若駒はストーンウェアはAntique Auctionの仔でちょっとマイラー寄りなのと脚長でナスキロ柔いので、京都ならば内2000mより外1800mでガツンといきたいタイプ
となると◎アダムスブリッジと○ジャズファンクがまず有力で、ともに内回りで捲るタイプですがパワー型で平坦よりは急坂ベター、ちょっと馬場が渋ってるのはプラスでしょう
アダムスブリッジはアダムスピークよりもリラヴァティ似でちょっと硬肉で力馬っぽい体質で、外回りでタメてもストライドでビュンと斬れるタイプではないので内回りでガシガシ捲っていくべき馬やと思ってます
和田が最近芝中長距離の重賞で馬券に絡んだのは、サトノノブレス小倉記念、ミヤジタイガ弥生賞、ナムラクレセント阪神大賞典、エアソミュールは何回乗っても御せなかったようにこの人もなかなか当たりが強いほうで、だからジリ脚でズブいぐらいの馬を早めに動かしていく競馬で光り輝く乗り役
そんな和田と手が合いそうな素質馬が巡ってきたのですから、和田で皐月賞をガシガシ捲るアダムスブリッジを見てみたいなあ…という願望や期待を込めての◎で、母父Singspiel、その昔望田に“サドラー使い”と言われたこともありました(・∀・)
和田が人気を背負って後続を意識しすぎて仕掛けが遅れるようだと▲サトノゼファーの前残りが五分で、キンカメ×ダンスは外回り向きのストライド型に出やすい配合ですが、この馬はロンドンブリッジの孫でダイワエルシエーロやビッグプラネットの姪で、Ribot系のニアリークロスを代々重ねていて、内回り向きの先行力機動力に富んだパワー型中距離馬です
なずな賞は難解ですが、前走は競馬になってない◎マイネルエスパスは1400mぐらいがベスト距離やと思うし、母母がBelonging≒Premiership2×2でそこにネオユニ、マイネルラヴ、タフな馬場もOKの血統なので一変に期待しました
▲ムーンクレストは母がIn The Wingsとラストタイクーンを通じるNorthern DancerとMill Reefのクロスで、前走の勝ち方をみるとそら内回りではシンドイよという典型的なストレッチランナー、同舞台でまた道悪ならば面白い
中京スポーツは母がフレンチデピュティ×Droneの○サンブルエミューズと▲トウシンムサシが仲良く並んでダイワメジャー丼掻き込んでて、「アンタちょっとDrone≒Venetian Jesterかけすぎちゃう?」と姉さんに突っ込まれるトウシンは連闘で少し馬がカリカリしているようですが、トウシンが道悪巧者ならば同じような血統体質走りのサンブルも渋った馬場は巧いはず
◎アブマーシュの前走は直線でインを突いたらバテた先行馬がカベ、そこから立て直してサンブルエミューズと僅差ですから能力はまあ五分、現級ベストパフォが昨年のこのレースの僅差3着、なのに単勝オッズが3倍もつくとなるとダイワメジャー丼よりお値打ち価格ではないかと
母はDiesis×パーシャンボーイでCrepello4×4、そこにディクタットでMixed Marriage5×5、父父ウォーニングの米血が1/4異系、6歳までタフに走りつづけてきた欧風ジリ脚パワー粘着短距離オバチャンが、渋った中京でついにチャンスを掴むという地味なドラマを描いてみました
花見小路や最終レースはこれからボチボチ予想します
「No.1予想」では京都牝馬Sを(◎はやっぱり人気薄)、「馬券総合倶楽部」では京都牝馬Sと若竹賞を予想していますので、そちらもよろしくお願いします
東海Sで人気を集めるゴールドアリュール産駒2頭、コパノリッキーとランウェイワルツは、下記のようによく似た配合パターンなのですが、これはオーロマイスターとも実にソックリ
コパノリッキー
│ ┌Mr.Prospector
│ ┌○
│┌○
└△
└△┌リアルシャダイ
└△
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010106548/
ランウェイワルツ
│ ┌Mr.Prospector
│┌○
└△┌リアルシャダイ
└△
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011100382/
オーロマイスター
│ ┌Roberto
│┌○┌Mr.Prospector
└△┌○┌In Reality
└△└△
┌Roberto
リアルシャダイ
│┌In Reality
└△
つまり「母系にMr.ProspectorとRobertoとIn Reality」というのがゴルア砂黄金配合で、これにはそれぞれちゃんと配合的根拠があって、Mr.ProspectorとRobertoはGold Digger≒Bramaleaのニアリークロスになり、そこにNureyevが絡むとNashua≒Nantallahのニアリークロス継続となるわけで、これはフリオーソやキンカメ×ブライアンズタイムなどダートで大成功しているパターンである…ということはしつこいほど書いてます
┌Roberto
┌○
フリオーソ
│┌Mr.Prospector
└△┌Nureyev
└△
