京都11RマイルCS
◎11.セリフォス
○12.レッドモンレーヴ
▲13.セルバーグ
△6.ダノンザキッド
×1.ソウルラッシュ
×9.シュネルマイスター
×16.ナミュール
土曜の京都芝はけっきょく良まで乾かず稍重のままで、外マイルは12R1勝Cが1.34.4、8R2勝Cが1.34.8で、8Rのほうが前半スローだったが時計一つはかかる稍重だった。日曜は良に回復するだろうが、イン7~8頭ぶんぐらいまで見た目に荒れており、高速決着は望めないだろう。改修前の京都のマイルCSも2016~2019年までいずれも1分33秒台の勝ち時計で、1800質のペルシアンナイトが毎年好走していた。そしてインディチャンプ(母父キングカメハメハ)、ステルヴィオ(父父キングカメハメハ)、ペルシアンナイト(母母ニキーヤ)、ミッキーアイル(母母アイルドフランス)と、勝ち馬4頭はいずれもヌレイエフの血を引いていた。時計一つかかるタフな馬場で、ヌレイエフの野太い末脚が最後の叩き合いでモノを言う結果になっていた。
メンバーを見渡していろいろ考えてみたが、最もヌレイエフ的な力強さで差すのは◎はセリフォスだろうという結論になった(母母父フリーダムクライ)。母方の血脈構成がアドマイヤマーズと似ていて、ダイワメジャー産駒にしては走りに重厚感があるとほめてきたが、母父がブラッシンググルーム系なので折り合いがつけば脚質は自在とみたい。22年マイルCSのように差すか、23年安田のように行くかだが、川田なら好位外で運ぶのではないか。ダイワメジャーのマイル王が川田で前受けなら◎が打てる。
調教が良かったのはソウルラッシュで、一週前のウッドの動きなど別馬のように見える。今が充実期だろう。キングマンボの父系だし荒れ馬場実績も十分。ダノンザキッドは母父ダンジリが強く表現されて大箱1800ベストで、安田で高速決着になると時計が足りない…というキャラがペルシアンナイトとダダかぶりする。シュネルマイスターも毎日王冠ベスト型だけに、セルバーグが離して逃げても後続はスローという展開が希望だろう。そのセルバークはエピファ産駒だし、京都外なら下りで離してしまえば一発十分では。レッドモンレーヴは泣く子も黙るキンカメ×エアグルーヴだから、G1でも底力負けはないだろう。わりと前輪駆動な走りで、安田や京王杯でも坂を上がってからの末脚がいい馬だから、京都外マイルもベストコースでは。斤量も1キロもらうしナミュールを逆転しても驚けない。
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ナミュール
ラヴェルの半姉で、マルシュロレーヌやバーデンヴァイラーの姪。母サンブルエミューズはフェアリーS3着。3代母キョウエイマーチは桜花賞馬でトライアンフマーチなどの母。そこにハービンジャーで「重厚で緩い父×フィジカルなマイラーの母」の配合が絶妙にハマりエンジンはA級だ。マイル戦だと追走に余裕がなくて不利を受けるシーンがつづいたが、富士Sは馬群を力強く割り1.31.4で走破し快勝。1800ベストだが、あの内容ならここでも期待が高まる。(距離○スピード○底力◎コース◎)
ソウルラッシュ
ディオの3/4兄で、ヒラボクディープの甥で、ヘネシー、エディターズノート、カフェブリッツなども同牝系。ルーラーシップ×マンハッタンカフェ×Storm Catまでアディラートと同じで、Storm Catのマイラーっぽさが強いところも似ている。マイルに転じてからは[5-1-1-3]で着外はいずれもG1。オータムHは59キロを背負いながら地力でねじ伏せたという勝ち方だった。ピュアマイラーではなく1800ベストっぽいのがマイルG1で爆発しきれないところか。(距離○スピード○底力◎コース○)
ジャスティンカフェ
メイクザビートの半兄で、母カジノブギはJRA1勝。母母ギミーシェルターはJRA5勝でアネモネS2着。3代母オークツリーはガレオンの全妹でペインテドブラックの母。牝祖シャダイアイバーはオークス馬で子孫にエアジハードやプレシャスカフェなどが出る。エピファネイア×ワークフォースでSadler's Wells4×4。血統も馬体も中距離だからマイルより1800がベター。昨年は不利がなければもっとやれたが、あれぐらいのペースなら追走できるし反応できる。(距離○スピード○底力◎コース○)
