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第70回安田記念回顧~Tapitが跳んだ!マイラーとしての大爆発

2020-06-08 10:15:07 | 血統予想

東京11R 安田記念
◎5.アーモンドアイ
○2.ダノンキングリー
▲9.アドマイヤマーズ
土曜の東京芝は先週より時計ひとつかかるイメージだったが、今夜はこれからずっと雨予報。日曜は晴れ予報だからかなり回復するだろうが、パンパンの良まで乾くかどうかはハッキリ言って読めない。重賞予想は前日入稿が決まりなので、土曜17時の時点では両にらみでいくしかない。
アーモンドは手先の強い馬で馬場が渋ってもOK。むしろ渋ったほうが紛れがなさそうでプラスではないか。相手は良なら追い切りでうなっていたダノンキングリー。ディープ×ストームキャットは古馬になると距離適性は短くなってくることが多い。東京1800最強説で毎日王冠も共同通信杯も自信の◎だったが、今なら高速マイルにも対応できるとみる。マイルCSも馬場の悪いインを走らされたぶんだけの負けだろう。ちょっと渋化が残って1分33秒台ぐらいの決着ならば、これも追い切りの動きに成長や良化が感じられたアドマイヤマーズをとりたい。アーモンドから買うならここまでだろう。

例によってNETKEIBAの全頭血統解説より

グランアレグリア
マリスターと同牝系で、母タピッツフライは芝8Fの北米G1を2勝。母父Tapitは北米リーディングサイアーでラニやラビットランなどの父。ディープインパクト×Tapitはアルーシャと同じ。Sir Gaylord≒Secretariatの継続クロスらしい細身でしなやかなストライドで、阪神Cは好時計で圧勝、高松宮は直線凄い斬れ。今は大箱高速馬場の1400がベスト条件とみる。ここは高速決着になればなるほどチャンスが。(距離○スピード◎底力○コース◎)



アーモンドアイ
母フサイチパンドラはエリザベス女王杯の勝ち馬で、3代母Sex AppealはEl Gran Senorやトライマイベストを産んだ名繁殖。本馬はトライマイベスト≒ロッタレースの3/4同血クロス5×2を持ち、父のしなやかさと母の強靭さを足して割ったような体質が絶妙すぎる。前走は余裕十分の追走で1.30.6で走破。東京はベストパフォーマンスを発揮できる舞台で、初の中2週以外に死角はないか。(距離○スピード◎底力◎コース◎)



インディチャンプ
アウィルアウェイの3/4兄で、母母トキオリアリティーはリアルインパクトやネオリアリズムなどを産んだ名繁殖。ステイゴールド×キングカメハメハはステイフーリッシュと同じ。母方の影響も強いマイラー体型で、運動神経が抜群で現役屈指の俊敏な加速をみせる。マイラーズCはまだ余裕残しの体つきに見えたが、道中の折り合いはピタリで、格が違いすぎるという大楽勝だった。高速マイル戦の瞬発力には自信。(距離◎スピード◎底力◎コース○)



土曜の夜に土砂降りになっても水はけ抜群で乾き出すと早い東京芝、それでも良までは乾ききらず、1.31.6(前後半45.7-45.9)という時計は、昨年の1.30.9(45.8-45.1)と比べると文字どおり時計一つかかる稍重だったかと

京王組のスプリンターが同じぐらいのペースで行くだろうと思ってたんですが、先行勢にミスターメロディが加わったぶんそれより少しペースは上がり、好位のアドマイヤマーズやダノンキングリーで46-46ぐらいの追走でしたかね

今年は「1/4サンデー」がアーモンドアイ、インディチャンプ、グランアレグリアなど上位人気を占め、「1/8サンデー」がセイウンコウセイとノームコア、「非サンデー」がクルーガーとダノンスマッシュとミスターメロディですから、「1/8以下サンデー」はノームコア以外はスプリンターか力馬ばかり

