東京11R 優駿牝馬
◎2.ソウルスターリング
○14.リスグラシュー
△16.アドマイヤミヤビ
×6.ハローユニコーン
×7.ディアドラ
注4.ミスパンテール
注8.ホウオウパフューム
3歳牝馬はたしかに粒ぞろいだが、ソウルスターリングもリスグラシューもアドマイヤミヤビもマイラーではなく中距離馬だから、そこに一つ落とし穴があるのではないか、というのが桜花賞の予想の枕詞だった。ここは中距離馬としての素質と格で素直に◎○で。レーヌミノルとフローレスマジックは2400mに延びての上積みは他馬ほどないと思うので、オッズと睨み合わせれば無印でいきたい。
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今年のオークスは戸崎フローレスマジックが62秒ぐらいのスローで逃げたので、上がり4Fが11.6-11.3-11.2-11.6と速くなり、好位インから4角ではもう先頭に並びかけたソウルスターリングと、その直後のラチ沿いを進んだモズカッチャン、この1枠2頭が直線先頭に躍り出て、3着に追い込んだアドマイヤミヤビのミルコは「外枠が苦しかった」コメントしており、全体としては前有利イン有利の決着ではあったかなと思いますね
リスグラシューは-4キロの馬体重以上に腹下が巻き上がって見え、でももともとMill Reef的な体質脚質の馬なのでこれぐらいスリムなほうが持続戦で斬れ味を発揮できるかもしれない…と思い直したのですが、道中引っかかったのはギリギリまで絞りすぎた影響があったのか、直線ではちょっと窮屈なシーンもありました
ソウルスターリングとはこれで1勝3敗、上がり12.8の桜花賞で先着し、上がり12.2の阪神JFではよく追い上げたものの、上がり11.6のオークスや11.9のチューリップでは一騎打ちに持ち込めず、やっぱりMill Reef的なナタの斬れは上がり12秒戦でこそ映えるのかなあ…という気もします
ディープ産駒は馬群に沈み、直線ではハービンジャー産駒とハーツクライ産駒が内外から脚を伸ばしてきましたが、その前でFrankelの才媛が漆黒の馬体を躍動させていました
ソウルスターリングについては、「母系だけみてもミスエルテより奥行きや成長力は上で、3歳になっての成長が楽しみな中距離馬」「父はパワー突進型だが、ドイツ血統特有のしなやかな体質で、脚捌きはTom Fool的で好位自在」と2歳時から書いてきました
そういう中距離馬としての高い資質を表現したかったので、桜花賞の一言コメントでは“Tom Foolドイツ”と評したのです
「お母さんは2400mはちょっと長かった。それだけが少し心配…」というのは、スタセリタとのコンビで仏オークス(2100m)とヴェルメイユ賞(2400m)を勝ったルメールならではのコメント
ドイツ血統特有の黒光りするしなやかな体質で体型に伸びもあり、そして走らせるとTom Fool的な脚捌きで好位自在に立ち回れる脚質、母ちゃんで仏オークスを勝った人が母ちゃんと比較したくなるほどには母ちゃんに似た馬なのだと思います(ちなみにスタセリタの仏オークスは番手抜け出しでの勝利)
スローペースで上がりだけの競馬になると、スタミナや持続力を問われず瞬発力ダッシュ力だけの勝負になる、というのはたしかにそういう面はあるのですが、たとえばマイル戦においてはHペースになるほどマイラーとしてのスピードや追走力が問われるので中距離馬は苦しくなるわけで
阪神JF:58.8-35.2(良)
チューリップ賞:58.6-34.6(良)
桜花賞:58.3-36.2(稍)
ザックリした比較ですが、馬場差も考慮すると最もペースに緩みがなかったのが桜花賞で、もちろん渋った馬場の巧拙も大きかったのですが、マイラーとしての追走力が問われるレースでソウルスターリングは直線苦しくなって手前を替えまくり、アドマイヤミヤビは最後方で追走に苦しんだ、これは実に中距離馬らしい負け方やったと思うんですよね
