グローリー・ロード “ GLORY ROAD ”

イタリアへの行き帰りの飛行機の中で４本ばかし映画を見たけれどそのうちの１本がこの映画。
舞台は1966年アメリカ、「バスケットボールのような知的なスポーツゲームは黒人には無理」という酷い偏見がまかり通っていた頃、史上初めて先発メンバー全員が黒人というチーム、テキサス・ウエスタン大学がＮＣＡＡのトーナメントで見事優勝するまでの姿を描いた作品。

その時のチームのコーチを務めていたドン・ハスキンズの自伝が元となっているというこの作品、観ていて黒人初の大リーガー、ジャッキー・ロビンソンを主人公にしたロバート・Ｂ・パーカーの小説をふと思い出したけれど、こちらはストーリー展開があまりに早過ぎてとんとん拍子にことが進んでいくものだから、人物描写は深みに欠け、偏見や差別に対する描き方もステロタイプ的過ぎて心打つものは残念ながら少なかった。



ただ、決勝戦で戦うこととなるオール白人チームであり常勝チームであった名門ケンタッキー大学のチームを率いる黒人嫌いのコーチに扮したジョン・ヴォイトの姿を見つけ、その頑迷な姿っぷりに勝手に思いが募ってしまった。

ともあれ、言ってしまえばウエルメイドなスポーツドラマといった印象が強い作品であったけれど、断然耀いていたのが選曲の素晴しさ。
今やＲ＆Ｂの歌姫として君臨するアリシア・キーズはさておき、そのほかはアイズリー・ブラザース、マハリア・ジャクソン、ビリー・ジョー・ロイヤル、さらには下記に挙げたマービン・ゲイ、スティービー・ワンダー、オーティス・レデイング、マーサ & ザ・バンデラスといったミュージシャンの当時のヒット曲が様々なシーンで流れていて、そういった点では充分満足させられたのだ。

興味のある人はぜひクリックして当時の彼らの姿を。

Marvin Gaye - Ain't That Peculiar (Live 1965)
http://www.youtube.com/watch?v=my6b4iUH7Xo


Stevie Wonder - Uptight
http://www.youtube.com/watch?v=yw1LweRby_U



Otis Redding - I've Been Loving You Too Long
http://www.youtube.com/watch?v=kNDXZfk7CXA



Martha & the Vandellas - Dancing in the Street
http://www.youtube.com/watch?v=tM2rwb4hDfg



Alicia Keys. Sweet Music
http://www.youtube.com/watch?v=Ydssr8HOElI