栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

ちくしょうWhat Luckのくせに

2015-01-19 21:54:55 | 配合論

ジェニュインといえば「Bold Ruler忍者脚質」の適例として、オレハマッテルゼやアイドリームドアドリームとともに当ブログでは度々名前が出てくる馬で、そこらへんはもうあんまり語ることもないです

思い起こせば、当時競馬通信社で血統のことをあれこれ書きはじめていた私にとって、岡部さんを背にジェニュインが皐月賞を鮮やかに勝ったことは、まさにサンデー・ショックというべき出来事でした

同期のフジキセキとかダンスパートナーとかタヤスツヨシは、母父が本格派で、名牝系で、配合もいいし、こいつらがG1を勝ちまくるのは別に全然エエんですよ

でもジェニュインの場合、牝系はカナダの名門ですが、母父What Luckがいかにも軽いだけのB級Bold Rulerで、母父にこういうクラシックタイプではない軽すぎる血が入るのに、皐月賞を勝ってダービー2着という事実には、サンデーの血の凄さを噛みしめるしかなかったです
http://db.netkeiba.com/horse/ped/1992109450/

ただしジェニュインは種牡馬としては成功したとは言いがたいし、ジェニュインの全弟全妹に重賞を勝つような馬も出なかったし、クルーピアレディーの牝系も菊花賞馬アサクサキングスが出たものの他にこれといった大物は出ておらず、こう言っちゃあなんですが先細り気味の牝系と言うべきでしょう

いつも書くように、個々の競走馬の能力は何がONになるかの一発勝負ですから、What Luckの弱点がジェニュインやアサクサキングスにはほとんど伝わらなかったと考えるべきでしょうが、でも種牡馬ジェニュインやクルーピアレディー牝系にとっては、What Luckという血が入ることは、確率の問題として長い目で見るとやはり弱点だった…と

配合の良否なんてものは、競走馬として優秀かどうかだけでジャッジできるものじゃなくて、繁殖として、父母や祖父母として、代を経ても良いものを伝えつづけて子孫がいろんな枝葉で繁栄して、そこではじめて名血であり名配合であると断言できるのです

「ちくしょうWhat Luckのくせに、なんでこんなに強いんや…」

ジェニュインがG1で連対するたびに歯ぎしりしてましたが、そんなほろ苦い思い出も含め、今となってはいろんなことを教わったと思えるし、ジェニュインと出会ったことも私の財産の一つです

オレハマッテルゼが死んだとのことで
http://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/0f38c54c65fb6e34cba9b18e5f6f7c45

コメント (9)
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1/17,18の血統屋コンテンツ推奨馬の結果速報

2015-01-19 09:17:34 | POG

■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2014)』で望田潤が推奨したジュエルアラモード(牝3歳)が日曜中山1Rの未勝利戦(ダ1200m)を勝ちました。

◎ジュエルアラモード(牝・母スパイシークラウン)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012101349/
レオンビスティー、ジルコニアなど兄姉は出走5頭中4頭が全てPOG期間内に勝ち上がり。母は芝1200mを主戦場としたスピード馬で、ダイワメジャーと相性の良いStorm CatとGone Westを通じてTerlingua≒Secrettameのニアリークロス3×3。牝祖Queen of LightはAuroraとDonatelloの組み合わせだからAlycidon的で、これはド鉄板でしょう。1400mベストの先行型。

■『望田潤のPOG好配合馬リスト(2014)』で望田潤が推奨したカレンスフィーダ(牡3歳)が日曜中京6R新馬戦(芝2000m)を勝ちました。

○カレンスフィーダ(牡・母タイキロザリオ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2012104703/
タイキエルドラドやタイキトレジャーの甥で、牝系はシンコウラブリイのハッピートレイルズと同じ。ハーツ×スピニングワールドは出走5頭全てが勝ち上がり、そこにはヌーヴォレコルトやタガノミューチャンなどが含まれる。全姉ヴァレンティーアも現役2勝。母系はHigh Top×セントクレスピンと重厚で、本馬は牡のぶんより晩成で重厚な中距離馬か。

■土曜中京9R500万下 トウシンムサシ(POG・望田)
■土曜中京10Rはこべら賞 スルターナ(一口・望田)
■日曜京都4R500万下 リアファル(一口・望田&栗山)
■日曜中山10R初富士賞 ラングレー(ディープ・栗山)

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カレンスフィーダが新馬勝ちして、これでハーツクライ×スピニングワールドはヌーヴォレコルト、タガノミューチャン、ネヴァーハーツ、ヴァレンティーア、ウインロザリーと出走6頭全てが勝ち上がり

ハーツ産駒が全体に晩成傾向なのは若いころは後駆が非力で緩い馬が多いからで、早期に腰やトモに筋肉をつけて完成を早めるためにはNorthern Dancerをクロスするのがまず手っ取り早く、それもお尻の大きなマイラーを経由すればなお効果的で、たとえばワンアンドオンリーは母父タイキシャトル、ウインバリアシオンは母父Storm Bird

スピニングワールドは愛2000ギニーやBCマイルなど芝1600mの大レースを勝ちまくった名マイラーで、Nureyev直仔でNorthern Dancer2×4

Nureyev母Specialはタイキシャトルの母母父Thatchの全姉で、HyperionとNasrullahとFair Trialの組み合わせですからトニービンの母Severn Bridgeとニアリー

またスピニングワールドの母系に入るMr.BusherはおなじみのWar Admiral×La Troienneの組み合わせで、ハーツクライの母系に入るBusandaと3/4同血

つまり母父スピニングワールドは、Northern Dancerをクロスで注入し、Severn Bridge≒SpecialとBusanda≒Mr.Busherのニアリークロスを生じさせるという意味で、ハーツクライ産駒としては早期に腰やトモに筋肉をつけることができる配合なのだ、といえるでしょう

スルターナの「キングヘイロー×モガミヒメ黄金配合」にしてもそうですが、確率が高いというデータが出ていて、それを裏付ける確かな配合的根拠があるならば、柳の下にドジョウは何匹もいるのです

ちなみに2歳にハーツクライ×スピニングワールドはいませんが、キングヘイロー×モガミヒメの牝はいました(もちろんこれも村田牧場産)

この世代ではマリエンバード(父Caerleon)の娘キタサンユキにもキングヘイローをつけていて、村田牧場さんはモガミヒメだけでなくCaerleonもツボなのだということを理解しておられるのでしょう(・∀・)

前走は初めての揉まれる競馬で戸惑っていたリアファルですが、ここは好位を取りにいく安全策で、まともに走ったときのスタミナはクリソライトばりという楽勝

いつも書くようにエルコン肌は牡にはスタミナを伝えるし、ゼンノロブロイ牡駒はミスプロをクロスすると距離適性が長くなるという傾向があるので、この馬も距離はもっと延びていいんじゃないですか

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