またIn RealityはWar Relic3×3ですが、ゴルアの母系に入るHostageの4代母Ancors AheadはWar Relicの全妹なので、こちらはAnchors Ahead=War Relicの全きょうだいクロスになるわけです
エスポワールシチーは母父がRoberto系ブライアンズタイムで母はEight Thirtyのクロスですから、Nashua≒NantallahとWar Relic≒Eight Thirtyをいじっているという点では上記3頭と同じ
シルクフォーチュンはNureyevそのものを3×3でクロスする一方で、これも母系にEight Thirtyを引いています
クリソライトは母父エルコンドルパサーなのでNureyev≒Sadler's Wells3×4・5ですね
一方でゴールドアリュールの母母Reluctant GuestはビヴァリーヒルズH(米G1・芝9F)勝ち馬で、これに似た組成のマルゼンスキーを合わせて「NijinskyとPrincequilloとCount FleetとLa Troienneの組み合わせのクロス」にすると、フーラブライドやトウカイパラダイスやタケミカヅチやトップカミングなど芝中距離向きの代表産駒が出るのだ…ということもよく書いてきました
NureyevとWar Relicを増幅するとダート馬が出て、Reluctant Guestを増幅すると芝馬が出る、ゴールドアリュールだって配合にはとっても素直です
ネオユニヴァースの母ポインテッドパスはKris×Shantung×Pall Mall×Wordenという重厚な欧州血脈で構成されていて、Hyperion5×4とLady Juror7×6を持つので粘りとパワーに富んだ血統といえ、だから産駒は東京で斬れるというより中山で捲るような脚質で大成します
もう一つポインテッドパスの配合で隠し味となっているのが、父に入るDonatelloと母に入るWordenで、この重厚なスタミナ血脈を通じるPretty Polly=Mirandaの全姉妹クロスを薄いながらも持っているんですね
Donatello
└△
└△
└△
│┌Gallinule
└Pretty Polly
└Admiration
Sind(Wordenの母父)
└△┌Gallinule
└Miranda
└Admiration
そしてネオユニヴァースの代表産駒の血統表をみると、そのほとんどがこのPretty Polly=Mirandaにいっちょ噛みした配合をしていることに気づきます
ヴィクトワールピサとロジユニヴァースは母系にBustinoが入るので、Donatelloの息子Crepelloのクロス6×7
アンライバルドは母母父イングリッシュプリンスがPetingo系なのでDonatello7×7
ブライトエンブレムとゴールスキーとガンジスは母系に入るVaguely Nobleの父ヴィエナがDonatelloと牝系を通じるPretty Polly7×5で、自身はDonatelloの薄いクロス(7×8と7×7と7×9)
デスペラードとネオヴァンドームとジョーメテオとオメガハートロックはトニービン経由で入るオンリーフォアライフがPretty Pollyの直牝系
イタリアンレッドは母系の奥に入るCarvinがWordenの孫でWorden6×7
サウンズオブアースは母系に入るT.V.Larkの父Indian HempがPretty Polly~Molly Desmond~Saritaの牝系
ユニバーサルバンクは母母父がLuthierなので母がPretty Pollyの娘Molly Desmondのクロスで、フラアンジェリコは母系に入るガーサントがLuthierの伯父で母母がMolly Desmondのクロス
このようにネオユニヴァースの代表産駒の多くは、Northern Dancer経由以外にもPretty Pollyの血を引いていて、それをDonatelloやWordenなどのクロスで継続していることがわかります
7×7ぐらいのクロスなんて影響あるんかい?と思われる方もいらっしゃるでしょうが、Pretty PollyやLa Troienneといったスーパー名牝の血をなめたらアカン、なめたらアカン…と天童さんに歌い上げてもらいましょう(・∀・)
ステイゴールドやダイワメジャーといったノーザンテースト持ち種牡馬の“大物を出す最後のひと手間”でもあるPretty Pollyいじりは、ネオユニ代表産駒の血統表でも暗躍していたわけですな
さてネオユニも2頭選んだし、次は8位のステイゴールドに取りかかろう
『パーフェクト種牡馬辞典』の原稿が追い込みに入りつつある今日この頃ですが、私がよく使う格言のひとつに「東京や外回りで新馬勝ちするネオユニ産駒は出世する」というのがあって、とりあえず下記にまとめてみました
東京芝で新馬勝ち…オメガハートロック、グラヴィテーション、サトノプライマシー、ショウナンアルディ、カグニザント、ヒカリキャピタル、ブライトエンブレム、マイネグラティア、ミクロコスモス
京都芝外で新馬勝ち…アドマイヤスキップ、アンライバルド、インペリアルマーチ、ヴォルシェーブ、トーセンソレイユ
