愛2000ギニーも快勝で5戦5勝としたSiskinは、父がエンパイアメーカーと3/4同血のFirst Defenceで、母Bird FlownはSir Ivor≒Secrettame5×4・5
自身はIncantation≒Cequillo≒Sir Ivor5・7×4・5にSex Appeal≒Monroe5×3(セックスアピールとモンローですよ奥さん!)、とろけるような名血名配合で、欧クラシックでもIncantation≒Sir Ivorの斬れが炸裂です(・∀・)
エクリプス賞古牝馬チャンピオンClose Hatches(ベルモント2着Tacitusの母でもある)とは父と母母が同じ3/4同血で、Incantation≒Cequillo≒Sir IvorとSex Appeal≒Monroeのニアリークロスも同じ
非サドラーで非デインヒルで非サンデーで、これは素晴らしい種馬になると思うので、みなさまSiskinの牝馬いっぱい買ってきてください(笑)
ジューンは◎サンレイポケット
トニービン×Nureyev×Wild Again×サンデーサイレンス×アドマイヤラピスですから「オバチャン!ジャスタウェイ丼大盛り、Hyperionマシマシで!」という配合(・∀・)
そのイメージどおりの胴長ノシノシストライドで差す馬で、雨の東京でジャンポケのダービーのようなブチ抜きを期待したいです
ヒモ穴はトニービン3×4のルーラー産駒▲カイザーヴェッターで、雨の東京長丁場はトニービンでいいでしょう
函館日刊スポーツは開幕週芝1200ですから、内枠で前々で立ち回れる馬から入りやすい
◎アリアは母がトワイニング×クロフネでNever Bend3×6、それらしい夏馬パワー体質で、函館2歳3着など函館芝1200は[1-1-1-2]
函館1200のクロフネといえばカレンチャンにジューヌエコールにストークアンドレイ、今年も夏の洋芝1200は「困ったときのNever Bend」で
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」と競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」では天保山Sと三田特別と八丈島特別を予想していますので、今週もよろしくお願いします
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop
http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
本日6/12発売『サラブレ』7月号のクラブ馬主向け特集にて、馬見の達人・北枕鳩三郎さんと「母の父ディープインパクトは今が買い!」というテーマで書いていますので、ご一読いただければ幸いです
https://www.amazon.co.jp/dp/B088Y1DNVJ/
昨夜はなじみの生産者さんと千喜で一杯…すすきので飲むのも、まともな寿司食うのも久しぶりすぎた(・∀・)
『ディープインパクト好配合リスト(2018)』で栗山求が推奨したグランアレグリア(牝4歳)が日曜東京11Rの安田記念(G1・芝1600m)を勝ちました。
グランアレグリア(牝・母タピッツフライ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2016104532/
サンデーサラブレッドクラブで募集価格7000万円。母タピッツフライは北米で24戦7勝。ジャストアゲームS(米G1・芝8f)、ファーストレディS(米G1・芝8f)などを制した芝の一流馬で、2012年のファシグティプトンノベンバーセールでノーザンファームが185万ドルで落札した。来日後、2年連続不受胎のあと、3年目の種付けでようやく受胎したのが本馬。「ディープインパクト×Tapit」は、デビューした5頭中3頭が勝ち上がり、クイーンC(G3)3着のアルーシャ、現1000万下のエイプリルミストなどが出ており悪くない。母のNijinsky4×4も好ましく、瞬発力に特長のあるPerfect Pigeon牝系に属しているのもいい。芝向きの中距離タイプ。(栗山)
