啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「案山子」

2014-09-29 14:42:32 | その他
 「案山子」
 日一日と秋らしい空気に包まれ、日中はかなり日差しがあるが、それでもその力はだいぶ弱く、大気が澄み、空が高く感じられる今日この頃である。庭先では、バッタ、コオロギなどの虫たちも、彼らの美しい音色を奏でてくれ、秋の夜を楽しませてくれる。数日前「空がきれいだよ」と息子に言われ見上げてみれば、一面に広がっている鱗雲、さざ波に似たような雲が夕日に照らされ、それは、それは美しい秋の空であった。
 当家から北へ向かうと、水田が広がっている。稲の穂がだいぶ垂れ、田では、落とし水がされていた。田を乾かし刈り入れに備えるのであろう。また、稲を鳥の害から守る為、竹やワラなどを材料として、人の形を作り、麦わら帽子をかぶせ、衣類を着せ、田の中にたてて鳥を脅す役目の案山子。最近では、こんな風景を見るのは極めて少なくなった。案山子を「かかし」と読むのは難しく、さだまさし氏の名曲「案山子」で覚えられたのかもしれない。しかし、泣かせるこの名曲。親の心そのものだと常々思う。案山子が鳥を脅すのはいいけれど、人間が人間を脅すのはいただけない。そういう人生観の持ち主と判断され、人としての品位も失う。信頼はお金では買えないのだから・・・。
 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「トチノキの果実」

2014-09-26 11:11:49 | 旅行
「トチノキ」 トチノキ科
 所要があり、稲敷、ポティロンの森へ行った。キバナコスモス、バラたちがお出迎え。のどかな牧場で、動物たちとのふれあい、森の体験(食体験、クラフト体験)など楽しみにして行ったのだが、平日でもあり、ほとんどが休業状態。それでも森の空気はさわやかで、心地よい。園内には、様々な樹木があり、なかでも、群を抜いて、高いトチノキは果実がたくさん実っていた。果実は球形。熟すと3列して、光沢のある赤褐色の種子がはぜる。これは、縄文時代から重要な食料で主食の一部。形は栗によく似ているが、味は苦く渋いので、アクを抜いて食べる。「栃餅」は有名。
 トチノキと同じ仲間でセイヨウトチノキがフランス語で「マロニエ」。パリの並木で有名。だいぶ古い話になるが、夏の盛り、マロニエの木陰でお茶したことが懐かしい。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アズキの花とさや」

2014-09-23 17:08:12 | その他
「アズキ」 (小豆) マメ科
 近所の畑に、「枝豆のようなものがあるな」と思っていたけれど、暫くすると黄色の花が咲いたので、枝豆ではないとわかった。畑の手入れをしている方に尋ねると、「アズキだよ」と教えてくれた。子供の頃、親が、茶色のさやから、小さな赤紫色の豆を収穫していたような気がするのだが、遠い記憶の中に埋没してしまった。
 見ず知らずの人と、平気で話し込むなんて、若い時には恥ずかしくてできなかったのに、今では結構たわいない話を楽しんでいる。
 ところで、アズキの名の由来は、ネットによれば
 1、アは赤い色を、ツキ・ズキが、溶けることを意味し、他の豆より調理時間が短  かい。
 2、地方用語では、アズ・アヅは崩れやすいという意味で、そこから煮崩れしやすいアズキ  と名付けられた。
 その他諸説あり。
いずれにしても、アズキは和菓子の重要な原料であり、なんと業界では「しょうず」と呼ぶという。だいず(大豆)に対し、しょうず(小豆)と呼ぶのかな?それにしても、小豆をアズキと読めるようになったのは、いつの頃からか。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ヒガンバナ」

