東京11R オークス
◎18.ステラリア
○7.アカイトリノムスメ
▲1.ククナ
△9.ユーバーレーベン
×5.クールキャット
×11.ソダシ
×15.アールドヴィーヴル
ソダシはアエロリットを操縦性抜群にしたようなタイプで、パワーと機動力と完成度でここまで無敗できたが、こういう桜花賞馬がオークスを先行して勝ちきるというイメージがあまりないし、勝ちきれるほど図抜けた名牝とまではまだ言えないだろう。アカイトリノムスメはアパパネの産駒のなかでは最も母似で、そこにディープのしなやか斬れが加わったイメージで、レースセンスがよく追ってからシャープに斬れる。桜花賞はソダシを負かしにいって最後苦しくなったが、折り合いはつくのでタメられるぶん桜花賞より乗りやすいだろう。桜花賞組ではこれだと思うが、狙ってみたいのはステラリア。忘れな草勝ち馬は過去10年で[3-0-1-6]。母父モティヴェイターは英ダービー馬で、タイトルホルダーやヴァンドギャルドの母父で肌に回って優秀な血だ。マイルだとスピード的に少し辛かったが、忘れな草賞は底力を感じさせる勝ちっぷり。まさにタイトルホルダーの女版のイメージでいいだろう。川田と手が合うタイプだと思うし、好位で立ち回って直線もうひと踏ん張りを期待。POGで推奨したように配合もキズナ産駒としては満点に近い。逃げ馬不在でスロー想定だと、武史が皐月賞のようにインを狙ってくるとみてククナを▲とした。クルミナルの娘で小柄で薄手だからこれも中距離馬だろう。
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例によってNETKEIBAの全頭血統解説から1~3着とソダシを
ユーバーレーベン
マイネルファンロン(父ステイゴールド)の3/4妹で、母母マイネヌーヴェルはマイネルチャールズやマイネルアワグラスの全姉でフラワーCに勝った。父ゴールドシップはステイゴールドの代表産駒でウインマイティー、ブラックホール、マカオンドールなどの父。父も母も母母も母父も兄も中距離馬だし距離は2000以上あったほうがいい。フローラSもスローをよく追い込んだが、やはり上がりが速すぎるとちょっと辛そう。持続力勝負を望む。(距離◎スピード○底力◎コース○)
アカイトリノムスメ
ジナンボー、モクレレ、ラインベックの全妹で、母アパパネは牝馬三冠とヴィクトリアマイルに勝った。本馬は牝のせいか兄たち以上に母に似ており、母譲りのTom Fool走法&自在脚質にディープのしなやか斬れが加わったイメージだ。レースセンスがよく追ってからシャープに斬れるし、同世代の牝馬のなかでは能力上位なのは疑いない。1800ぐらいがベスト距離だろうが、折り合いはつくのでタメられるぶん桜花賞より乗りやすいのでは。(距離○スピード◎底力○コース◎)
ハギノピリナ
ハギノアトラスの半妹で、ハギノリベラの姪で、母母ハギノスプレンダーはアネモネSなどJRA5勝。キズナ×アドマイヤムーン×ヘクタープロテクターだから字面はマイラー血統だが、母系の奥にハイペリオン血脈が濃厚で、体型も長手で持続力で走る中距離馬。ここも上がりがかかって持続力勝負になれば食い下がれそうだ。2勝とも外からの差しで、牝祖マラベルはVaguely Nobleと3/4同血だから、多頭数で揉まれると辛いかも。(距離○スピード○底力○コース○)
ソダシ
ユキチャンの姪で、ハヤヤッコのイトコで、メイケイエールも近親。ちなみにハヤヤッコはキンカメ×クロフネ×シラユキヒメで、本馬はクロフネ×キンカメ×シラユキヒメ。白毛とダート上級が出ることで有名な一族だが、本馬はヌレイエフやヘイロー≒ドローンのニアリークロスで芝もOK。マイラーというよりは1800パワー型に見え、完成度が高く勝負強いアエロリットというイメージだ。東京2400は適舞台ではないが、そこは完成度とレースの巧さで。(距離○スピード◎底力◎コース○)
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今年のオークスは逃げ馬不在で、ソダシの吉田隼人が「なんならハナに行ってもいい」というぐらいでスローが予想されましたが、パドックでテンションが高かったステラリアがスローで引っかかるのを懸念したのか仕掛けていったので、レースラップは59.9-25.2-59.4と緩みなく流れ、1~6着まで差し追い込みが占め、しかも(アカイトリノムスメ以外は)中距離のスタミナが確りした血統の差し追い込みが全部きた、というレースになりました
ソダシはこのペースで前に馬を置いてもちょっと行きたがってしまいましたが、そこはやっぱりアエロリットとニアリーなのだろうと…Nashwanのスタミナが入るホエールキャプチャでもオークスは3着でした
ハギノピリナは牝祖ダイナサベージがHyperion4・5×4・4で字面以上にスタミナある末脚を武器としますが、解説でも書いたように牝祖マラベルはVaguely Nobleと3/4同血ですから、直線で一番外から追い込んだのもよかったと思います
ビッグレッドグループの総帥・故岡田繫幸さんは、5代血統表を隅々まで吟味するようなことはあまりしなかったでしょうが、ウインブライト、マイネルキッツ、コスモバルクといった中長距離の活躍馬の血統、ステイゴールド~ゴールドシップへの寵愛、コンデュイットやイブンベイなどMill Reef系種牡馬の導入などをみても、大目標としていた東京2400のクラシックを勝つためには、Princely GiftやMill Reefの柔らかさしなやかさで全身運動ができないといけない、という信念が一つあったのだろうと思うんですよね(ちなみにPrincely GiftもMill ReefもThe TetrarchのクロスをもつNasrullah系)