『ディープインパクト好配合リスト(2020)』で望田潤と栗山求がダブル推奨したサトノレイナス(牝2歳)が日曜東京5Rの新馬戦(芝1600m)を勝ち上がりました。
★サトノレイナス(牝、母バラダセール)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105179/
サトノフラッグの全妹で、母バラダセールは亜オークス(亜G1・ダ2000m)や亜1000
ギニー(亜G1・ダ1600m)に勝った亜3歳女王。ディープ×Not for Saleはダノンファンタジーと同じ。母系にMariacheを引くディープ産駒もクルミナルなどJRA出走6頭中5頭が勝ち馬。全兄は◎推奨だったが、牡のほうが走りそうな持続型配合なので今年はこの印で。(望田)
◎サトノレイナス(牝・母バラダセール)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2018105179/
セレクトセール当歳で落札価格1億円(税抜)。弥生賞を勝ったサトノフラッグの全妹にあたる。母はアルゼンチン産で、同国で亜オークス(G1・芝2000m)、亜1000ギニー(G1・ダ1600m)などを制し、3歳牝馬チャンピオンとなった。「ディープインパクト×Not for Sale」の組み合わせはダノンファンタジー(阪神ジュベナイルフィリーズなど重賞4勝)と同じ。両馬とも Lyphard クロスを持つという共通点がある。兄を超える活躍を期待したい。(栗山)
土曜阪神9R三木特別 ティグラーシャ(ディープ・望田&栗山)
土曜阪神11R鳴尾記念2着 ラヴズオンリーユー(ディープ・望田&栗山)
ドゥラメンテのような全身運動の可動の大きさで走るタイプは、ドゥラメンテ自身が新馬戦で負けてしまったように、芯が入ってくるまで完成に時間がかかる
だからトニービンのナスペリ斬れで走ったハーツクライやルーラーシップのように、後駆が緩くて完成に時間がかかる産駒は一定数出るだろう
となると、ドゥラメンテの産駒をPOGで狙うのならば、スプリンターやマイラーとの配合で早期に後ろをプリッとさせる必要があると考えられ、クラシックに出たいドゥラ仔はお尻にデインヒル注射を打ってもらいましょう
新種牡馬ドゥラメンテについては、各媒体でだいたいこんな感じで書いてきて、血統屋のPOG書籍ではドゥラ産駒を5頭取り上げたんですが、うち2頭は母系にデインヒルで、それ例外の2頭は母がスプリンタ~マイラーです
アスコルターレはドゥラメンテ×リッスンとみると3歳夏の札幌でついに初勝利というイメージが鮮明に描けますが(^ ^;)、追い切りやパドックを見たらまんまアスコルティで、母同様芝1400の新馬を逃げ切りデビューでした
あと種牡馬辞典では「配合のポイントとしてはサートゥルナーリアのように、Nureyev≒Sadler's Wellsの3/4同血クロスをまず第一手としたい」とも書いておきましたが、そのクロスを持つ馬も一頭選んでます
しかし今年もキズナ産駒は出るレース出るレースで圏内を賑わしていて、追い切り一本でもうなりながら先行するのは大したもんですなあ
東京11R 安田記念
◎5.アーモンドアイ
○2.ダノンキングリー
▲9.アドマイヤマーズ
土曜の東京芝は先週より時計ひとつかかるイメージだったが、今夜はこれからずっと雨予報。日曜は晴れ予報だからかなり回復するだろうが、パンパンの良まで乾くかどうかはハッキリ言って読めない。重賞予想は前日入稿が決まりなので、土曜17時の時点では両にらみでいくしかない。
アーモンドは手先の強い馬で馬場が渋ってもOK。むしろ渋ったほうが紛れがなさそうでプラスではないか。相手は良なら追い切りでうなっていたダノンキングリー。ディープ×ストームキャットは古馬になると距離適性は短くなってくることが多い。東京1800最強説で毎日王冠も共同通信杯も自信の◎だったが、今なら高速マイルにも対応できるとみる。マイルCSも馬場の悪いインを走らされたぶんだけの負けだろう。ちょっと渋化が残って1分33秒台ぐらいの決着ならば、これも追い切りの動きに成長や良化が感じられたアドマイヤマーズをとりたい。アーモンドから買うならここまでだろう。