2014-09-20 11:48:13 | 山野草
「ヒガンバナ」 (彼岸花) ヒガンバナ科
 有毒な多年生の球根植物。秋の、彼岸前後に咲くことからの命名。別名の「曼珠沙華」は、「赤い花」をあらわす梵語なのだという。草丈、30~60cmの中形多年草。川辺の堤やあぜなどで見かける。茎の頂に、真紅の花を数個輪状に咲かせ、しかも群生して咲いている姿は見ごたえがある。しかし・・・個人的にはあまり好まない。苦手な植物はあまりないが、身近に存在する中では、もう一歩心を寄せられない。子供の頃、お墓にたくさん咲いていた記憶からなのか・・・、花の姿が不気味・・・花色がどぎついから・・・?
 以前、夫から教えられた名前を思い出した。「トキの島では、ヒガンバナを、花見、花みずというんだよ」と。その理由は、花が終わると葉を出し、翌年の春に葉が枯れるので、花が咲いている時期は葉がないからだ。葉も刀のようにスタイルよく、しかも群生しているので、草かりは大変だと思うが、まっ、夏の盛りには草刈の手間が省け、都合がいいかも。
 
 
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「サギソウ」

2014-09-17 09:02:40 | 山野草
 「サギソウ」 (鷺草) ラン科
 大雪山系、旭岳では初冠雪が認められたとのニュース。これからは、秋の空気が下がり、気温がグッと低くなるとの予報。今朝はちょっと肌寒かった。
 先日、ナンバンギセルをアップしたのち、「花は何日間咲いているのか」とのコメントを頂き、あれから気を付けて様子を見ていたのだが、何と4日後には草むらに隠れて咲いていた1か所を残し、全部盗掘されていた。小さなシャベルで、根こそぎザックリ掘られていたのだ。何てことするの!絶対に、絶対に盗掘はやめて欲しい。
 サギソウは別名シラサギソウ。茎は高く伸び、20~40cm。ヒョロヒョロとスマートで花も清楚でさわやかな印象。花径3cm位。両側のふちが細かく裂け、花が開いた姿は、シラサギが翼を広げた様子に似ていることからの命名。花期は、7月~9月。夜には、良い香りが漂うという。サギソウはあまりに美しく、見る人の心を捉えるが、人間のサギにはくれぐれもご用心を!! では、次回またノックしてください。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ヤブガラシ」

2014-09-14 10:38:17 | 山野草
「ヤブガラシ」 (藪枯らし) ブドウ科
 この地域では、5月〜6月にかけて植えた稲は、高くツンと伸ばしていた青い稲穂が、最近では少しうつむいてきた。さらに、熟してくると重く下がり、だんだんと黄金色に変わる。そして、田んぼ一面を輝かせ、農家の人達の顔も輝く。そんな光景を見ることができるのも、もうすぐだ。しかし、以前、豊かな稲田だったのに、あちらこちらに雑草が高く生い茂り、荒れた田が目立つようになっている。それには、さまざまな理由があると思われるが、空いた荒れ地を見ると、当時の人の、土地に対する愛着心を考え、何だか悲しくなる。
その荒れた土地の草むらを、覆うように茂り、他の植物にからみつき、さらに、その植物さえも枯らしてしまうというヤブガラシ。何といっても、やぶ(藪)までも枯らしてしまうという意味での命名。別名、ビンボウカズラ。旺盛な繁殖力で、人から嫌われるけれど、花は結構かわいい。蜜が豊富で昆虫がよく集まるそうだ。秋には、熟すると黒色の果実もでき、直径約1cm。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ついに見つけた! ナンバンギセル」