阪神芝外で新馬勝ち…グレナディアーズ、ゴールスキー、サトノフォワード、タマモプラネット、トーセンパワフル、トーセンファントム、ノーブルリーズン、ピオネロ、ロジユニヴァース
新潟芝外で新馬勝ち…ヴィスビー、クラウンアトラス、サトノジェミニ、ネオルミエール、フォーエバーモア、ミッキーユニバース
昨年も東京で新馬勝ちしたブライトエンブレムとオメガハートロックが、札幌と中山に転じてすぐさま重賞を勝ったのはまだ記憶に新しい
ご存知のように種牡馬ネオユニヴァースは粘りと機動力が持ち味ですから、だいたい東京より中山、外回りより内回りでパフォーマンスが上がる産駒が多いのですが、でも新馬戦ぐらいはベストパフォが出せる舞台ではなくても、素質だけでポンと勝ってしまうぐらいでないと大物とは言えないのだ…ということを裏付ける格言といえるかと
ちなみに有名な話ですが、ヴィクトワールピサは京都外1800mの新馬戦でローズキングダムと叩き合って惜敗、3着モーニングフェイス(後の忘れな草勝ち馬)は5馬身ちぎられました
こういうことをいちいち調べても本文で使うのは、「東京や外回りで新馬勝ちするような産駒は出世する」というこれだけですから、そういうのは悲しいのでちょくちょくブログで供養します(^ ^;)
先ほど「望田潤の3歳勝ち馬評価」先週ぶんを3頭更新しました~
菜の花も完勝で2戦2勝のクイーンズリングは配合はいいしなかなか走る馬ですが、「父中距離×母父スプリンター(マンハッタンカフェ×Anabaa)」らしい脚質というか、外マイルをビシッと差すというよりは内1800mをフワフワッと流れ込むような脚質で、去年の牝馬路線でいうとペイシャフェリス(スペシャルウィーク×Cape Cross)がナスキロ柔くなって距離適性長くなったバージョンみたいなイメージかな
とにかく桜花賞路線は外マイルで末脚バキューン勝負ですから、そういうレースでは少なからず乗り難しさはありそうな…あとAureole魂疑惑も依然としてあるので、揉まれたときにはコロッと負けてしまうタイプかもです
ニューイヤーSはコスモソーンパークが7歳にして嬉しい初オープン勝ち、ロージズインメイはアウトサイダー血脈が強いアウトブリードなのであまり自己主張が強くない種牡馬ですが、それだけに古馬になっての成長力はなかなかのもので、ドリームバレンチノは7歳で初G1勝ち、ロイヤルクレストは6歳時に初オープン勝ち、マイネルバイカは5歳時に初オープン勝ち、代表産駒で早咲きといえるのは母が強力な相似配合(Northern Dancer4×4とRaise a Native4×4とDrone≒Halo4×4)のコスモオオゾラぐらい
先週は内田博が土日で[2.0.2.10]、距離延長が心配されたオツウでちゃんと折り合ってひと脚使えてたし、クルーガーなんてスランプのときなら直線もドン詰まりで「ウチパク、アウト~」のパターンなんですが、危ういところをギリギリ抜けてこれたのはある程度思いどおりに動かせてるからで、これは復調ムードとみていいんじゃないですかね~
ネオアクラクションはどう見てもMontjeuには似ていないので(^ ^;)、High TopとForliのクロスをメインとする緩い父母相似配合で、欧マイルG1を勝ちまくった母Attractionの資質が主にONになった馬だろうという想像はできますAttractionの父Efisioもマイラーでしたが、High TopとForliの組み合わせのマイラーというのはたとえばDerring-Do×Fair Trialのハンターコムなんかを思い起こさせるもので、ああそうかAttractionとかEfisioってのはハンターコムとTom Foolのイメージなんやな、なるほどネオアクラクションもハンターコムとTom Foolが内マイルを走ってる感じやわ…というような連想ができるのが血統の面白いところ
コンテッサトゥーレは出遅れがちょうどいいハンデぐらいの勝ちっぷりで、ただモノが違ったので差し切れましたが、もう少し距離を延ばして前で受ければもっと強い馬に見えます
あと例の途中集計ですが、ここまで勝ち上がったハービンジャー産駒21頭のうち、母父サンデーサイレンスは12頭、母Northern Dancerクロスは3頭で、クローソーの母が4×5、ショウボートの母が4×3、ロカの母が4×4
札幌も大雪なので今日は家に引きこもって、手羽先のおでんと大根のきんぴらを作成しながら、一口ピックと勝ち馬評価をやっつけたら種牡馬辞典の原稿を…今日は20位ぐらいまではいきたいな(・∀・)
ご好評をいただいております「一口馬主好配合馬ピックアップ」ですが、本日望田潤がユニオンオーナーズクラブから1頭追加ピックアップしました
これで現在、キャロット(9)、ラフィアン(8)、シルク(7)、東サラ(6)、ウイン(5)、ロード(5)、ユニオン(5)、グリーン(2)、ターファイト(1)、ノルマンディー(1)、友駿(1)の計50頭をピックしています
栗山求・望田潤の「一口馬主好配合馬ピックアップ(2014-2015)」が今年もスタート!