そんなわけで前傾ラップで流れても「1/4サンデー」が上位を占めることになったわけですが、だからこそ好位で追走した馬たちは直線苦しくなり、Mahmoudラップによるとグランアレグリアが46.5-45.1、アーモンドアイが46.7-45.3、インディチャンプが46.6-45.5、後ろから後継ラップで差した馬たちが上位を占めた、という言い方もできるかと

とはいえアーモンドですらやや追走に手を焼く流れを、一気のスパートで先行に躍り出て突き放してしまったのは圧巻の一語で、グランアレグリアのマイラーとしての爆発力がハッキリ一枚上で、1800ベストのアーモンドとの差があの瞬間に出たのかなという気もしました

「Aureole魂炸裂ですね」とたろうさんがコメントされてましたが、これで通算[5-1-1-1]としたグランアレグリア、思い起こせば連を外したのは、凡走といえるのは、アドマイヤマーズに一気に捲られた瞬間に萎んでしまった朝日杯と、直線ゴチャついて4着入線→5着降着になったNHKマイルで、あれもぶつけたグランのほうが戦意を失っているようにも見えました

そして勝つときは、安田記念も桜花賞も、外に馬がいない形だとほんとうにすごい加速でスパートし、直線半ばではもう圧勝やんかという勝ち方なんですよね

母タピッツフライはNijinsky4×4、Mr.Prospector4・5×5、Secretariat5×5、Round Table6・7×5と、TapitやA.P.Indyのパワーの要素はあまり増幅しておらず、現役時代は北米の芝マイルG1を2勝しています

そのレースを見返してみると、ジャストアゲイムS(米G1・芝8F)は逃げ切り、ファーストレイディS(米G1・芝8F)は大外捲りでした

グランアレグリアは血統どおりのしなやかな1400寄りマイラーですが、母系の奥に潜むAureoleの血(Argumentの父の母父)の影響で、揉まれなければヤル気満々でスパートするんですよねこの母娘は…Aureole魂百まで

あと月曜に石塚さんが「グランアレグリアのフォトパが初めて良く見える」と言うので見てみたらたしかに高松宮や桜花賞と比較しても体の線が実にシャープで美しくて、出来もこれまでで最高やったかと思いますね

グランアレグリアといえばTapit譲りの立ち繋ぎが印象的ですが、「柔い柔いと言われますが、ディープも脚元はわりとカチッとしてるんですよ」と三輪さんが言うように、上の可動が柔くて大きいからこそ、繋ぎも柔くて長いとグニャグニャになってしまうというね

そういうバランスの問題であって、モーリスの寝繋ぎはメジロモントレー譲りということをこないだ突き止めましたが、モーリスはそれほど可動の大きさで走る体質体型じゃないので、そのぶんあの繋ぎでビョーンと弾むのがいいのだというね

そのへんの話を来週発売の『サラブレ』にて、北枕さんが独特の視点で書いておられるので必見ですよ(私とタッグで「ディープインパクト肌」について馬体&血統から考察しています)

アーモンドアイは出遅れたのでインディチャンプを目標に差すケイバ、インディも体つきだけみても昨年より成長しているのは明白で、それをキッチリ差して借りは返しているわけですから、マイラーとしての爆発力ではグランアレグリアが上だったと脱帽するしかないでしょう

インディチャンプはまさにドリームジャーニーのマイラー版で現役屈指のピッチ走法ですから、大箱マイルなら前傾ラップより後傾ラップのほうがベターではあるのでしょうが、落鉄もあったようだし昨年のマイル王として恥ずかしくない内容ではありました

TapitとかStorm Catとか、北米で何年もリーディングサイアー張るような名血はやっぱりすごいなと、レース史上に語り継がれる大爆発、文字どおりTapitが跳んだ今年の安田記念やったと思います


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Unknown (Unknown)
2020-06-08 14:53:16
モーリス産駒の腹回りで血統を感じてましたがモントレー由来となると繋ぎも注目せねば
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