣標準記録を予選で突破しても、決勝でクリアできないと五輪には出場できないという、まさに一発勝負の激しい戦い。毎日、ワクワクしながらTV観戦している。まるで、魚のように泳ぐ姿は、なんともきれいで美しい。プール教室の先生から、「ストリームラインをしっかりとりましょう。オリンピックの選手も同じことをしているのですよ」と指導され、何か学べるものはないかと思うのだが、瞬きをしているうちに終了してしまう。ただ、ただ、力強く美しい姿に見惚れるばかり。
 7月~9月頃にかけて、やや地味な、白っぽい花を咲かせるヤブレガサ。見どころは、アップしたこの姿。芽が出たばかりの葉が、破れた傘に似ていることからついた名。切れ込んだ葉の開き方は、洋傘より和傘がイメージとしてはピッタリ。よくぞ、名をつけたものだと感心する。写真の左側は、葉が出てから間もなくなので、綿毛に覆われている。ちょっと意地悪して、すぼめた傘に手を入れて、広げたい衝動に駆られる。草丈、現在、10cm。思わず「かわい~い」。


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「ユキワリソウ」

2016-04-06 16:04:45 | 高山植物
 ミスミソウ (三角草) キンポウゲ科
 長岡のIさんから「ユキワリソウのお祭りが、4月3日までなので、来られる?」との連絡を受けたが、3月下旬から4月上旬にかけて、旅行、結婚式、ボランティア活動、その他諸々の行事でハードスケジュール。せっかくのお誘いなのに、伺えなくて、本当に残念で、残念でしかたなかった。いつも、ご夫妻で待っていてくださるのに・・・悲しい。そして、親切にも、越後丘陵公園、雪国植物園のリーフレットを送ってくださり、さらに、ご自宅での“雪割草„をラインで送ってくださった。それらを、パソコンにとりいれ、サイズの処理をし、アップさせていただいたのが、この一枚。デリケートな植物なのに、このように見事に花を咲かせるには、愛がないと出来ない事だと思う。
 ミスミソウは、別名ユキワリソウ(雪割草)ともいう。葉っぱの形に特徴があり、葉が、3つに分かれ、しかも先がとがっている(三つの角のある草)なので、それが名前のいわれになっている。一方、ユキワリソウは、冬に降り積もった雪を割るように茎を伸ばし、花を咲かせる様子にちなんで、つけた名とも。Iさんが送ってくださった写真には、木立の中で、群生して咲いている画像もあった。白色、ピンク色、ブルー、紫色の花が可憐。
 新潟県では、県の草花に指定されているという。以前、夫からピンク色のユキワリソウをプレゼントしてもらったことがあったが、数年は、細々とでも咲いていたのだが、今は絶えてしまった。いくら、山野草の土を入れても、高山植物は、群馬の乾燥した土地では適応しないのかも知れない。花言葉「信頼、自信、期待、和解、優雅、はにかみや・・・」など多数あり。
 「日程があったら、いつでもお待ちしています」とお手紙が添えられていたが、美しい里山の風景の資料を眺めていたら、明日にでも飛んでいきたい気持ちになった。
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「ミツバツツジ」

2016-04-03 11:21:57 | 庭の花木
 「ミツバツツジ」  ツツジ科
 東京駅からタクシーに乗り暫く進むと、雰囲気のある木製の看板に“さくら坂„の文字。細い道路の両側は、薄紅色の満開の花びら。昨日は少し肌寒く、花曇りの一日だったが、皇居の乾通りでは、5万6千人の観光客でにぎわったとのこと。当ブログでも、その美しさをアップしたいのはやまやまだが、個人的にお気に入りの場所で、思い出のサクラを愛でるのが一番心地よいと思うので、あえて、心にストップをかけた。そんなふうに思わせるほど、サクラの花びらはせつなく、匂うがごとく美しい。本日は、ぬけるような青空 とはいかないが、それでも日が差し穏やか。思い出の径を散歩しながら、桜を愛でに行こう。
 当家のシンボルツリーともいえる存在のミツバツツジ。枯れてしまったかのように思わせる枝から、咲く準備を人にみせないで、急に花が咲きだすイメージのツツジ。赤紫色の花びらがとても鮮やか。花が終わってから、その枝先に3枚の葉がつくことからの名前。植えっぱなしで、特段手入れをしていないのだが、調べてみると、比較的根が浅く、強風で倒れることがあるという。栄養不足なのか、あまり大きくならないので、枝をつめることもない。因みに、群馬県の花は、レンゲツツジ。6月頃に赤城の山をオレンジ色で染める。
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