栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

先週のかんたん重賞回顧まとめて

2018-11-06 17:38:16 | 血統予想

キャロ会報の恒例の特集(今年はモンズン三輪との共作です)とサラブレ次号の原稿が重なっていて、ちょっと多忙なので回顧はサラリと…勝ち馬の血統についてはNETKEIBAの「重賞レース血統診断」より再掲です

京都11R JBCクラシック
◎8.ケイティブレイブ
○12.アポロケンタッキー
▲10.テイエムジンソク
△4.サンライズソア
ケイティブレイブの父アドマイヤマックスは6歳時に本格化し初G1制覇。母父サクラローレルは5歳時に本格化し初G1制覇。本馬も5歳を迎えて晩成の血が騒ぎ出しまさに充実期を迎えている。ちょうどそのタイミングで腕利き杉山厩舎に転厩したのもよかったか。ここ3戦を見てのとおり、中距離で好位差しならばまず崩れは考えにくい。平坦で軽い京都ダートはボールドルーラーのクロス馬が強いので、相手にはアポロケンタッキーとサンライズソアを指名。テイエムジンソクは大事に乗りすぎてこの馬の持ち味を出し切れていないレースがつづくが、緩みなく平均ペースで流れたほうが強い馬だ。

ケイティブレイブ
マイネルフォーグの甥でマイネルブルックやケイティラブのイトコ。Northern DancerやHalo≒Red Godなどをクロスする父母相似配合で、父アドマイヤマックス(高松宮記念)よりは母父サクラローレル(有馬記念,春天)の影響が強い中距離馬だ。父は6歳時に、母父は5歳時に初G1制覇を果たしたが、本馬も5歳を迎え今まさに充実期。中距離で先行ならば崩れるシーンは考えづらい。(距離◎スピード○底力◎コース○)




京都10R JBCスプリント
◎5.マテラスカイ
○6.グレイスフルリープ
▲2.ニシケンモノノフ
△1.ネロ
東京盃の再戦とみるが、マテラスカイはスパイツタウン産駒で「ボールドルーラーとプリンスキロ」の組み合わせを4つ持つ。いかにも京都ダート向きの血統だし、1分10秒ぐらいの高速決着ならスピードで圧倒できるだろう。逆にキタサンミカヅキは時計が一つ以上速くなると差しにくいか。外差しに回ったときのニシケンモノノフが大穴。

グレイスフルリープ
近親に目立った活躍馬はいないが、母ラビットフットはSeeking the Gold×Believe ItでBuckpasser3×4という典型的な北米ダート血統。ゴールドアリュール譲りの揉まれ弱さやSeeking the Gold譲りの単調さがあり、ダ1200~1400mで逃げたときは[7-2-1-3]。逃げ切りか、揉まれず4角先頭が勝ちパターンだ。速い馬が揃うここでそんな競馬ができるかどうかだろう。(距離○スピード◎底力○コース◎)




東京11R 京王杯2歳S
◎5.アウィルアウェイ
○1.ファンタジスト
▲7.アスターペガサス
ここは実質3頭立てだろう。アウィルアウェイはアウトサイダー血脈の名繁殖トキオリアリティーの孫で、ここを1/4異系とする「3/4Northern Dancerクロス」の配合形がまず素晴らしい。母方の影響が強い短距離体型で距離は1400mがベスト。ファンタジストはゴリゴリのスプリンターではなく、小倉1200より東京1400のほうが競馬はしやすいだろう。アスターペガサスは母がフォーティナイナー3×3。早熟な北米血統で完成度がまず高い。ストームキャットやミスプロの柔らかさもある走りなので、東京1400でも追って味がありそうだ。

ファンタジスト
ラカナダS(米G2・ダ9F)のFleet LadyやBCジュヴェナイルのMidshipmanなどが出る牝系。ロードカナロア×ディープインパクトはアルモニカやサラドリームなどと同じで、脚長でしなやかで細身でやや非力なタイプが出やすい配合だが、本馬はデインヒル×Robertoの母母マーズプリンセスからパワーも補っているのがポイント。とはいってもゴリゴリのスプリンターではなく、小倉1200より東京1400のほうが競馬はしやすいだろう。(距離◎スピード○底力○コース◎)