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/91ee59d9a34fc4535de14253cf34837f
http://www.miesque.com/c00025.html
ジェニュインといえば「Bold Ruler忍者脚質」の適例として、オレハマッテルゼやアイドリームドアドリームとともに当ブログでは度々名前が出てくる馬で、そこらへんはもうあんまり語ることもないです
思い起こせば、当時競馬通信社で血統のことをあれこれ書きはじめていた私にとって、岡部さんを背にジェニュインが皐月賞を鮮やかに勝ったことは、まさにサンデー・ショックというべき出来事でした
同期のフジキセキとかダンスパートナーとかタヤスツヨシは、母父が本格派で、名牝系で、配合もいいし、こいつらがG1を勝ちまくるのは別に全然エエんですよ
でもジェニュインの場合、牝系はカナダの名門ですが、母父What Luckがいかにも軽いだけのB級Bold Rulerで、母父にこういうクラシックタイプではない軽すぎる血が入るのに、皐月賞を勝ってダービー2着という事実には、サンデーの血の凄さを噛みしめるしかなかったです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1992109450/
ただしジェニュインは種牡馬としては成功したとは言いがたいし、ジェニュインの全弟全妹に重賞を勝つような馬も出なかったし、クルーピアレディーの牝系も菊花賞馬アサクサキングスが出たものの他にこれといった大物は出ておらず、こう言っちゃあなんですが先細り気味の牝系と言うべきでしょう
いつも書くように、個々の競走馬の能力は何がONになるかの一発勝負ですから、What Luckの弱点がジェニュインやアサクサキングスにはほとんど伝わらなかったと考えるべきでしょうが、でも種牡馬ジェニュインやクルーピアレディー牝系にとっては、What Luckという血が入ることは、確率の問題として長い目で見るとやはり弱点だった…と
配合の良否なんてものは、競走馬として優秀かどうかだけでジャッジできるものじゃなくて、繁殖として、父母や祖父母として、代を経ても良いものを伝えつづけて子孫がいろんな枝葉で繁栄して、そこではじめて名血であり名配合であると断言できるのです
「ちくしょうWhat Luckのくせに、なんでこんなに強いんや…」
ジェニュインがG1で連対するたびに歯ぎしりしてましたが、そんなほろ苦い思い出も含め、今となってはいろんなことを教わったと思えるし、ジェニュインと出会ったことも私の財産の一つです
オレハマッテルゼが死んだとのことで
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/0f38c54c65fb6e34cba9b18e5f6f7c45
■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2014)』で望田潤が推奨したジュエルアラモード(牝3歳)が日曜中山1Rの未勝利戦(ダ1200m)を勝ちました。
◎ジュエルアラモード(牝・母スパイシークラウン)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012101349/
レオンビスティー、ジルコニアなど兄姉は出走5頭中4頭が全てPOG期間内に勝ち上がり。母は芝1200mを主戦場としたスピード馬で、ダイワメジャーと相性の良いStorm CatとGone Westを通じてTerlingua≒Secrettameのニアリークロス3×3。牝祖Queen of LightはAuroraとDonatelloの組み合わせだからAlycidon的で、これはド鉄板でしょう。1400mベストの先行型。
■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2014)』で望田潤が推奨したカレンスフィーダ(牡3歳)が日曜中京6R新馬戦(芝2000m)を勝ちました。
○カレンスフィーダ(牡・母タイキロザリオ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104703/
タイキエルドラドやタイキトレジャーの甥で、牝系はシンコウラブリイのハッピートレイルズと同じ。ハーツ×スピニングワールドは出走5頭全てが勝ち上がり、そこにはヌーヴォレコルトやタガノミューチャンなどが含まれる。全姉ヴァレンティーアも現役2勝。母系はHigh Top×セントクレスピンと重厚で、本馬は牡のぶんより晩成で重厚な中距離馬か。
