■『ディープインパクト好配合リスト(2015)』で望田潤と栗山求がダブル推奨したサトノダイヤモンド(牡3歳)が日曜阪神11R神戸新聞杯(G2・芝2400m)を勝ちました。
◎サトノダイヤモンド(牡・母マルペンサ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106101/
母マルペンサはR.V.マンシリャ大賞典(亜G1・芝2000m)勝ち馬で、Halo4×3、Northern Dancer4×4、Natalma4・5×5、血統表の3/4でAlmahmoudの血を何重にもクロスしている。自身はHalo≒Sir Ivor3・5×4・5。母父Orpenは名マイラー Lure の代表産駒でモルニ賞(仏G1・芝1200m)勝ち。中距離で奥行きがあるかとなると疑問もあるが、速攻系マイラーとして有望でPOG向きだ。(望田)
★サトノダイヤモンド(牡・母マルペンサ)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2013106101/
セレクトセール当歳で落札価格2億3000万円。母マルペンサはアルゼンチン産で、コパデプラタ大賞(亜G1・芝2000m)、クリアドレス大賞(亜G1・ダ2000m)、ヒルベルトレレナ大賞(亜G1・ダ2000m)を制覇。Northern Dancer4×4の片方がDanzigを経ているという好パターン。母の父Orpenはデインヒルと配合構成が似ており、その父LureはBertolini(ジェンティルドンナの母の父)と同じDanzig×Alydarという組み合わせ。初子だけに手探りの部分もあるが、まともなら走ってくる。(栗山)
■『ディープインパクト好配合リスト(2016)』で望田潤と栗山求がダブル推奨したムーヴザワールド(牡2歳)が日曜阪神5R新馬戦戦(芝1800m)を勝ち上がりました。
◎ムーヴザワールド(牡、リッスン)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106212/
タッチングスピーチの全弟。母リッスンはフィリーズマイル(英G1・芝8F)勝ち馬。リッスンの全姉SequoyahはモイグレアスタッドS(愛G1・芝7F)に勝ち英愛2000ギニーのHenrythenavigatorを産んだ。名牝系に代々一流種牡馬がかけられ、しかも代々好配合というピカピカの良血だ。母父Sadler's Wellsだからこれも完成は遅めかもしれないが、姉よりも母方のマイラーっぽさが出たように見える。そこに期待した。(望田)
○ムーヴザワールド(牡・母リッスン)
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2014106212/
サンデーサラブレッドクラブで募集価格1億5000万円。タッチングスピーチ(ローズS、エリザベス女王杯-3着)の全弟で、母はフィリーズマイル(英G1・芝8F)の勝ち馬。その全姉にモイグレアスタッドS(愛G1・芝7F)を勝ったSequoyah、血統構成がまったく同じ馬(父が同じで母同士が全姉妹)にオペラ賞(仏G2・芝1850m)を勝ったInsight、本邦輸入種牡馬サフロンウォルデンがいる。母は文句なしの良血だ。「ディープ+Sadler's Wells」はMr.Prospectorのサポートが重要。本馬はこのパターンに合致していないものの、Mr.Prospectorの父Raise a Nativeは持っており、母方の奥にスピード豊かなアメリカ血統が詰め込まれているので、Sadler's Wellsの重さを解消している。おそらく完成は遅めだろうと思われるのでPOG向きとはいえない面もあるが、配合的なポテンシャルの高さからスルーするわけにはいかない。(栗山)
■『一口馬主好配合馬ピックアップ(2015)』で望田潤が推奨したガウディウム(牡2歳)が土曜阪神2Rの未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がりました。
★キャロットクラブ
父ハービンジャー
母パーフェクトジョイ(ステイゴールド)
http://db.netkeiba.com/horse/2014106072/
牡 募集価格:2400万円
アルアランの甥。以前に私のブログ記事でも書いたのですが、母系にディクタスを引くハービンジャー産駒はこれまで4頭が出走してベルーフ、ウインティアラ、カゼルタの3頭が勝ち馬、残りのヒットリターンキーも先日の新馬戦でロスの多い競馬ながら3着に追い込んでおり、今のところ高確率で成功している配合パターンといえます。これにはちゃんと根拠があり、ハービンジャーの母父Beringの母母Barbraがディクタスの母Doronicとニアリーな関係(Le Fabuleux≒WordenとDomenico Ghirlandio=Donatelloが共通)で、つまりBarbra≒Doronicのニアリークロスが派生するのです。ステイゴールドとデインヒルの組み合わせといえばフェノーメノやナカヤマフェスタなどが出たニックスでもありますから、ハービンジャー×ステイゴールドには今後も大いに注目でしょう。本馬は細身でフレンチな斬れを武器とした母パーフェクトジョイ(全5勝が外回り1800m)の影響も強い体型体質で、ハービンジャー産駒ながらエトランドルのようにストライドで走るタイプ。それほど俊敏ではないですが、ナスキロ的かつWild Risk的な持続力ある末脚で東京2400mを追い込んでくる姿が目に浮かびます。(望田)