京都11R ファンタジーS
◎9.レッドベレーザ
○4.ダノンファンタジー
▲8.エレナレジーナ
△1.ベルスール
レッドベレーザはディープインパクト×ゴーンウエスト系だからケイアイノーテックやショウナンアデラなどと同じで、ナスキロ柔いストライドで走るので大箱向きマイラーに出やすい配合といえる。新馬の勝ち方も垢抜けていたが、外回りに替わって更に斬れ味を増すだろう。外差しが決まる馬場だし、Cデムならこちらを◎としたい。レーヴドカナロアも斬れる血統だがこれは1800ぐらいの馬ではないか。

ダノンファンタジー
母ライフフォーセールはブエノスアイレス州大賞典(亜G1・ダ2200m)とセレクシオンデポトランカス(亜G1・ダ2000m)に勝った。母母父SKi Champはスキーパラダイスの半兄。母系に入るマイラー血脈の影響も強い体型で、Sir Gaylordの継続クロスのディープ産駒だから体質は柔らかい。デビュー戦がグランアレグリアの2着で、なるほど大箱マイルが最も合っていそうな馬だ。(距離○スピード○底力○コース◎)



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2歳時に東スポ杯を勝ち、5歳時に富士Sを勝ち、6歳を迎えてついに頑強スプリンターに完成し高松宮に勝ったアドマイヤマックス、未完の大器と言われつづけて5歳時についに覚醒、初重賞制覇から春天と有馬までぶっこ抜いてしまったサクラローレル
この2頭の成長曲線を目の当たりにしていたオヤジたちは、ケイティブレイブの本格化に安心して乗っかれたんじゃないかと思いますよ(それぐらい2頭の面影が感じられる馬です)
でもね、当日スタンドから見た返し馬でまず目についたのはテイエムジンソクで、あの凄いアクションを見るとやっぱりエンジンはこれが一番やと思わされます

京王杯は63秒でいって22秒で上がるという恐ろしい1400戦になってしまいましたが、こんなレースになったら1,2着馬が回転の速さで抜け出してしまうことは馬柱や参考レースを見れば明らかなのに、みんなドスローにしたほうが何かが起こると思ってるのか、そもそも何かを起こす気がないのかどっちなんでしょうか
アウィルアウェイは飲み屋POGの主力選手なのでこのハナ差は痛恨ですが、でもトキオリアリティー系娘らしいピッチで走るので、東京ならばむしろスローのほうが追い込みやすいタイプではあるかと
ファンタジストは血統どおりロードカナロア×フィエロというイメージ、1400寄りマイラーというイメージでいいんじゃないですかね

AR共和国杯もラップを見ると溜息が出るようなドスロー上がり3F特化で、だいたいAR共和国杯や目黒記念に出てくるような馬はスタミナや持続力で出世してきたような中長距離馬が多いはずなのに、みんながみんなスタミナを温存して直線まで脚をタメて追い出すことしか頭にないんやなあ…と
レース上がりが33.3、出走12頭中半数の6頭が32秒台で上がってますが、上がり32秒台を出して勝ってきた馬なんて一頭もいないのにね

パフォーマプロミス
シルクプリマドンナの甥でフラムドグロワールのイトコ。母父タニノギムレットはブライアンズタイム産駒のダービー馬。母系にRobertoの血を引くステイゴールド産駒にはゴールドシップ、ステイフーリッシュ、グランシルク、マイネルミラノなどがいる。ステイゴールドらしい機動力に加え、タニノギムレットの斬れ味も受け継いで弱点が少なくどこでも好走するのが取り柄だ。(距離○スピード○底力○コース○)





というわけで24頭のレースや血統表を見る時間がとても取れないので、メルボルンは観戦にとどめようと思ってたんですが、今マロニー厩舎にいて豪州競馬に精通しておられる中村純一さん(クレバーさんと仲良しで、以前オジオコでいっしょに飲みました)がアプリンスオブアランを買うというのでJRA-VANの栗山解説を見に行ったら、おおそうや忘れてた、メルボルンはMonsunやった!しかもこれ典型的な「1/4Monsun,3/4Northern Dancerクロス」で配合もカッチョイイやんか!ということでブログのコメント欄に書いておきました(・∀・)
https://world.jra-van.jp/column/C0000184/


まあまあそんなわけでね、たとえ出走24頭のうち23頭の評価が当たっていても1頭評価を間違うだけで外れてしまうのでが馬券ですが、24頭のうち1頭の血統表を見ただけで当たってしまうことがあるのも馬券なんですよね

コメント (10)
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