■土曜中京9R500万下 トウシンムサシ(POG・望田)
■土曜中京10Rはこべら賞 スルターナ(一口・望田)
■日曜京都4R500万下 リアファル(一口・望田&栗山)
■日曜中山10R初富士賞 ラングレー(ディープ・栗山)
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カレンスフィーダが新馬勝ちして、これでハーツクライ×スピニングワールドはヌーヴォレコルト、タガノミューチャン、ネヴァーハーツ、ヴァレンティーア、ウインロザリーと出走6頭全てが勝ち上がり
ハーツ産駒が全体に晩成傾向なのは若いころは後駆が非力で緩い馬が多いからで、早期に腰やトモに筋肉をつけて完成を早めるためにはNorthern Dancerをクロスするのがまず手っ取り早く、それもお尻の大きなマイラーを経由すればなお効果的で、たとえばワンアンドオンリーは母父タイキシャトル、ウインバリアシオンは母父Storm Bird
スピニングワールドは愛2000ギニーやBCマイルなど芝1600mの大レースを勝ちまくった名マイラーで、Nureyev直仔でNorthern Dancer2×4
Nureyev母Specialはタイキシャトルの母母父Thatchの全姉で、HyperionとNasrullahとFair Trialの組み合わせですからトニービンの母Severn Bridgeとニアリー
またスピニングワールドの母系に入るMr.BusherはおなじみのWar Admiral×La Troienneの組み合わせで、ハーツクライの母系に入るBusandaと3/4同血
つまり母父スピニングワールドは、Northern Dancerをクロスで注入し、Severn Bridge≒SpecialとBusanda≒Mr.Busherのニアリークロスを生じさせるという意味で、ハーツクライ産駒としては早期に腰やトモに筋肉をつけることができる配合なのだ、といえるでしょう
スルターナの「キングヘイロー×モガミヒメ黄金配合」にしてもそうですが、確率が高いというデータが出ていて、それを裏付ける確かな配合的根拠があるならば、柳の下にドジョウは何匹もいるのです
ちなみに2歳にハーツクライ×スピニングワールドはいませんが、キングヘイロー×モガミヒメの牝はいました(もちろんこれも村田牧場産)
この世代ではマリエンバード(父Caerleon)の娘キタサンユキにもキングヘイローをつけていて、村田牧場さんはモガミヒメだけでなくCaerleonもツボなのだということを理解しておられるのでしょう(・∀・)
前走は初めての揉まれる競馬で戸惑っていたリアファルですが、ここは好位を取りにいく安全策で、まともに走ったときのスタミナはクリソライトばりという楽勝
いつも書くようにエルコン肌は牡にはスタミナを伝えるし、ゼンノロブロイ牡駒はミスプロをクロスすると距離適性が長くなるという傾向があるので、この馬も距離はもっと延びていいんじゃないですか
中山11R 京成杯
◎7.ブラックバゴ
○1.クラージュシチー
▲14.ナスノセイカン
△17.ベルーフ
×3.オトコギイッポン
注10.フォワードカフェ
ブラックバゴのホープフルSは直線前がカベで満足に追えず。しかし4角インに潜り込むときの脚は機動力十分で、バゴ産駒でヘイロー≒レッドゴッド4・5×4だから東京より中山向きの中距離馬だろう。母がステイゴールド×ホリスキーだから地力のあるタイプだし、この鞍上ならば型どおりの捲りで勝ち負けになるとみたい。相手は中山内2000mで成績を上げてきたハービンジャーの2頭と、前走の勝ちっぷりに奥深さを感じたナスノセイカン、母母がヒズマジェスティ=グロースターク2×3で持続力だけならここでも最上位かもしれない。他ではキングヘイロー黄金配合で芝もいけそうな体質のオトコギイッポンと、まだ馬が緩くて素質を発揮できないが今週の坂路でやけに動いたフォワードカフェを少し。
京都11R 日経新春杯
◎4.アドマイヤデウス
○3.ホーカーテンペスト
▲11.ビービートレイター
△5.フーラブライド
△7.タマモベストプレイ
×9.サトノノブレス
注2.ハギノハイブリッド
注6.アドマイヤフライト
