啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「ハクモクレンの花芽とタムシバ」

2017-01-30 12:49:13 | 庭の花木
 「ハクモクレン」  モクレン科
 
 某新聞、天声人語に、真冬になると、氷が花のように咲く植物、シモバシラの話題が掲載されていた。実物を、初めてご覧になったとのこと。その様子が、実に細かく観察され、読者が、が容易に想像できるような、的確な表現と語彙で、文字が紡ぎ出されていた。例えば、天を指す円錐や三角錐、ふわりとした綿あめ、たわむれる妖精たち、小さな宝石・・。以前、当ブログにシモバシラをアップしたが、“そうそう、私もこんな風に書きたかったのに・・”と。自然が織りなすあの美しい現象を、文字に綴るのは難しい。想像力を膨らませ、表現力を磨かねばならぬと感じた。
 3月にならないと咲かないハクモクレンの花芽が、風に揺れている。本日は晴天。青空に、綿毛で包まれた花芽が輝いている。触れるとなめらかで、手に心地よい。英名、Lily white magnoliaというらしい。枝先に咲く姿は、確かにユリに似ているかも知れない。やや大きくて、厚みのある白い花を咲かせるのは、もうすぐだ。
 ついでに、ハクモクレン、コブシ、タムシバ。これらは、花びらが非常に似ていて、区別しにくいが、ハクモクレンとコブシは花の大きさ、花の向き、葉などで、案外わかりやすい。問題は、コブシとタムシバ。ネットの情報によれば、コブシが咲けば、そのもとに1枚の葉がつき、タムシバはつかない。これだけでは、少し苦労するのだけれど・・。タムシバも成長すれば、葉もつくわけで。タムシバは、夫、絶筆の花。清楚で美しいのだけれど、つらい花でもある。

2013年5月27日  玉原湿原にて 「タムシバ」


「先客あり」

2017-01-27 16:02:02 | 庭の花木
 「キンカン」  ミカン科
 気温があがり、風もなし、まるで春を思わせるような、うららかな一日。しかしながら、冬の庭は、単調そのもの。ナンテンの赤い実も、マンリョウも野鳥に食べつくされ、一粒もない。最近は、ロウバイの花さえつついている始末。そんな庭に、彩を添えているのが、キンカンの黄色い実。枝は、程よく伸び、高さ2m位。秋には、小さな花を咲かせ、緑色の実をつけるが、冬になれば、熟す。口に含めば、少しの苦味と酸味、甘みも加わり、独特な風味が味わえる。ビタミンも豊富に含まれているので、咳、のどの痛み、風邪予防には効果的。
 いかにも美味しそうに実った果実。収穫しようと思えど、すでに先客。観察していると、一心不乱、夢中でつついている。しかも、色つやよく、熟した果実ばかり!枝と枝の隙間をうまく潜り抜け、茂っている葉をかき分け、上手に見つける。でも、キンカンの枝には鋭いトゲがあり、うっかりすると、かなり痛い。その点、鳥は如何なものか?痛くないの?
リビングから見つめている私と目が合い、ピ~ヨと鳴きながら飛びさってしまった。

「窓辺の花」

2017-01-24 11:34:40 | 庭の花木
 「シクラメン」  サクラソウ科
 鉢に植えられた、満開のシクラメンからは、麗しい香りが、漂ってくるかのような、期待感を抱かせるが、残念ながら、誰かさんの歌のような“シクラメンの香り”はしない。しかし、窓辺に置かれた、小さな鉢であっても、紅く、うつむいて咲く花は美しく、みていると心が和む。地中海地方が原産というが、日本には、明治時代に伝わったとのこと。時代と共に、花の改良も行われ、色もさまざま、フリンジ咲き、八重咲き、さらに、芳香シクラメンなども登場。シクラメンは、鉢植えで、しかも、室内で楽しむもの、という認識だったが、ガーデンシクラメンもあり、戸外で、寒さにも耐える品種もあるという。また、葉も見どころ。丸みのある、ハート型も可愛らしい。
 冬の花として定着しているシクラメン。毎年、年末には、トキの島の義父母に送っているのだが、いつも喜んでいただいている。しかも、それを枯らすことなく、次の年にも、また花をつけるというのだから驚く。私も、管理の方法を調べ、それなりに手入れをするが、元気そうに見えるのは、せいぜい初夏あたりまで。群馬の平地の、猛烈な蒸し暑さには、耐えられないのかもしれない。