例によってNETKEIBAの全頭血統解説より
グランアレグリア
マリスターと同牝系で、母タピッツフライは芝8Fの北米G1を2勝。母父Tapitは北米リーディングサイアーでラニやラビットランなどの父。ディープインパクト×Tapitはアルーシャと同じ。Sir Gaylord≒Secretariatの継続クロスらしい細身でしなやかなストライドで、阪神Cは好時計で圧勝、高松宮は直線凄い斬れ。今は大箱高速馬場の1400がベスト条件とみる。ここは高速決着になればなるほどチャンスが。(距離○スピード◎底力○コース◎)
アーモンドアイ
母フサイチパンドラはエリザベス女王杯の勝ち馬で、3代母Sex AppealはEl Gran Senorやトライマイベストを産んだ名繁殖。本馬はトライマイベスト≒ロッタレースの3/4同血クロス5×2を持ち、父のしなやかさと母の強靭さを足して割ったような体質が絶妙すぎる。前走は余裕十分の追走で1.30.6で走破。東京はベストパフォーマンスを発揮できる舞台で、初の中2週以外に死角はないか。(距離○スピード◎底力◎コース◎)
インディチャンプ
アウィルアウェイの3/4兄で、母母トキオリアリティーはリアルインパクトやネオリアリズムなどを産んだ名繁殖。ステイゴールド×キングカメハメハはステイフーリッシュと同じ。母方の影響も強いマイラー体型で、運動神経が抜群で現役屈指の俊敏な加速をみせる。マイラーズCはまだ余裕残しの体つきに見えたが、道中の折り合いはピタリで、格が違いすぎるという大楽勝だった。高速マイル戦の瞬発力には自信。(距離◎スピード◎底力◎コース○)
土曜の夜に土砂降りになっても水はけ抜群で乾き出すと早い東京芝、それでも良までは乾ききらず、1.31.6(前後半45.7-45.9)という時計は、昨年の1.30.9(45.8-45.1)と比べると文字どおり時計一つかかる稍重だったかと
京王組のスプリンターが同じぐらいのペースで行くだろうと思ってたんですが、先行勢にミスターメロディが加わったぶんそれより少しペースは上がり、好位のアドマイヤマーズやダノンキングリーで46-46ぐらいの追走でしたかね
今年は「1/4サンデー」がアーモンドアイ、インディチャンプ、グランアレグリアなど上位人気を占め、「1/8サンデー」がセイウンコウセイとノームコア、「非サンデー」がクルーガーとダノンスマッシュとミスターメロディですから、「1/8以下サンデー」はノームコア以外はスプリンターか力馬ばかり
そんなわけで前傾ラップで流れても「1/4サンデー」が上位を占めることになったわけですが、だからこそ好位で追走した馬たちは直線苦しくなり、Mahmoudラップによるとグランアレグリアが46.5-45.1、アーモンドアイが46.7-45.3、インディチャンプが46.6-45.5、後ろから後継ラップで差した馬たちが上位を占めた、という言い方もできるかと
とはいえアーモンドですらやや追走に手を焼く流れを、一気のスパートで先行に躍り出て突き放してしまったのは圧巻の一語で、グランアレグリアのマイラーとしての爆発力がハッキリ一枚上で、1800ベストのアーモンドとの差があの瞬間に出たのかなという気もしました
「Aureole魂炸裂ですね」とたろうさんがコメントされてましたが、これで通算[5-1-1-1]としたグランアレグリア、思い起こせば連を外したのは、凡走といえるのは、アドマイヤマーズに一気に捲られた瞬間に萎んでしまった朝日杯と、直線ゴチャついて4着入線→5着降着になったNHKマイルで、あれもぶつけたグランのほうが戦意を失っているようにも見えました
そして勝つときは、安田記念も桜花賞も、外に馬がいない形だとほんとうにすごい加速でスパートし、直線半ばではもう圧勝やんかという勝ち方なんですよね
母タピッツフライはNijinsky4×4、Mr.Prospector4・5×5、Secretariat5×5、Round Table6・7×5と、TapitやA.P.Indyのパワーの要素はあまり増幅しておらず、現役時代は北米の芝マイルG1を2勝しています
そのレースを見返してみると、ジャストアゲイムS(米G1・芝8F)は逃げ切り、ファーストレイディS(米G1・芝8F)は大外捲りでした