距離延長で軌道に乗ってきたホーカーテンペストや、マイネルキッツのようなチーフベアハートのステイヤーの雰囲気があるビービートレイターも気になる存在だが、ここはアドマイヤデウスの成長に一票。父アドマヤドンの母ベガはハイペリオン4・6・6×5、父父ティンバーカントリーの母フォールアスペンはハイペリオン3×4、母母アドマイヤラピスはハイペリオン5・5×5・7、母母父ビーマイゲストはハイペリオン4×4、母母母父エラマナムーはアリシドン4×5、代々ハイペリオンの強いクロスを持つ種牡馬や繁殖牝馬が重ねられてきた配合で、全兄アドマイヤケルソもここへきてステイヤーとして頭角を現しつつあるが、古馬になってもう一皮むけてスタミナや粘り強さを増してくる血統だ。この休養で腰に力がついて成長を感じるという陣営のコメント、これまでも鋭さ負けはあってもバテたことはない馬で、ここは持続戦も見込まれる組み合わせだけにいきなり狙ってみたい。
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10Rの芝1800m戦も12Rの芝2200m戦も外差し+外差しの決着で、今日の中山芝は外伸び優勢で機動力より持続力の比重が高いような馬場やったように思います
それだけに行く馬を行かせて、2角までにブラックバゴを中団の外に持ち出した蛯名のレースプランに狂いはなかったというべきですが(しかも外に出したそうなクラージュシチーをさりげなくブロック)、誤算だったのはそこから13.1-12.5-13.1と大きくペースダウンしたことで、馬群の中でも馬がかなり行きたがってしまいました
あれで直線追い出されてもうひと脚使ってるから強い2着でしたが、最後は大外からベルーフの斬れ味が優ってました
以下、NETKEIBA「重賞の見どころ」より再掲
ベルーフ
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104084/
母レクレドールはステイゴールドの全妹でローズS勝ち、近親にサッカーボーイ、ショウナンパンドラ、バランスオブゲーム、ドリームパスポートなどが出るロイヤルサッシュ~ダイナサッシュの分枝。父ハービンジャーはデインヒルにさかのぼる父系だから、ステイゴールド×デインヒルのニックス(ナカヤマフェスタやフェノーメノなど)を逆さまにしたような配合でもある。ハービンジャー産駒はパワー豊富なので、東京芝[1.2.4.25]に対し中山芝[4.3.3.21]、特に[3.2.1.6]の中山芝内2000mと[2.3.2.7]の阪神芝内2000mは得意コースだ。本馬も百日草特別ではルージュバックの斬れ味に手も足も出なかったが、阪神内2000mのエリカ賞ではインから力強く差し切って快勝。パワー馬場への適性の高さを見せつけた。
ハービンジャーはデインヒル系らしくパワー豊富なので、今のところ中山内2000mや阪神内2000mに良績があるようにスタンダードな産駒は平坦大回りより急坂小回り向きに向いたパワー型とみるべきで、そのあたりは下記エントリ「京成杯を捲るんジャー」も読んでいただきたいですが、ベルーフの場合は母がステイゴールドの全妹で、Beringとディクタスを通じるLe Fabuleux≒Worden6×5を持つので、脚長でナタのように斬れるところがいいですね~
┌Wild Risk
Le Fabuleux
└△
└△
└Sans Tares
┌Wild Risk
Worden
└Sans Tares
ちなみにフジキセキ×ステゴ牝系でもLe Fabuleux≒Wordenのニアリークロスになりますが、このパターンにはタマモ○○○プレイやドリームパスポートがいますから、これらが京都外で最も斬れるような質の斬れ味も兼備している、という見立てでいいのではないかと
百日草ではルージュバックの鋭敏さに手も足も出ませんでしたが、それでも東京でもソコソコ斬れる脚を使えるからこその2着確保でした
「気性的に危ういところがある」と陣営はコメントしていましたが、そのあたりはWild Risk的狂気をはらんだ馬なのかもしれません
あとハービンジャーの場合、母母父Shareef DancerがNorthern DancerとTom Foolとナスキロという日本の高速芝向きの資質をONにしやすい組み合わせで、ここをいじくることで高速馬場や速い上がりに対応できる産駒も出せるところが成功につながっているのだとも考えられます
勝ち馬はハービンジャー×ステイゴールド全妹、2着馬はバゴ×ステイゴールド、これってステイゴールド×デインヒルとか、ステイゴールド×メジロマックイーンの応用にすぎないのですよ…ということを、当ブログの読者の方ならばだいたい理解していただけるのではないかと