「フイノトウ」

2017-01-21 17:40:14 | 山野草
 「フキノトウ」  キク科
 思いがけず、頂いたコンサートチケットは、藤あや子。歌はよくわからないけれど、お着物に興味があり出かけた。案の定、期待を裏切らず、素敵なお召し物。舞台衣装なので、華やかだけれど、着物と帯の、色使いのセンスは抜群。着物好きな私としては、収穫が大きかった。と、同時に、偶然にも聴けた、からたちの小径。島倉千代子の最後の曲を、これからは、彼女が歌い継ぐことになったとか。素敵で、心に残る好きな1曲です。
 品種が関係しているかも知れないが、もう、ふきのとうが顔を出している。当家の畑では、もう少し先になりそうだが。フキは、日本原産の山菜。ふきのとうは、そのつぼみの部分だ。土を突きぬけ、顔を出すこの頃が、身が締まって一番おいしい。少し苦味があり、これを好まない方もいらっしゃると思うが、寒さを耐え、ミネラルが、ギュッとつまり、これを食べれば、身体を元気にしてくれそう。地方により、収穫できる時期がかなり違うが、春を告げる食材だ。

「ウメ」

2017-01-18 15:06:01 | その他
 「コウバイ」  バラ科
 “北関東、魅力ないですか?”・・某新聞記事。何の事だろうと読み進めば、都道府県ランキングで、魅力度が低迷しているらしい。群馬といえば、温泉(草津 伊香保 水上 万座 四万・・)、世界遺産、豊かな自然(赤城山 榛名山、妙義山 尾瀬・・)吹き割の滝 冬桜 下仁田ネギ こんにゃく・・上毛カルタでその知名度は高い。東京には近いし、交通の便は良い。さらに、災害は少なく、恵まれた地域で、住みやすいと思っている。しかし、社会面でとり上げるのだから、地域としては、課題も多いのだろう。私的には、ググっと、ぐんまなのだけれど。
 “東京で、梅が咲いた”と、画面に大きく映し出された可憐な紅梅。もしや、あそこの、あの梅も咲いたかな?と気にかかり、訪れてみると、小輪の紅梅が、青空に美しく映えている。特別な品種ではないと思うが、それでも、この時節に咲く花は愛おしい。寒さ本番。春を想像するには、あまりに遠いのだけれど、梅の花を眺めていれば、着実に季節が進んでいるのだと感じさせてくれる。花言葉「忍耐 忠実 高潔」

「ロウバイ」

2017-01-15 11:19:48 | 庭の花木
 「ロウバイ」  ロウバイ科
 チラチラ降っていた細かい雪もすっかりあがり、明るい光が差している。数年に一度の強い寒気が入り込み、日本海側では大雪のニュース。災害がなければよいのだが・・。
 2017年、初のコンサートは、ロックヴァイオリニストの生演奏。ヴァイオリンは、クラシックのイメージを持っていたけれど、ロックという新しいジャンルでの音を耳にし、新たに、未知の世界に導かれた心持ち。弦が切れてしまうのではないかと思うほど、力強く、内面からほとばしる激しい演奏に、新年早々、元気をもらった。音楽は、心のオアシス。まして、生の演奏なら、言うに及ばず。今年も、せめて、月に1度、生で音楽を楽しめるよう心掛けたい。
 県内一の規模を誇る、安中市のろうばいの郷。12月が暖かったため、例年より、1週間早く開花したという。ここは、地元の農家が、およそ20年前に植えたもの。今では、12000本が咲いているという。
 ロウバイは、中国原産。基本種は、花の中心が、暗紫色で、その周囲は黄色。しかし、栽培品種は、花全体が黄色の、ソシンロウバイが多いという。当家の品種も、ソシンロウバイ。近づけば、香水をつけたような甘い香りが、衣服に漂う。
花言葉「ゆかしさ、慈しみ」。花の少ない冬季に、そっと咲かせる控え目な、奥ゆかしい姿に因むという。
 何だか、またあやしい空模様。風花のような、雪が舞ってきました。

「ツグミ」

2017-01-12 14:35:11 | 野鳥
 一枚、また一枚と庭の枯れ葉が舞う。風もないのに不思議な事、と目を凝らしてよく見ると、ヒヨドリに似たツグミが、落ちている葉っぱを、懸命に嘴でかき分け、エイ!とばかりに、どけているところ。土の中にいるミミズや、葉で隠れている昆虫を探しているのだろう。葉を数枚まきあげたと思うと、両足をそろえ、ピョンピョンと数歩あるいてはとまり、胸をそらせ、あたりの様子をうかがっている。こんな動作を何度か繰り返すのだが、なかなかしぐさが可愛らしい。ツグミは冬鳥。秋から冬にかけ、北から渡ってくる。庭にもやって来るので、ムクドリなどと同様、ふつうにみられる野鳥だ。特徴は、眉の白いライン。まるで、強く、白いアイラインをひいたように目立つ。そして、胸の模様。ツグミという名前は、日本国内では、ほとんど鳴く様子を見られないことから、“口をつぐむ”の意で、“ツグミ”という名がつけられたと、ネットには書き込みがあった。
 北風が強く吹く寒い日は、ツグミに限らず、鳥をあわれと思うのは、風にあおられ、羽をまんまるく膨らませ、寒さをしのいでいる様子。家の軒に来て、少し風を避ければいいのにと思うのだが・・。