グランアレグリアは血統どおりのしなやかな1400寄りマイラーですが、母系の奥に潜むAureoleの血(Argumentの父の母父)の影響で、揉まれなければヤル気満々でスパートするんですよねこの母娘は…Aureole魂百まで
あと月曜に石塚さんが「グランアレグリアのフォトパが初めて良く見える」と言うので見てみたらたしかに高松宮や桜花賞と比較しても体の線が実にシャープで美しくて、出来もこれまでで最高やったかと思いますね
グランアレグリアといえばTapit譲りの立ち繋ぎが印象的ですが、「柔い柔いと言われますが、ディープも脚元はわりとカチッとしてるんですよ」と三輪さんが言うように、上の可動が柔くて大きいからこそ、繋ぎも柔くて長いとグニャグニャになってしまうというね
そういうバランスの問題であって、モーリスの寝繋ぎはメジロモントレー譲りということをこないだ突き止めましたが、モーリスはそれほど可動の大きさで走る体質体型じゃないので、そのぶんあの繋ぎでビョーンと弾むのがいいのだというね
そのへんの話を来週発売の『サラブレ』にて、北枕さんが独特の視点で書いておられるので必見ですよ(私とタッグで「ディープインパクト肌」について馬体&血統から考察しています)
アーモンドアイは出遅れたのでインディチャンプを目標に差すケイバ、インディも体つきだけみても昨年より成長しているのは明白で、それをキッチリ差して借りは返しているわけですから、マイラーとしての爆発力ではグランアレグリアが上だったと脱帽するしかないでしょう
インディチャンプはまさにドリームジャーニーのマイラー版で現役屈指のピッチ走法ですから、大箱マイルなら前傾ラップより後傾ラップのほうがベターではあるのでしょうが、落鉄もあったようだし昨年のマイル王として恥ずかしくない内容ではありました
TapitとかStorm Catとか、北米で何年もリーディングサイアー張るような名血はやっぱりすごいなと、レース史上に語り継がれる大爆発、文字どおりTapitが跳んだ今年の安田記念やったと思います
安田記念は前日入稿では馬場が読めないので1分31秒台の◎○と1分33秒台の◎▲という予想で入稿しましたが、当日晴れるとまあ水はけいいですからね~東京は
小金井は東京1400重なら○スマッシングハーツと▲ダンケシェーンに食指が伸びますが、◎アイアムピッカピカはアイアムカミノマゴ(1400の阪神牝馬S勝ち)の娘でダノンフェイスの3/4妹でアイアムアクトレス(ユニコーンS)の姪で、湿った東京1400はピッタリでこの枠なら外3で流れ込めそう
ちなみにこの一族の東京1400重不の成績は以下のとおり
NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では安田記念とストークSとホンコンJCTを予想していますので、日曜もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop
http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
阪神新馬はPOG推奨◎ステラリア、追い切りの動きが良すぎて1人気になってますが…
キズナ産駒でStorm Cat≒Bluebirdのニアリークロス3×3、牝祖Golden BloomがQueen of Light3×4、ディープ×Storm Cat×Gone Westのイメージどおりのナスキロ柔いフォームで、阪神マイルで斬れそうな牝馬です
Motivatorは女傑Treveをはじめ牝馬が走る種牡馬で、日本ではスキアの息子ヴァンドギャルドやメーヴェの娘メロディーレーンが活躍しており、肌に回っていい種馬やと思いますね
他のレースはこれからGC観ながら考えますが、NETKEIBA「厳選予想 ウマい馬券」では鳴尾記念と国分寺特別と阪神8Rを予想していますので、今週もよろしくお願いします(競馬道OnLine「今週のBLOOD穴ライズ!」は栗山さんの担当)
http://yoso.netkeiba.com/?pid=yosoka_profile&id=24&rf=umatop