すんません月末締めの配合診断が山積みのため回顧はサラリと…パドックで出来や気配が良かったのは、コメントでも書いたようにソウルラッシュ、ダノンザキッド、エルトンバローズ、セリフォスで、ソウルはパンパンのはちきれそうな体で調教も2週つづけて素晴らしかったし、まさに最高潮やったんやないですかね
前半の入りが12.5-10.5-11.3=34.3というのは、最近の京都のマイルCSとしては14年(12.0-10.4-11.3=33.7)に次ぐ速さで、そのぶん4F目が12.2と中だるみし、そこからゴールまで11.7-11.6-11.5-11.2と、下りながら加速ラップでゴールまで走破したというレース
レースラップは前後半46.5-46.0ですが先行勢は壊滅、前半追走せず47秒ちょい-45秒ちょいぐらいで、59秒で追走し33.5ぐらいで上がった1800タイプがゴール前ではみんな差してきたという様相だったかと(だとすると、スタート失敗にしてもシュネルマイスターは弾けてない)
ナミュールは秋華賞2着、ジャスティンカフェはエプソムC1着毎日王冠2着、エルトンバローズは毎日王冠1着ラジオNIKKEI賞1着、ソウルラッシュとダノンザキッドも私は1800ベスト説です今でも
そもそも前走スワンS組の出走ゼロという前代未聞のマイルCS、出走馬の父をみると、エピファネイア(2)、ダイワメジャー(2)、ロードカナロア(2)、Kingman、アメリカンペイトリオット、オルフェーヴル、キズナ、ジャスタウェイ、シルバーステート、ディープブリランテ、ハーツクライ、ハービンジャー、ルーラーシップ
よく言うことですが、安田記念やマイルCSに毎年産駒を送り込めるような優秀な芝マイラー種牡馬は、今はロードカナロアともうリタイアが近いダイワメジャー、あとモーリスぐらいしかいないといっても過言ではないだろうと
だからマイルG1といっても、出走馬のなかでピュアマイラーといえるのはセリフォス、セルバーグ、ダノンスコーピオン、バスラットレオン、ビーアストニッシド、レッドモンレーヴぐらいのもんで、マイラー2頭がうなりながらハナ争いをしたら、それをセリフォスもうなりながら追走して直線バッタリでしたが、マイラーだからあのペースでうなれるともいえる
マイラーがうなるペースになってもマイラーたちは沈んでしまい、けっきょく1800質の追走をした1800質の馬たちが直線ドッと差してきた
それに大きな不満はないんですが、キョウエイマーチが44.6-49.1でビュンビュン飛ばして逃げ粘り、それを好位のタイキシャトルが嬉しそうに追いかけて、ああいうマイルCSはもう見れないのかなあ…と、ああいうレースを演出できるオープン級ピュアマイラーの絶対数が少なくなってしまったのか
そのキョウエイマーチを3代母にもち、ダイワメジャーを母父にもち、母方から名マイラーの血を引いたナミュールが、圧巻の差し切りを決めたマイルCSでした
ちなみにMahmoudラップではナミュールの前後半は47.7-44.8とのことで、ソウルラッシュとジャスティンカフェは47.1-45.4ぐらいですかね
曽祖母は44.6-49.1で逃げに逃げ、曾孫は47.7-44.8で豪快に追い込みましたが、いつも言うようにダンシングブレーヴってのは行くか追い込むか、メリハリつけて脚を一気に使うようなレースに向き、たとえばドウデュースもダンシングブレーヴの近親だけにそんな側面はありますよね
ダイワメジャーはサンデーサイレンス系で最も成功したマイラー種牡馬で、Le Havre(セリフォス)、Medicean(アドマイヤマーズ)、Grindstone(カレンブラックヒル)、オペラハウス(メジャーエンブレム)、トニービン(コパノリチャード)と、中距離の肌との配合でマイルの大物を出したのは順当といえます
母父に回っても、ハービンジャー(ナミュール)、オルフェーヴル(ショウナンナデシコ)、シニスターミニスター(グランブリッジ)、モリアーナ(エピファネイア)、ラヴェル(キタサンブラック)など、中距離型種牡馬との配合で緩い中距離体質を締めるようなはたらきで成功している、といえますかね
なんというか全体的に1800ベスト(悪く言えば中途半端)の馬が増えたなって印象です
現在 1800でも通用するキレのある馬
マイラーとして必要な資質が時代と共に変わってきたという事なんでしょうかね