レーヌミノルはもちろん渋った馬場も上手なのだけど、あのペースをうなりながら追走して抜け出すというのはやっぱりマイラーらしい勝ち方だったわけで、今年の桜花賞にはタレントが揃ったけれど、一流のマイラーはレーヌミノルしかいなかったとも言える
2年ほど前に「海外のセールで繁殖を買うので、自身と産駒の配合を吟味してほしい」というオーダーがあって、いただいたリストが全てFrankelの種を宿した繁殖やったんですが、お腹に入ってる仔のほとんどがSadler's Wellsかデインヒルかもしくは両方のクロスを持っていて、「そら欧州のトップクラスの繁殖にFrankel付けたら、だいたいどっちかのクロスになるよなあ…」
Sadler's Wellsとデインヒルというここ30年ぐらいの世界の競馬をけん引してきたNorthern Dancer系の大種牡馬同士の配合で、当然Northern Dancerのクロス3×4を持ち、2010年代最強の名馬に数えられるFrankel
そしてNorthern DancerもMr.ProspectorもNasrullahもTurn-toも持たず、Kaiserkrone=Kaiseradler4×4とArjaman≒Alchimist≒Aditi5・6・7×5・6・7・7・8というドイツ土着血脈で固めたドイツの名種牡馬Monsun
最強馬Frankelの初年度の代表産駒がMunsunの肌から生まれたというのは、配合史的には実に順当な結果といえます
ちなみにノヴェリストやエイシンフラッシュなどドイツ血脈を引く馬が真っ黒なのは、Alchimist(blk)≒Aditi(dkb/br)≒Arjaman(blk/br)、ドイツのDark Ronald三銃士がみんな黒いからという説が有力でしょう
┌Dark Ronald
┌Herold
Alchimist
└Aversion
┌Dark Ronald
Aditi
└Aversion
┌Dark Ronald
┌Herold
Arjaman
└Aditja
└Aversion
そもそもFrankel自身も、GalileoにおけるAllegretta、KindにおけるRockfestと、血統表の中に確たる1/4異系を持つ父母から生まれているわけです
流行血脈や主流系統の血を重ねるだけでなく、MonsunやAllegrettaやRockfestのようなそこから外れた良質のアウトサイダー血脈を血統表の1/4に取り込みつづけなければならない、というのが配合史的なセオリーで、日本の大リーディングブリーダーがドイツやオセアニアや南米のオークス馬を片っ端から買ってくるのも大局観としてはそういうことなのです
ソウルスターリングは配合的にもまだまだ強くなるだろうし、古馬になって、母になって、Monsunのような血を取り込んで掴みとった夢は無限大に広がっていく
アエロリットあたりとの対決を秋華賞で見たかったですが、やはり天皇賞に向かうんでしょうかね。
もう一頭、レーヌミノルの秋の動向も気になるところです。
牝馬に出てFrankel×Monsun×ダンスインザムードなんて実現していたらどうなっていたのか…。
時を経て、現2歳がノヴェリスト×ダンスインザムードですか。
母父馬Monsunの場合
着別度数10- 4- 3- 4/ 21
勝率47.6%
連対率66.7%
複勝率81.0%
単勝回収値155
複勝回収値128
何かあるんでしょうね。
6頭のうち5頭で勝ち鞍をあげているし、オーシャンブルーもノーブルジュエリーもタイキプレミアムもベストパフォーマンスを発揮させているといっても過言ではない
やっぱり基本的にはIrish RiverとかShirley Heights~Darshaanとかでジンワリ差すのが上手なんやと思いますよ
ところで名前って面白いですね。
黒いから名前に「ダーク」をつけたんでしょうけどまさかここまで色が遺伝するとは当時は思ってもみなかったでしょう。
ミルジョージが母母父でも
ルメールは
3-2-2-0-0-3/10でした。
少々騎乗回数が少ないですが。
Mill Reef系が母系に入ると冴えるんでしょうか。
もう少し色々データを集めて包括的に結論付けした方がいいような気もしますぅ~