クルーガーはエリカ賞につづいてベルーフにはねじ伏せられてしまいましたが、母父ディクタットがウォーニング産駒の硬肉マイラーなので東京を鋭く差す脚はないものの、急坂小回りをパワーで立ち回るとなかなか渋く、配合も母母Asticaのところに独アウトサイダー血脈が強くて、文字通りの「3/4Northern Dancer、1/4独(1/4異系)」になっているのがいいですね
前走の内容からクルーガーがベルーフを、ソールインパクトがブラックバゴを逆転するのはかなり難しい…とみてどちらも無印でしたが、いずれも前走ぐらいは走ったと思うし、だから京成杯とエリカとホープフルは皐月賞路線におけるなかなか精度の高いモノサシレースといえるのではないかと
日経新春杯は津村タマモベストプレイが必殺の下りからのロンスパを仕掛けなかったので、上がり11.6-11.3-11.5のヨーイドン、アドマイヤデウスは最内に潜って叩き出した岩田の手腕が大きかったというべきですが、しかし直線のあのギュンとくる反応は3歳春にはなかったもの
このあたりが陣営が言う「トモに力がついて成長を感じる」という部分なのだろうし、それは父母から受けた濃厚なHyperionが順調に開花中ということでもあるでしょう
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011105911/
だから今日のところは岩田のイン差しが主な勝因というべきでしょうが、しかしこの感じならば、Hyperionを振り絞る持続戦ならば更に強い可能性もありますよ(・∀・)
終わってみれば昨年3着のフーラブライドが2着、昨年2着のアドマイヤフライトが3着、なのにサトノノブレスは何をやっとるんや…ということになりますが、いつも書くようにこの馬は上がり11.5-11.5では重賞レベルで馬券に絡んだことはないジリ脚で、昨年はそこを絶妙なペース配分の逃げでカバーしたルメールの静かなるスーパープレーだと大絶賛しましたが、ああ上手くはなかなかいきません
以下、NETKEIBA「重賞の見どころ」より再掲
サトノノブレス
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010103602/
おなじみアンティックヴァリューの牝系だが本流のベガではなく、エクセラントカーヴやコレクターアイテムなどが出るオールドスタッフの分枝。ディープインパクト×トニービンはグルヴェイグやクランモンタナやコティリオンなどと同じ。母母父Always Run Luckyの母Big PuddlesがAlibhai3×4なので、斬れ味は並だがパワーと粘り強さに富む脚質で(Alibhaiは北米で成功したHyperion系でパワーに定評がある血)、雨の小倉記念を力強く捲り、不良の菊花賞でインに突っ込んで3着と、どちらかというとタフな馬場で良績をあげてきた。昨年の日経新春杯はルメールが絶妙な逃げで後続を封じ込めてしまったが、本来は京都の高速馬場では少しジリっぽいタイプだ。
あとフーラブライドは愛知杯のを再掲しておきますが、ダートの大物を出すゴールドアリュールの産駒でも、芝向きの血の部分(Reluctant Guest)をニアリークロスすれば芝向きの産駒が出やすい…というのは当然といえば当然
フーラブライド
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2009105546/
日経賞のランニングフリーなどが出る牝系。父ゴールドアリュールはダートの大物を出しているが、その母母Reluctant GuestはビヴァリーヒルズH(米G1・芝9F)勝ち馬。このReluctant Guestはマルゼンスキーと血脈構成がよく似ているので(Nijinsky、Princequillo、Count Fleet、La Troienneなどが共通)、ゴールドアリュールとマルゼンスキーを持つ牝馬との配合ではタケミカヅチ、トウカイパラダイス、トップカミング、そして本馬など芝向きのオープン馬が出ている。
昨年の愛知杯勝ち馬で、Nijinskyのクロス譲りの胴伸びのある体型で脚も長く重厚なストライドで走るので、中京や外回りなど広く直線が長いコースがベターの中距離馬。ただし一瞬の鋭い脚には欠けるので、ここでディアデラマドレに雪辱するには、緩みないペースで流れて持続力勝負になってほしいところ。
京成杯を捲るんジャー
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/d7e8af00c0e5d454cfc4acbc888acccf