■木曜大井11R東京盃(JpnG2)3着 プラチナグロース(一口・栗山)
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タッチングスピーチは一昨年のPOGのイチオシでしたが、3歳春の時点ではあまりにも未完成で、「もう母父中距離型(Sadler's Wells)のディープ産駒はPOGでは推しまへん!」とまで書いてしまったほど(^ ^;)
ただムーヴザワールドは、推奨コメントにも書いたようにサドラー丸出しの姉とはかなり異なる馬体をしていて、これなら3歳春にマイル寄りのレースで斬れるかもしれない、と思いなおしたのです
Burghclereのニアリークロスを持たないディープ牡駒ですから、むしろ2400mのスタミナには不安がある配合で、でも逆にいうと姉ほど重々しいタイプではないだろうという読みはできたし、当日のパドックを見ても、これなら外1800ベストかもしれないと、少なくとも1800のスローなら姉より斬れるだろうとブログでコメントしておきました
「ディープインパクト産駒におけるセックスバイアス配合論」というテーマで最近あれこれ書いていますが、ディープ×リッスンの場合はおそらく牡のほうが母方のマイラーっぽさが出る可能性は高く(ちなみにリッスンもSequoyahもサフロンウォルデンも7~8FのG1勝ち)、Burghclereのニアリークロスを持つウリウリ=マカヒキ姉弟やホクラニミサ=ディーマジェスティ姉弟とは逆の現象といえるのではないかと
そういえばセレクトで溜息を漏らしながら見た全兄New World Powerも、タッチングスピーチというよりはムーヴザワールドに似たラインで、向こうで3戦して勝てないのはあのしなやかすぎる体質が欧州の芝と合わないんかなあ…と思ってたんですが、今のとこ中距離使ってますがあれもマイラーなのかもしれないですね
ということでムーヴザワールドについては、ダノンシャークをパワー寄りにしたようなイメージですかね、第一印象としては
この新馬戦は頭数は少ないし2場開催でパドックを何周もやってくれるので全馬をジックリ見ることができ、だいたいのことはコメント欄で書いたんですが、エアウィンザーはエアスピネルよりはキンカメ似で体型に伸びはあるけれどアイドリーム牝系特有のBold Ruler小脚を使うのは同じで、残り400~200mの最速ラップのところでの脚の回転は図抜けてましたが、でもスピネルほどマイラーっぽい加速ではないかな
ナイトバナレットは最後の急坂でフラフラしてましたが、母系にWise Exchangeが入ってPromised Landをクロスするのでディープブリランテ産駒にしてはしなやかに斬れるイメージやと書いたし、アドミラブルはディープ×Roberto×グレースアドマイヤでBurghclereのニアリークロスの男馬ですから、これはディーマジェスティをより緩慢にしたような中長距離馬で、1800のスローよりは2200の持続戦に向いた馬に見えました
ガウディウムはハービンジャー×ディクタスでBarbra≒Doronicのニアリークロスを狙いすましたピックでしたが、デビュー戦は見た目に仕上がったから一度使ってみようというぐらいの感じだったし、一息入れて今回はパドックでの体つきが全然違いました
母系にディクタスとサンデーとMill Reefが入るのでカゼルタと似た配合なのですが、募集時からあまりハービンジャーっぽくない体質で、ピックしたときのコメントでも書いたように、この馬はわりと母パーフェクトジョイに似た体質脚質で、母は全勝ち鞍5勝を外1800mであげています(阪神外1800の大阪城Sで3着)
渾身の仕上げにルメールを配したことに驚きでしたが、「ナスキロ的~」という部分がピッタリの末脚だったことにも驚きでした!
この時期に勝ち上がれたことで色々と長く楽しめそうです。
ありがとうございました!
父系と母系のバランスですが、スタミナに関しては父<母が多い。
ミトコンドリアがこの距離適正において非常に大切なポイントです。
馬に限らず、生物が受精する際に、精子へ入っているミトコンドリアのDNAは受精と同時に切り落とされてしまいます。
受精卵のあるミトコンドリアの設計図は繁殖牝馬の物が基本となるわけです。
父からのスタミナの遺伝性は引きにくいのです。
サラブレッドの競走体系における距離適性とは、心肺機能だけでなく骨格や体質やフォームや気性によって決定されるわけで、いつも言うようにベスト距離とは「馬ナリで最も走りやすい距離」にすぎないわけで
いずれにしても、サラブレッドの配合において「母が大事」ということは動かしがたいのですが
でしたっけ?
単純な意味でのスピード・スタミナじゃないんでしょうけど~
広島の名スカウトの視点 「大事なのは母と祖母の運動神経」
http://www.news-postseven.com/archives/20160922_449134.html
それならば毎年2400メートル以上のリーディングがハーツとステゴ辺りで決まったり、天皇賞がハーツやステゴ買っておけばOKにはならないと思います
サクラバクシンオーの母がアンバーシャダイの妹?なのに短距離なのも性格や走り方などの影響な気がします