しかし柔らかくて速くて、高速化する日本の芝にあまりにもマッチしたサンデーサイレンスの血が瞬く間に血統地図を塗り替えると、Princely GiftやMill Reefの柔らかさやナスキロ的な柔らかさは“緩慢”という言葉に置き換えられることとなります
サンデーサイレンスを擁する社台グループに対抗するべく、うちもHaloの血を入れるんだ、サンデーの仔を種馬にするんだということで、ドバイワールドCのロージズインメイが輸入され、後にサンデー系の太い枝となるステイゴールドが迎え入れられたのです
Mill Reefの肌にSir Gaylord系Zabeelが配されたマイネプリテンダーはいかにも総帥好みの柔らか全身運動血統といえ、4戦して[1-3-0-0](勝ち鞍は芝1800)の成績を残して引退すると、当時サンデーサイレンスの唯一のライバルと言われたブライアンズタイムと交配されつづけ、マイネルチャールズ(弥生賞、皐月賞3着)、マイネルアワグラス(シリウスS)、そしてマイネヌーヴェル(フラワーC)と、中距離の重賞勝ち馬を3頭送り出して大成功しました
繁殖入りしたマイネヌーヴェルにも中距離のトップクラスの種牡馬が配されつづけ、ステイゴールドとの間にJRA5勝マイネルクラース、ディープインパクトとの間にJRA現役3勝マイネルミュトス、ハーツクライとの間にJRA現役3勝マイネルカイノンと、やはり中距離のスタミナ・持続力に富んだ仔を産みつづけています
ちなみにyoutubeにもあがってる伝説の動画、総帥の名調子を堪能できるクラブのツアーの馬見せのやつで、総帥が絶賛してるのはハーツクライ×マイネヌーヴェルのマイネルベルセルクなんですよね(古参会員に聞いてもメチャメチャいい馬やったが虚弱だったらしい)
ロージズインメイとマイネヌーヴェルの間に産まれたマイネテレジアはHail to Reason5×4など緩い父母相似配合で、デビュー3戦目に芝2000で勝ち上がり(負かしたリリエンタールはその後オープンまで出世)、しかしそこで屈腱炎を発症し引退
繁殖入りしたマイネテレジアにはステイゴールド、ゴールドシップ、オルフェーヴルとステイ系種牡馬が毎年配されており、現6歳のマイネルファンロン(父ステイゴールド)は函館記念2着などしぶとい先行馬として活躍中です
Mill Reefの孫娘を見初めて日本に連れてきて、一流の中距離種牡馬を代々配して、代々中距離血統の父母相似配合をつづけてきて、代々中距離のオープン級が出つづけて
ゴールドシップはPrincely Gift5×5のステイゴールド産駒、総帥が信じつづけてきたMill ReefとPrincely Giftに、総帥が辛酸をなめさせられつづけたHalo~サンデーサイレンスの血を取り込んで
誰が見てもオークス向きの持続力に富む中距離馬で、みんながオークスに出してやりたいと応援するけどこれがまた3着ばかりで、でも賞金1000万なら大丈夫みたいやと胸を撫でおろし、でも逃げ馬不在のスローじゃまた届かず3着かなあ…という3番人気
あなたが信じたMill ReefとPrincely Giftが、あなたが愛したマイネプリテンダーとマイネヌーヴェルが、あなたが導入したゴールドシップとロージズインメイが、あなたが思い描いたであろうしなやかな全身運動で、ついに東京2400でディープを差し切りましたよ
素敵な回顧をありがとうございます。
最近だと、キズナ豊のダービーとか、オジュウvsアップとか。
昨日のオークスもそんなレースになりました。
私がラフィアンで選んで出資したホワイトフォンテンの仔は、ダービー馬になったウイナーズサークルと一緒に走って2度3着があったものの秋の未勝利戦(当時は秋まで未勝利戦があった)でやっと勝利しました。私もクライムカイザーの仔に乗ればよかった?
私の最初の一口出資の年の話です。
そしてマイネルブレーヴの母母にはMolly Desmondの3/4同血の弟クラックマンナンがあり、おまけにTehranもあるというね
https://www.jbis.or.jp/horse/0000189383/pedigree/
総帥の眼鏡にかなった地味血統の馬は、何かこういう仕掛けあるよなあ…と当時は思ってました
ほかにも当時東京事務所長だった方のお薦めで募集価格500万のメジロイーグル産駒(父譲りの小兵ながらジワジワ出世して3年かけて重賞入着までたどり着きました)を一口持った方は、それがよかったのか悪かったのか、その後数奇な運命をたどることになったのです……。
ちなみにわたしの一口イースタンジョイ産駒はムチャ使いを被り(涙)
総帥は話を盛るのが得意だった(色々と)ので、盛りすぎて?ビッグマウスと言われていた事もありました。
先の話は、「これは何の仔ですか?」「ファインポートですよ」「いや母馬じゃなくて父は?」「父がファインポートですよ」という話にして会員にしゃべっていました(笑)
グランパズドリームがダービーで2着だった時、勝ったダイナガリバーが吉田善哉さん悲願のダービー初制覇でした。ダービー制覇という岡田繁幸の`夢`はいつ叶うのでしょう。