ところでGCでちょくちょくCMやってますが、栗山さんが「競馬場の達人」に出演します(・∀・)
初回放送は1/18(日)22:00~22:30とのことで、今月中は再放送も毎週あるようなので、詳しくは下記ブログへ
『競馬場の達人』に出演します~栗山求の血統BLOG
http://kuriyama.miesque.com/?eid=1509
中山1Rで勝ったジュエルアラモードはPOG書籍でダイワメジャーのイチオシやった馬で、思ったよりパワー寄りに出ているしまだ馬群を嫌うなど課題もありますが、まあ一つ勝ってよかったです(・∀・)
ダイワメジャー×Storm Catの黄金配合で、母系の奥に「Hyperion+Donatello」の組み合わせがあるのもポイントで、昨年はここを力説してロジチャリスやグランアルマダなんかも選んでます
紅梅は◎コンテッサトゥーレ
エアトゥーレもアイリッシュダンスに負けず劣らずの名繁殖で、本馬はディープよりも母や母母に似ているので“長めアルティマトゥーレ”のイメージでいいでしょうが、ここなら素質上位というだけで◎
クローソーはAureoleの継続クロスだけに短縮でハナ切れないと全く走る気を出さないかもしれないし、他にも行って粘るだけという脚質の馬が多いので、差しに回って京都外回りで斬れそうな馬は…となると○フェアラフィネぐらいしか見当たらない
前走は1京Aの逃げ切りですから恵まれた感もありますが、ノーザンテーストとMr.Prospectorが強い体型体質は1400m向きで、中京1400mで差して[0.2.0.0]、デビュー戦は阪神外マイルを差してグランカマラードとポルトドートウィユの3着、内回りで先行するより外回りで差したほうが味がありそうな馬ですよ
初富士は◎メドウヒルズ
ダイワメジャー×トニービン×Lyphardで母母はCourt Martial3×5、牝祖HeiressはHyperion2×3、“短めハーツクライ”というイメージの配合で先行しぶとい脚質ですが、体型体質スピードの乗りはマイラーではなく中距離馬で、距離は1800~2000mのほうが合っていそう
前走も抜け出してからステッキが入ると内に切れ込んでいたようにまだ気性面でややこしいところはありそうで、しかし抜け出すまでは馬群の中でスムーズに走れてたし、Hyperion的にしつこい脚質で2勝目も3勝目も上がり12秒戦、回りの問題を抜きにすれば中山のパワー馬場は合っているはずで、Hyperionが強いダイワメジャー牡駒の着実な成長に一票
○シベリアンスパーブは前走◎でしたがLa Troienne的パワーを両親から受けて中山1800mだけで飯を食ってる男、決め手には欠けますがここも好走は間違いなし
▲レッドセシリアはダイヤモンドビコー的なエンジンをSharpen Up的なマイラー体型に搭載したというイメージで、実は中山マイルがベストじゃなかろうかと思ってるんですが、1800mだとスローが希望かな
☆シャドウパーティーはダラッとした脚質なので東京よりは中山のほうが差しやすいのですが、距離はもう1Fほしいかな
△シャドウダンサーはHyperion的なステイヤーだと思ってるので、中山で持続戦になるのは歓迎ですが距離短縮はあまり感心しないです
ラングレーはこれぐらいの距離のほうが合っているようにも思いますが、ディープ×Storm Catの緩さがあるタイプで東京向き
オツウは差す競馬をさせたいがための距離短縮で、その目論見は果たしたので適距離へ戻してきましたが、1400mを使った後でウチパクでスムーズに折り合えるのかどうか、ここで折り合えば本物でしょうが…
長篠は▲ダンスディレクターは京都だと不利があっても猛然と伸びてくるんですが急坂コースだとそうでもなく、差し競馬ならば今度は後ろからと言ってる◎ゴーハンティングが狙い目やないかと思いますが、中京1200mは緩むときはけっこう緩みますから、シゲルカガも単騎でいけるとけっこう緩めて逃げるときありますから、アセロラと競ることはないでしょうからそのへん微妙
知立は◎ダンツカナリー、前走は単騎逃げで久々にAureole魂全開かと思ったんですが直線は鋭さ負けの格好で、ちょっと引きつけて逃げすぎた感はあり、ほんとに藤田の逃げは恫喝してスローに落とすだけでベテランのくせに味がない…
ここも同型不在ですが、康太が去年の中館さんのような逃げを打てれば連覇があるんじゃないかと
「No.1予想」では京成杯を、「馬券総合倶楽部」では京成杯と日経新春杯を予想していますので、そちらもよろしくお願いします