http://www.keibado.ne.jp/keibaguest/premiumservice/index_lp2.html
『ディープインパクト好配合リスト(2019)』で望田潤が推奨したコントレイル(牡3歳)が日曜東京11Rの日本ダービー(G1・芝2400m)を勝ちました。
◎コントレイル(牡、母ロードクロサイト)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2017101835/
バーンフライの3/4弟。ディープインパクト×Unbridled's Song(アジアンミーティア)はJRAに27頭が出走し21頭が勝ち馬で、ダノンプラチナ、ダコール、ブランボヌールなどが出ているニックス。ノースヒルズのお家芸ともいえる配合だ。母ロードクロサイトはFappiano3×4とIncantation4×5を持つので、このニックスの根拠(Sir Ivor≒Cequillo≒Incantationのニアリークロス)を更に増幅した形。斬れるマイラー。(望田)
『望田潤のPOG好配合馬リスト(2019)』で推奨したサトノアレックス(牡3歳)が日曜東京2Rの未勝利戦(ダ1600m)を勝ち上がりました
サトノアレックス(牡・父ヘニーヒューズ・母ミラクルレジェンド)
https://db.netkeiba.com/horse/ped/2017104947/
グレートタイムの半弟で、ローマンレジェンドの甥で、母ミラクルレジェンドはJBCレディスクラシック連覇の砂の女王。ヘニーヒューズ×フジキセキはドンフォルティスやプロミストリープと同じで、母系にDeputy Ministerが入るのはアジアエクスプレスやバイラと同じ。紛れもないヘニー黄金配合で、セレクト上場時に見せてもらいましたが実馬もイメージどおりでした。(望田)
土曜東京6R500万下 アンティシペイト(一口・栗山)
土曜京都8R500万下 アルディテッツァ(一口・望田&栗山、POG・望田)
日曜京都8R1000万下 ヤマニンペダラーダ(ディープ・栗山)
日曜京都10R安土城S エントシャイデン(ディープ・望田)
日曜東京11R日本ダービー3着 ヴェルトライゼンデ(POG・望田)
コントレイルの配合についてもう一度まとめておくと、「ディープインパクト×Unbridled's Song」と「ディープインパクト×Storm Cat」という高確率で成功例多数のニックス二つを駆使し、しかも母ロードクロサイトがUnbridled≒Jeano2×3、Incantation≒Cequillo4・6×5と、このニックスのキーとなる血脈をニアリークロスで持っていることがすごいんですね
Unbridled's SongはCequillo≒Incantation5×3ですが、この両血脈はディープの鋭敏な斬れの源であるSir Ivorとニアリーなので、ディープ×Unbridled's SongはSir Ivor的な斬れを増幅しつつUnbridledのパワーでそれを支える、という図式になるわけです
母系にIncantationの血を引くディープインパクト産駒は、JRAに38頭が出走し28頭が勝ち馬で勝ち馬率74%平均賞金4891万円、ディープ産駒全体では63%4144万円、母系にIncantation全体では40%1963万円ですから、明らかにSir Ivor≒Incantationのニアリークロスは有力にはたらいているといえます
これはディープ×Storm Catが母母の部分にEight Thirty≒War Relic的な血を入れることで、Sir Ivor≒Terlingua的斬れ味を増幅しつつそれをEight Thirty的なパワーで支える、という図式で大成功したのと同じですよね
だからね、前にも書きましたが、カリフォルニアクローム×ディープインパクトで芝クラシック狙える馬が出て何ら不思議はないと私は思っていますよ
コントレイルはSir Ivor≒Incantation≒Cequillo5×5・6・7でありSir Ivor≒Terlingua5×5であるわけですが、これだけだとディープ×Storm Catやディープ×Gone Westの条件馬によくいる柔らかいけど緩くて非力、みたいなタイプに出る可能性も高い