2014-09-10 14:01:44 | 山野草
 「ナンバンギセル」 (南蛮煙管) ハマウツボ科
 数年前の初秋、いつもの散歩コースでのこと。竹沼の周囲は雑木林で、植生も豊か。ススキが繁る草むらの中に、紅紫色の花を偶然発見!
 私・・「あれっ、珍しい花が・・・」
 夫・・「あーっ!ナンバンギセルだ!! ウォーッ、すごい! 良く見つけたね。ありが とう!」と、興奮しながらカメラを向けていた姿を、今でも忘れることができない。私が、この花を目にしたのも、名前を知ったのも、この時が初めてだ。あれから毎年、秋になると注意深く周辺をみていたのだが、一度も見かけることはなかった。それもそのはず、一年草である為、毎年同じ場所でみることができないそうだ。昨日、偶然目に飛び込んできた。!とびあがるほど嬉しかった。
 ナンバンギセルは、寄生植物。ススキ、サトウキビなどに寄生し、花が咲くまで姿は見えない。花は筒状で、その姿を昔、南蛮人(ポルトガル人、スペイン人)が日本に持ち込んだパイプに見立てて名前がつけられた様だ。別名、「オモイグサ」(思草)。うつむきかげんに咲く花の姿からの命名。こちらの呼び方は趣があって好きだ。草丈、10〜20cm位。花径、1.5cm位。花だけで、葉は見られない不思議な植物だ。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「月に願いを」

2014-09-08 15:39:46 | その他
 本日は十五夜。中秋の名月。とはいうものの、肝心のお月様は、今晩期待できそうにない。そもそも、中秋とは、秋の真ん中。すなわち、旧暦で8月15日のこと。旧暦では7月〜9月が秋とされ、8月は秋の真ん中である。新暦では本日9月8日にあたるそうだ。この時期は空気が澄みわたり、満月ともなれば、その美しさは一層きわだつ。あたりは暗く、闇の静寂の中での月光は、妖しく何となくロマンチックな気分になる。満月も美しいと思うが、私は、雲がちょっとかかった月が好きだ。雲間の月はわびしく、しかも美しい!昨晩の月は、まさにこれ!思わず見とれてしまった。勿論、お月様に願い事はしたけれど・・・。
 十五夜といえば、ススキと供物。ススキはお月様をよぶ目印だとか。供物は庶民の暮らしと深く関わり、収穫感謝祭。子供の頃は、縁側でススキ、穀物、お団子など供え、お月見をした事を懐かしく思い出す。
 「秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけき」
                          左京大夫顕輔 
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ヤブラン」

2014-09-06 11:30:39 | 山野草
「ヤブラン」 (藪蘭) ユリ科
 日中は気温が高くても、朝晩の空気がすっかり涼やかになり、いつの間にか、蝉に変り、虫の音が耳に心地よい季節になった。先日、初秋の野反湖をテレビで放映していた。春から秋にかけ300種以上の花が咲くそうで、マツムシソウ、アキノキリンソウなど目を楽しませてくれた。ガイドさんによると、日中と夜の気温差があるので、花の色が濃い、という話をしていらした。また、野反湖にしかない花「ノソリホシクサ」という植物があることも初めて知った。いつか、見に行きたいものだ。
 本日の花は、ヤブラン。葉がランに似ているので、ラン科と勘違いしてしまうが、実はユリ科。花期は長く、8月〜10月初旬まで美しい紫色の花を楽しめる。実は小さく黒紫色、名に「ヤブ」とついているように、藪陰や山地の樹の下に生えている。草丈約30cm。花は、花軸にたくさんつけ、穂状になってかわいい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ヘクソカズラ」

2014-09-03 16:48:01 | 山野草
「ヘクソカズラ」 (屁糞蔓) アカネ科
 植物名に「なるほど」と、その由来の命名に、感銘をうけることが多いのだが、この花の名前こそ「本当にかわいそう」と思う花はない。人の嫌がる名をつけるなんて。しかも、ダブルで!。葉を揉むと、確かに「香り」というより「臭い」といった方がピッタリくるかもしれないが、それにしても、こんなに可愛い花なのに・・・気の毒だ。花の中心は紅色、周囲は白く花径約5mm。蔓なのでもちろんつる草。日当たりの良い所ならどこでも見られる。他に名はないのか、と植物図鑑で調べると、2つ別名を発見。
1、花の形を早乙女の笠に見立ててサオトメバナ。
2、花冠中央の紅色が、お灸をした後の形に似ているのでヤイトバナ(灸花)
 個人的にはサオトメバナと呼んであげたい。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする