goo blog サービス終了のお知らせ 

第69回有馬記念回顧~スローで入ってロンスパ、TTディープが並んだ

2024-12-24 15:51:19 | 血統予想

中山11R有馬記念
◎10.プログノーシス
○5.ベラジオオペラ
▲4.ブローザホーン
アーバンシックは菊もセントライトも上手くソツなく立ち回ったが、ダノンザキッドを長くしたようなナスペリオン的ストライドが持ち味で、中山内回りで同じように捌けるかどうか。ダノンデサイルは母が北米パワー血統で、500キロ超の肉付きからしても長距離よりは2000~2400の馬だろう。とはいえシアトルスルーのクロスらしいストライドは中山<東京。ジャスティンパレスはヌレイエフ的なナタの差しで、ここ2年の有馬をみても中山内回りではどう乗っても難しいように思える。スターズオンアースは逃げ馬不在で昨年の再現を狙うが、今期は馬体の張りが一息で陣営のトーンも上がらない。シャフリヤールは機動力とスタミナで勝負したい馬だから大外枠は痛恨だが、英師が言うようにスローなら途中からでもハナに立ってみる手はあるだろう。
ブローザホーンは430キロのTTステイヤーらしく、秋2回叩いて上昇ムード。戦績どおり京都外回り最強だが、小柄でトムフール的捌きで走るから、前半ゆっくり入れれば中山内回りを途中から動ける。ベラジオオペラはアイドリーム牝系らしいボールドルーラー小脚使いで重賞3勝は全て内回り。この秋は東京は半ば捨てて有馬に照準を絞ってきた。ハービンが強いとはいえカナロア産駒だからベストは2000近辺だろうが、前半ペースが緩むようならイン好位でコーナリング能力の高さを活かせる。振り返ってみると、
プログノーシスを◎にしたのは香港と札幌記念だけで、大箱では◎を打つ気がずっとしなかったし今もしない。母父が名マイラーのオブザーヴァトリーなのでコロンとした体型だが、ディープ産駒としてもハイペリオンとプリティポリー的な底力を最大限に活かした配合をしていて、ディープ産駒ながらストライドが伸びず実直なピッチで走るさまもザ・ハイペリオンというべきで、最近の活躍馬ではタイトルホルダーとプログノーシスが最もハイペリオンを体現した馬だと思う。そんなプログノーシスが、6歳の有馬でついに成就というドラマがワタシノユメです。三浦皇成よ、勝てるよ。プログノーシスよ、ここで勝ってみせろよ。
有馬は毎年出来がポイントで、当日見て好調そうな馬を3連のヒモに加えるかもしれないが、買いたい馬券は◎-○▲ということでこの印。

----------

例によってNETKEIBAの全頭解説から1~3着を

レガレイラ
ドゥラドーレスの半妹でヴァルコスの姪でステレンボッシュのイトコ。牝祖ウインドインハーヘアはディープインパクトの母で子孫に活躍馬多数の名繁殖。アーバンシックとは父が同じで母が全姉妹=同血の間柄になる。父スワーヴリチャードはハーツクライの代表産駒で初年度から大成功。ハーツ父系×ディープ牝系のイメージどおりの細身でしなやかな体質で、距離は2500より長くてもいいぐらい。中山より東京向きだが、延長でパフォーマンスは上がる。(距離◎スピード○底力◎コース○)



シャフリヤール
アルアイン、ダノンマジェスティ、ヒメノカリスの全弟で、アルナシームの叔父。母ドバイマジェスティはBCフィリー&メアスプリント(米G1・ダ7F)勝ち。母父Essence of Dubaiはスーパーダービー(米G2・ダ9F)勝ち馬。500キロ超のアルアインと比較するとこちらのほうがディープ産駒らしい体質で、2400超では崩れたことがない。仕掛けが遅れたBCターフも詰めていた。もうワンパンチ欲しいのはたしかだが、立ち回りは巧いし圏内十分だろう。(距離◎スピード○底力○コース◎)



ダノンデサイル
スタティスティクスやトップザビルの半弟で、母トップデサイルはBCJフィリーズ2着。牝祖Barefoot DyanaはゴールデンロッドS(米G3・ダ8.5F)2着。母父CongratsはサンパスカルH(米G2・ダ8.5F)に勝ったA.P.Indy系でフォーエバーヤングの母父。密な父母相似配合で、Seattle Slewをクロスするエピファネイア産駒だから大箱向きのストライド。菊花賞は勝負どころでポジションが下がってしまった。中山よりは東京向きだろう。(距離○スピード○底力◎コース○)



「過去5年の有馬記念において、上がり3Fの中に11秒台が入ったのが23年(2人気-7人気-6人気)と22年(1人気-6人気-3人気)と20年(1人気-11人気-2人気)。3Fとも12秒以上だったのが21年(1人気-5人気-2人気)と19年(2人気-3人気-4人気)。上がりのケイバになると人気薄が絡み、流れて持続戦になると力どおり、という傾向もうっすら」
全頭解説の導入文でこのように書いたのですが、今年は上がり3Fが11.6-11.5-12.1で、5人気-10人気-2人気での決着でした

パドックはブローザホーンとレガレイラが好気配、ともに必要最小限の肉付きながら前走よりかなり良くなった感があって、やっぱりTTステイヤーは叩かれながら、使いながら上昇してくるんやなあ…と