それをUnbridled≒Jeanoをはじめとする「War AdmiralとLa Troienne」「Eight Thirty≒War Relic」の強力な北米パワーが支えていて、デビュー当時から緩さや軟弱さは微塵も感じさせないのがコントレイルのすごいところであり、だからロードクロサイトはIncantationのクロスを活かせない種牡馬ではダート向きの仔を出しやすいだろうとも考えられ、それぐらい強大なパワーを伝える繁殖なのです
ディープ産駒を3歳春に完成させる方法はいくつかありますが、アルアインのように頑強な北米スプリンター~マイラーとの配合というのもその一つで、ただその場合、強大な北米パワースピードとディープのしなやか斬れがうまく噛み合うかどうかがポイントになってきます
アルアインは内回り2000の鬼としてG1を二つ勝ったからうまくいったんですが、コントレイルはディープの斬れを活かしつつも北米パワーでキッチリ締めきったところが珍しい成功例やなと思いますね
あともう一つ付け加えるなら、北米血脈のオンパレードみたいなコントレイルの配合において、ロードクロサイトが持つLe Fabuleux≒Worden4×7は遠いですが注目できるもので(Trevieresの父がWorden)、これはWild RiskとSolarioとMiranda=Pretty PollyでBurghclereの父Bustedと脈絡します
ウインドインハーのBustedにWordenといえば、キタサンブラックやフィエールマンやショウナンパンドラを思い起こしますな
東京11R 日本ダービー
◎5.コントレイル
○10.コルテジア
▲15.サトノフラッグ
△17.ヴァルコス
「血統屋」POG書籍でも推奨したように、コントレイルの配合はデビュー前からずっとほめてきた。ディープ×アンブライドルズソングとディープ×ストームキャットというニックス二つを駆使しているだけでなく、母ロードクロサイトがアンブライドルド≒ジーノ2×3、インカンテーション4×5とそのニックスの根拠をクロスで増幅しているのが凄い。ダノンキングリーなどと配合のアウトラインは似ているが、アンブライドルド系の強靭さ頑強さが早期に表現されているぶん3歳春の時点での完成度も段違いだ。しなやかなだけでなく強靭さを感じさせる末脚は、アンブライドルズソングの傑作アロゲートをほうふつさせるものがある。
サトノフラッグは弥生賞→皐月賞の過程において、毎週ヒューイットソンが調教に乗ってやや攻めすぎたのも敗因ではないか。それでも皐月賞のパドックでは(横の比較で)一番良く見えたぐらいで素質は全くヒケをとらない。中距離×中距離×中距離の配合だから完成するのは菊花賞という気もするが、今回のほうが出来はいいし、スワーヴリチャードのように未完成のまま2着は十分。
ヴァルコスはダンスインザダークに似た長手の体型が大箱長丁場向きだし、ノヴェリスト産駒らしからぬしなやかな体質はさすがディープインパクトのウインドインハーヘア牝系。ちなみにノヴェリストの代表産駒ラストドラフトは母父がディープインパクトだ。1戦ごとに良化が感じられるし、一瞬の速い脚がないのでセントポーリアのような上がり特化だと踏み遅れてしまうが、外枠なら青葉賞のように向正面で押し上げる手がまた使える。
コルテジアは同じシンボリクリスエス産駒のエピファネイアと配合パターンが酷似していて、クリスエス≒ハビタットのニアリークロスで前駆のいい走りで京都外回りが鬼なのも似ている。皐月賞で荒れたインを走らされたのに頑張ったのはこれとヴェルトライゼンデだけで、しかもゴール前でヴェルトを差していたのはほめられる。ヴェルトやアルジャンナに勝っていれば3着争いの資格は十分だろう。中山より東京向きだし、この鞍上なら今度は積極策だろうし、前有利な展開馬場になりそうだし、コントレイルの先導役で直線先頭に立ってしまえば簡単には止まらないだろう。
サリオスは皐月賞で◎にしたが、その理由は3強の中で最も中山向きとみたからで、ここは能力で上位争いは可能だがオッズとのバランスでいうと無印としたい。◎→○▲△の馬券をいろいろ買いたい。
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あとNETKEIBAの全頭血統解説より、リード文と1~3着馬を
2000ベストの馬が勝ちやすいレース
母方の近い世代にマイラーの血が必要
ここ5年の勝ち馬でいうと、ダービー後に引退したロジャーバローズは置いておくとして、ワグネリアンもレイデオロもマカヒキもドゥラメンテも2400よりは2000がベターの中距離馬。5頭の父はディープインパクト3、キングカメハメハ2。ロジャーバローズの母父は一流マイラーだし、ワグネリアンの母母は猛烈な短距離の追い込み馬。レイデオロの母母は快速レディブロンドだし、マカヒキの母母はアルゼンチンのマイルG1に勝っている。「父が2400の大レース勝ち馬で、母父や母母がマイラー」という配合で、2000ベストの馬が勝ちやすいのがダービーというレースなのだ
コントレイル
母母Folkloreは北米2歳女王。ディープ×Storm CatにUnbridled's SongとRelaunchが入るド真ん中の黄金配合で、母ロードクロサイトはFappianoとIncantationのクロスを持ち、この黄金配合の根拠を更に増幅した形に。ダノンキングリーと似たタイプで大箱1800~2000最強だろうが、こちらのほうが締まりが強いぶん3歳春の完成度は高い。強靭かつしなやかなストライドはUnbridled's Song産駒の名馬アロゲートをもほうふつさせる。(距離○スピード◎底力◎コース◎)
サリオス
サラキアの3/4同血の弟で、サンタフェチーフの甥。母サロミナは独オークス(独G1・芝2200m)馬。母父Lomitasはドイツの年度代表馬でリーディングサイアー。父がハーツクライで母系にデインヒルとNiniskiが入るのはワーケアと同じで、最近は母方のデインヒルが表現されたハーツ産駒がよく走っている。ワーケア以上にデインヒル的パワーで走る馬だから、東京の斬れ勝負で逆転できるかとなると…。(距離○スピード◎底力◎コース○)
ヴェルトライゼンデ
ワールドプレミアやワールドエースの3/4弟で、欧G1を3勝したManduroの甥。母マンデラは独オークス(独G1・芝2200m)3着。母方にはドイツ血脈とHyperionのスタミナが強い。ドイツ血統特有の黒光りするしなやかな体質は兄たちと似て、ドリームジャーニー産駒としても重厚な走りを見せる。2400に延びるのはプラスだが、ワールドプレミアと似た成長曲線で完成するのはもっと先か。(距離◎スピード○底力◎コース○)
コントレイルの母母FolkloreはBCジュヴェナイルフィリーズなどに勝った北米2歳女王で、勝ち距離は5~8.5F、3歳時は一戦のみで引退しました
コントレイルはディープインパクト×Unbridled's Song×Folklore、デアリングタクトはエピファネイア×キングカメハメハ×デアリングハート(桜花賞2着)、3歳春にある程度完成の域に達して頂点を極めるには「1/4マイラー」の血が必要で、そこが素質を垣間見せながらも春は未完成で終わったサトノフラッグやスカイグルーヴとの違いともいえるかと
コントレイルはPOG推奨ですから配合については新馬を勝ったときからずっとほめちぎってますが、もう一度要点をまとめてみようと思うので、細かい配合の話は次エントリ(血統屋一口POG推奨報告)でやります
一言でいうと「ディープインパクト×Storm Cat」「ディープインパクト×Unbridled's Song」という二つのスーパーニックスを併せ持ち、しかもその根拠となるニアリークロスを母ロードクロサイトがクロスで持つ(Unbridled≒Jeano2×3とIncantation4×5)のが凄い
BCジュヴェナイルでもフロリダダービーでもウッドメモリアルでもいいですが、Unbridled's Songが走っている姿をみると容易にコントレイルと重ね合わせることができ、見た目とか体つきとかはよく似てますよね
