栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

「重賞レース血統診断」チャンピオンズC、ステイヤーズS、チャレンジC

2018-11-26 09:17:19 | 血統予想

NETKEIBAさんにて「重賞レース血統診断」と題して、基本的にはG1は全出走予定馬、G2G3は上位人気が予想される5頭の血統解説を書いています(毎週日曜夜更新)


https://news.netkeiba.com/?pid=column_view&cid=41820

今週はチャンピオンズC、ステイヤーズS、チャレンジCを書いていますので、よろしければご一読ください。よろしくお願いします

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第38回ジャパンC回顧~Specialな3/4同血クロスの破壊力(2)

2018-11-26 08:38:38 | 血統予想

東京11R ジャパンC
◎9.シュヴァルグラン
○3.サトノダイヤモンド
▲1.アーモンドアイ
△11.スワーヴリチャード
×4.サトノクラウン
注8.キセキ
注10.ガンコ
キセキの逃げは前半速いというより全体に緩みがない。一瞬の速い脚はないが持続力あるストライドを活かそうという鞍上の意識を感じる。JCは牝馬の斬れが強いレースだが、17年や14年のように緩みないペースで流れると男馬が上位独占しており、シュヴァルグランにジャスタウェイとトニービンの血を引く馬が連対している。ここも川田がトニービンのゾーンのレースにするとみて印を決めた。
スワーヴの巻き返しももちろん期待しているが、この馬はピラミマの仔だから2000ベストというのが私の考え。2400なら◎シュヴァルグランでいくのが一番筋が通っている。サトノダイヤモンドはフランス遠征以降では今回の追い切りが一番よく見えるが、持続戦の穴はサトノクラウンとガンコに決まっている。

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例によって1~3着の血統については、NETKEIBAの全頭血統解説より再掲します

アーモンドアイ
母フサイチパンドラはエリザベス女王杯勝ち。3代母Sex AppealはEl Gran Senorやトライマイベストを産んだ名繁殖。本馬はトライマイベスト≒ロッタレースの3/4同血クロス5×2を持ち、父のしなやかさと母のパワーを足して割ったような体質がとにかく絶妙だ。だんだんマイラーっぽい肉付きになってきたようにも見え、ベスト距離は1800~2000mだろうが、京都内回りよりは東京のほうが間違いなく差しやすい。JCは牝馬が強いレースでもある。(距離○スピード◎底力○コース◎)

キセキ
母母ロンドンブリッジはファンタジーSに勝ち桜花賞2着。繁殖としてもダイワエルシエーロやグレーターロンドンなどを産み優秀。天皇賞と毎日王冠では積極策で3着に踏ん張ってみせた。これで東京と外回りでは[3-1-3-1]で、父ルーラーシップ似の長手体型と重厚ストライドは大箱向き。距離が2400mに延びるのは歓迎だし、ここもあまりペースを緩めず、後続に脚を使わせる先行でいきたい。(距離◎スピード○底力○コース◎)

スワーヴリチャード
バンドワゴンの下で、母父Unbridled's Songはトーホウジャッカルやダノンプラチナの母父。ハーツの男馬らしい成長曲線を辿り、早期から素質を見せつつ古馬になって本格化。後駆がパンとして先行したり早めにスパートできるようになった。「父スタミナ×母スピード」だから先行前受けが理想。母母キャリアコレクションはBCJフィリーズ2着のマイラーで、2400mもOKだがベストは2000mとみる。(距離○スピード○底力◎コース◎)

毎日王冠から復活したキセキと川田のコンビは、走るたびにお互いの理解を深め合ってきて、秋天の逃げも素晴らしかったけれど、ここでもっと凄い逃げが見られるんじゃないか…という期待は膨らむ一方でした

キセキの持ち味を全開させるようなレースを川田がつくりあげるとすれば、同じような持ち味の馬たち、トニービンの血を引く男馬たちの持続力がモノを言うようなゾーンのレースになるのでは…というところが私の着地点

それだけにクレバーさんや石塚さんがミッキースワローの追い切りを絶賛していたのは気持ち悪かったし、案の定パドックでも凄い体で周回していたので、トニービン馬券に追加したくて仕方なかったのですが前日予想で無印なので自重しました(^ ^;)

2着がルーラーシップ、3着4着がハーツクライ、5着が母父ジャングルポケット、魂の逃げでトニービンの男馬がHyperionを振り絞れるゾーンに持ち込んで、トニービンが2~5着を独占したのに、それらを寄せつけず驚異的な時計で2400mを駆け抜けていった天才少女

「トニービンのゾーンのレース」と書きましたが、ゴール前でHyperionを振り絞るようなレースになればなるほど、ポジションが前にいるほうが先着するのは当然です

またこれだけ時計が速いと追走能力で振り落とされていくので、12Fが最も得意という馬は4角でHyperionを振り絞れるポジションにいられないし、追走で疲弊してしまうという面もあったでしょう

だから2400ベストの馬よりも、秋華賞や秋天や大阪杯で勝ち負けできる2000>2400の馬のゾーンのレースでもあったかと(私もシュヴァルグランがスーパークリークに見えました…)

いずれにしても血統屋が血統で予想しうる範ちゅうのレースというのは、ふつうの常識の範ちゅうのG1ということですから、「なのにの名馬」はいつだって、そのゾーンを超越して歴史に名を刻んでいく

アーモンドアイの配合については何度も書いてきたし、先週ステルヴィオがマイルCSを勝ったときと同じような話にもなるのですが、発売中の『サラブレ』12月号でも「キングカメハメハ系の配合のセオリーとは~アーモンドアイとステルヴィオのド鉄板配合を見よ!」と題して書かせてもらってます

第35回マイルCS回顧~Specialな3/4同血クロスの破壊力
https://blog.goo.ne.jp/nas-quillo/e/0f1cd7962dcd18462f5b72f9b5f5e0dd








というわけで簡単にまとめると

・アーモンドアイはトライマイベスト≒ロッタレースの3/4同血クロス5×2
・レディブラッサムはSecretariat=Syrian Seaの全きょうだいクロス3×4
・キングカメハメハもロードカナロアもアーモンドアイも、血統表の3/4でNorthern Dancerの血をクロスし、1/4だけはNorthern Dancerの血が入らない「3/4Northern Dancerクロス」

┌Northern Dancer
トライマイベスト
└Sex Appeal

 ┌Northern Dancer
┌○
ロッタレース
└Sex Appeal

「全きょうだいクロスと3/4同血クロス」「緊張と緩和」、配合史的視点で語るのならば、これで必要十分であり満点です

コメント (8)
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