公式ラップは6.8-11.7-12.9-12.4-12.4-13.3-12.4-12.0-11.3-11.4-11.6-11.5-12.1、またもやノリの逃げで前半はスローダウンも、朝日杯のような上がり3F特化ではなく、残り1000m手前からペースアップしていわゆるロンスパ戦になりました

「ドウデュースが取り消して、乗り役の心理や展開がますます読みにくくなったし、こういうときはどの馬の後ろにいるか、誰の後ろにいるかがポイントになってくるんじゃないか」みたいな話を前夜にしていたんですが、レガレイラは例によってスタートは決して速くなかったけれど、周りの内枠勢が好発から前のポジションを取りにいったので、それらについていったら労せず好位がとれました

こうなると牝馬をソフトに乗る技術は屈指の戸崎さん、レガレイラをリラックスさせて好位追走、しかも目の前にいるのは屈指のコーナリング能力を誇るアイドリーム牝系の大阪杯馬ベラジオオペラ、ついて回ればゴール近くまで必ず道はある

秋3走目、距離延長、前半スローのロンスパ、TTステイヤーが復活の狼煙をあげるに十分な材料が揃ったのです

<久々の現地観戦となったダービーですが、パドックを何周も見た後、ラインで一斉配信した感想は一言だけ「レガレイラはTTやな」
出走馬中最も軽い体重(458キロ)の牝馬ですが、その数字以上に無駄肉がなさすぎるというか、思った以上に長距離を走るのに適した体質に見えたんですよね>(第91回日本ダービー回顧)

シャフリヤールも全兄アルアインより50キロ以上体重が軽くて、いかにもTTディープというべき体質で、芝2400以上はダービー①ドバイシーマ①②⑤JC②③BCターフ③③そして有馬⑤②と崩れなし(いっぽう2000以下は古馬になってからは[0-0-0-4])

ノーザン関係者がみんなシャフリヤールが大好きでシャフリヤールに何とかもう一つ大きなタイトルを獲ってほしいと願っているのは、このいかにもディープインパクト産駒らしいぬめぬめっとしたTT体質が琴線に触れるんじゃないですかね

また母がダ7Fの北米G1勝ち馬ですから小脚がきいて機動力に富み、だからスローの中山内2500は最も能力を発揮できる舞台といえるのですが、それだけに大外枠を引いてしまった陣営の落胆はハンパではなく、実際レースでも4角で一杯のハヤヤッコをさらに外を回してパスしなければならず、あれでハナ差ですから内容はこちらのほうが強かったとも

アーバンシックは出遅れましたが、内枠勢がみんな行ったのでこれも労せずその直後までリカバリ、ただ誤算だったのは明らかに本調子にないスターズオンアースの直後になってしまったことで、スターズがもう3角すぎから下がりはじめたのでそこでちょっと待たされるというか仕掛けがワンテンポ遅れた感はありました

プログノーシスは出遅れは半分織り込み済みで、直線も前と同じ脚色で回ってきただけなので、距離が長いというかこんなレースは合わないのかなというしかないし、ブローザーホーンは明らかに馬は良くなってましたが最後まで馬群の中で力を出せずじまいで、宝塚も春天も日経新春も大外から決めた馬ですからね



<母父が日本で大成功しているUnbridled's Songだから、この血と抜群に相性が良いディープインパクト系との配合にひとまず注目>
<また近ごろのハーツクライ産駒はカテドラルのように母系にデインヒルの血を引く馬がよく走っているから、デインヒルを引くマイラー牝馬との配合で、後駆をビルドアップし体質を締めるという方向も成功への早道だろう>

上はキャロットクラブ会報22年7月号からの再掲で、たぶん最初に種牡馬スワーヴリチャードについて書いたのはこれやと思うんですが、初年度から父にG1タイトルをもたらしたレガレイラとアーバンシックは、母同士が全姉妹なので同血のイトコという間柄になり、母父ハービンジャーはデインヒルの直系、母母ランジエッジはディープインパクトと3/4同血の妹です


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日曜のボツ予想~アメファラ戦争 | トップ | 12/19~22の血統屋コンテンツ... »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2024-12-24 21:16:05
◎ニューイヤーズデイ
○サンダースノー
▲ブリックスアンドモルタル

スワーヴリチャード産駒がここまで走るとは
予想できなかったですね・・・。
返信する
Unknown (MJ)
2024-12-24 22:51:48
種牡馬辞典のはJRAファーストシーズン(2歳)の予想ですからね
2歳早期からこんなに動くとは、リチャードの新馬戦を思い起こすと全く想像できませんでした
今年の予想も、JRAファーストシーズンとなるとダート種牡馬は不利かなということで◎サートゥル○ナダルとしたわけで、産駒が走る走らないの評価の順ではないですよ
それこそ心の本命はシスキンですが、産駒7頭しかいないから印は回せない
返信する
Unknown (MJ)
2024-12-25 16:07:52
海千山千の地方の調教師や馬主も、自分の馬に吉原が乗るとなったら子供のようにワクワクしてるんですよね
まあホンマにすごい
返信する
Unknown (MJ)
2024-12-25 17:09:56
とかいってたらレガレイラ剥離骨折、シャフリヤール社台SS入りが発表に
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

血統予想」カテゴリの最新記事