それはロードクロサイトがUnbridled's Songの血を強力に増幅しているからに他ならないのですが、Unbridled's SongはいかにもUnbridled系らしいゴツゴツした走りで、そこがもっとしなやかで前がきれいに伸びるのはやっぱりディープ産駒だからで、Sir Ivor≒Incantation≒Sequilloのニアリー継続クロスやWild Risk系のクロスの影響というべきでしょう
ロードクロサイトの仔は上2頭(父ゴールドアリュールと父ダイワメジャー)もダートで勝ち上がっていますが、配合的にUnbridledのパワーを強く伝えるだけに、Incantationのクロスを最大限に活かせるディープとの配合でないとダートに振れる可能性も高い繁殖といえます(ダートの大物も出せる繁殖ともいえる)
『パーフェクト種牡馬辞典』の鼎談では「ダノンキングリーと似て東京1800最強だが、性能の高さで皐月もダービーも勝ち負けだろう」とコメントしておいたんですが、勝ち負けどころかぶっこ抜きの連続ですからね
ダノンキングリーとの違いは母がもつUnbridledのニアリークロスで、同時期のキングリーと比較してもUnbridled的に強靭なぶん、しなやかだけど緩さが皆無なぶん完成度が高いレースができる
だから一言コメントではずっと“強靭ダノンキングリー”と書いてきましたが、Unbridled's Songの強靭さで末脚を爆発させるという意味では“和製Arrogate”とも呼びたい馬です
ディープ×Storm CatからG1馬が出たのはキズナ、アユサン、ラキシスの2010年世代からで、ディープ×Unbridled's Song(アジアンミーティア)の最初の活躍馬は2008年産の初年度産駒ダコール
皐月賞の回顧では「ノースヒルズのお家芸の集大成といえる配合」と書きましたが、どこよりも先駆けてこの二つのニックスに注目し執着してきたのがノースヒルズだったのです
ダコールの妹ルシュクルにキズナを配したビアンフェで葵Sを快勝し、ルシュクルにディープインパクトを配したエントシャイデンで日曜京都メインも制し、太刀持ちと露払いを従えての横綱相撲でコントレイルが圧巻の二冠達成
急にどこかの真似したとかじゃなくて、アジアンミーティアやルシュクルやラヴェリータやライヴに毎年のようにディープを配し、10年前から狙いつづけてきたことの積み重ねであり集大成ですから、血統屋からみてもアッパレとしか言いようがないです
「残り400~200の加速はサリオスのほうが速く、坂を全力で駆け上がっていた」とMahmoudさんが分析してましたが、デインヒルが強く表現されているからこそ坂をパワーピッチで力強く一気に駆け上がることができる
いっぽうでハーツクライらしいナスペリオン的な末脚ではないので東京でコントレイルとの差が開いてしまったともいえ、そこはスワーヴリチャードやジャスタウェイなんかとはタイプが違うハーツですよね
牛じゃなくてデインヒルだから、コントレイルを負かすとしたら皐月賞しかないと思って◎にしたんですが、今日も3着以下は離しているし、サリオスが下げたというよりはコントレイルが東京で更に上げたというべきで、コントレイルがいなかったらサリオスが無敗の二冠馬ですからね
皐月賞当日の中山芝はインが死んでいたので、そこを通らされたヴェルトライゼンデとコルテジアは苦しくなり、外を回っていれば3着争いに加わっていたはずなのでこの巻き返しが穴とみたのですが、巻き返したのはヴェルトライゼンデのほうでした
これもPOG推奨で配合はもちろん、実馬もツアーで見たときから素晴らしい出来で、この年のサンデー募集馬の1人気になったのも納得
当時からドリームジャーニーらしからぬしなやかで重厚な歩きで(それは昨日のパドックでも全く変わらない)、ドリームジャーニーよりもワールドプレミアに近いタイプなので菊花賞だろうと以前から書いてきましたが、ここで半バレしたのもちょっと悲しいですね…
中距離×中距離×中距離のサトノフラッグは3歳春には完成度が低かった…と言ってしまえばそれまでですが、これも菊花賞の頃にはグンと良くなってくるだろうという期待は持ちつづけられる素材で、夏の充電と成長に期待しましょう
第80回皐月賞回顧~お家芸の集大成、規格外のぶっこ抜き
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