「シモバシラの氷の花」

2017-01-09 18:04:14 | 庭の花木
 「シモバシラ」  シソ科
 早朝から大きな釜に湯をたぎらせ、その上に蒸し器に入れたもち米をふかし、杵と臼でおもちをついたのは、遠い記憶の中。つきたての、あたたかいおもちを、からみダイコンや甘味のあるきな粉で食べた事を、懐かしく思い出す。最近は、機械でついてしまうので、人手もいらず、それなりに美味しく食べられる。でも、当家の今年のおもちは絶品!あるバンドのリーダーが杵と臼でついたものを、マネージャーのNさんから年末にプレゼントされた。その美味しい事! 口に含めば、お米独特のほのかな甘さ、噛めば噛むほど風味が出てくる。たくさん頂戴したので、毎日食しています。
 霜が降り寒い朝、こんな時は、やはりシモバシラに氷の花が咲く。秋に、咲いた花が終わると、地上30cm程のところで、茎を切る。もちろん、冬になれば、茎は枯れてしまうが、この茎に水が吸い上げられる。外気が氷点下になると、枯れた茎の途中から水がしみ出たものが凍り、シモバシラができるのだ。とても美しく、まさに自然が作る芸術。しかし、この茎、いつまでも丈夫でなく、ある程度時がくればボロボロになり、寒い朝でも氷の花をみることができない。今の時だけの楽しみだ。

秋に咲いたシモバシラの花

「マンリョウ」

2017-01-06 09:29:39 | 庭の花木
 「マンリョウ」  ヤブコウジ科
 ドーンと鈍い音。しかし、それはかなり大きい。みれば、ヒヨドリが、リビングのガラス窓に体当たり。突然の音に、心臓がドキッ! 頭からぶつかったとすれば、脳震盪でも起こしているのではないか、と心配したが、しかし、実に素早くUターンし、スーイと飛び去った。 木々の細く込み合った枝でさえ、野鳥が枝にぶつかって倒れたのをみた事もないし、聞いたこともないのに、何もよりによって、大きな窓にぶつかることもなかろうに・・。だって、まだ朝の事ですよっ。
 名前のおめでたいマンリョウ(万両)。丈は、70cm程度。常緑小低木。葉は、縁がギザギザ。以前、赤い実のセンリョウ(千両)をアップしたが、両者の違いは、実のつけ方と、単純に理解している。センリョウは葉の上に、真っ直ぐに実をつけるが、マンリョウは葉の下に、しかも下向きに実をつける。赤い色の実が、おめでたさを一層引き立てる気もするが、当家のものは、淡い黄色。直径は1cm足らず。地味で目立たない実なのに、今朝はびっくり。何と、なんと、一粒もない!!  二度びっくりさせられた朝でした。
 

「めがね橋  吉祥寳来」

2017-01-03 12:01:43 | その他
 皆様、良いお正月をお迎えの事と存じます。本年もよろしくお願いします。
 元日から雲一つない青空で、風もなく穏やか。まるで、春のようなポカポカ陽気。この暖かさに誘われて、近くの八幡宮に初詣に出かけたが、予想以上の大混雑。仕方なくあきらめ、軽井沢にドライブ。雪も全くなく、高速道路は快適。ところが、到着した途端、道路は大渋滞。アウトレットに行きたくても、人 人 人・・。ここもスルーし、街中をぐるりとドライブ。ようやく見つけたお蕎麦屋さんは、正月値段?帰宅途中、安中市松井田町にある鉄道橋「めがね橋」を見学。説明によれば、煉瓦アーチ橋で、高さ31m、長さ91m、明治25年に完成し、アプト式鉄道を支えてきたが、昭和38年に廃線。平成5年に、国の重要文化財に指定されたとのこと。ここを、少し下ると、旧中山道、宿場町として知られる坂本宿、さらに碓氷峠鉄道文化むらがあり、鉄道ファンには魅力的な場所ではないでしょうか。なお、以前、紅葉シーズンに訪れた事があったが、周囲の山が美しく、アプト式鉄道時代の配線敷を利用して、遊歩道が整備されている。横川駅~熊ノ平駅間、約6kmの距離、散策するにはちょうど良いかも。
 
今年の干支は、酉。地域により、様々なお正月の迎え方があると思うが、この辺りでは、元日の朝は、菩提寺に年賀の挨拶。その後、家族でお墓参りをするのが常となっている。干支の切り絵は、お寺で頂戴したもの。盆と正月が一緒に来たようなものだけれど、仏様がいて、自分がいることに感謝しつつ、お参りした。