栗山求/望田潤監修「パーフェクト種牡馬辞典2024-2025」

第51回函館記念回顧~サンライズペガサスなんじゃあああっ!飛節がBull Leaなんじゃあああっ!

2015-07-19 17:10:12 | 血統予想

函館11R 函館記念
◎7.ラブイズブーシェ
○5.ダービーフィズ
▲1.ヤマカツエース
△4.エックスマーク
△11.エアソミュール
×13.レッドレイヴン
×16.マイネルミラノ
注12.デウスウルト
注14.ヴァーゲンザイル
ラブイズブーシェはマンハッタンカフェ×メジロマックイーンという字面どおりのステイヤーにみえるので、ダイヤモンドSで◎にしたら謎の大敗。レース後に田辺は「距離が長いかもしれない」とコメントしていたが、目黒記念のしぶとい内容からしてもあんなに負けるのは合点がいかない。とにかく今年の金杯から見せ場もない凡走つづきで、一方で6~8月は[3.2.2.2]、着外2回は札幌記念(4着と10着)だから、おそらく根は夏馬で、厳寒期は調子が上がらないタイプなのだろう。今週の追い切りはいい動きで、一息入れて復調してきたのが手にとるようにわかる。昨年から1キロ増の57ならば連覇十分とみた。相手は絞れないので馬連で平たく流すが、イン伸びが目立つBコースだから内枠重視の配分で。

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今年の函館記念は丹内マイネルミラノが緩めず逃げて58.6-60.5の前傾ペース、しかし外を回した差し追い込み勢は勝負どころでも前との差がなかなか詰まらず、内枠から先行したハギノハイブリッドを内々を進出したダービーフィズがアタマ差差し切ったところがゴール

函館芝は今週からBコースで内がいいというのはあるのですが、これだけ緩みなく流れるとエアソミュールやレッドレイヴンなどもジワジワとスタミナを殺がれていたというべきで、ビュンと捲る脚を使える余力はなかったし、一方ヤマカツエースは完ぺきに運んだけれどさすがに1800mがベスト(と私はみている)だけに最後苦しくなりました

父がジャングルポケットで母がマンハッタンカフェの全妹というスタミナの裏付け十分のダービーフィズにとっては、叩き合いで粘りや持続力を十二分に発揮できるレースになったというべきで、しかしいつもは東京2400mでジワジワ差してくるこの馬を、ラチ沿いを押し上げていって叩いて動かしてもってくるのはさすが岩田
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2010103940/

全姉アプリコットフィズ(クイーンS、クイーンC)は女馬らしい繊細な性格で古馬になってからは主にマイル路線で活躍しましたが、このサトルチェンジの牝系はマンハッタンカフェ、クレスコグランド、ミッキースマホ、エアペイシェンスなど牡は重厚な中距離馬が出ていて、ダービーフィズもここへきてジワジワと本格化を辿ってきたので、そうか目黒記念ぐらい勝つかもしれんなあ~と前走は○にしてみたんですが、ここで勝ちきりましたか

ジャングルポケット×サンデーサイレンスはアヴェンチュラ=トールポピー=フサイチホウオーきょうだい、ジャガーメイル、ダイワファルコン、そして08年の函館記念を制したトーセンキャプテンや、このレースで人気を集めたエアソミュールなどと同じ

ジャングルポケットはHyperion4・6・6×6・6・7・7・7・8で、ゴール前の叩き合いは文字通りHyperionを振り絞っての勝利でしたが、つまるところHyperionを振り絞れるポジションに4角でいたことが勝因なわけで、今まで蛯名も勝春もこんなレースをさせたことはなかったのですから、繰り返しになりますがそこを動かしてきた岩田はさすが

ハギノハイブリッドは菊花賞で○にしたようにRobertoステイヤー説を採ってきましたが、これがまあ大きな間違いだったと今日やっと気づかされました

スティンガーやアーバニティなどが出るレガシーオブストレングスの牝系で、更にさかのぼるとAlydarの3代母Real Delightに辿り着きますが、このReal DelightがRobertoの母母Rareleaと3/4同血
http://db.netkeiba.com/horse/ped/2011104344/

Roberto
└△┌Bull Lea
 └Rarelea
  │┌Blue Larkspur
  └△

┌Bull Lea
Real Delight
│┌Blue Larkspur
└△

つまりハギノハイブリッドはRarelea≒Real Delightの3/4同血クロスを持つわけですが、改めて馬体を見たらこれぞRoberto+AlydarというBull Lea的曲飛節をしてるんですね

「望田はステイヤーや言うてるけど、俺はRobertoとAlydarなんじゃあああっ! 飛節がBull Leaなんじゃあああっ! 内回りを捲る中距離馬なんじゃあああっ!」と4角で唸っているのをみたときに、ああそうか大失敗や…実はお前はサンライズペガサス(母がブライアンズタイム×AlydarのBull Lea飛節)やったのね…と全身から力が抜けていきました(^ ^;)

〈Bull Leaは母系に入って短い膝下と曲飛をよく伝え、AlydarもRobertoも後駆のつくりはBull Leaの影響大と私はみていますが、だから母がRoberto×Alydarのサンライズペガサスなんて大阪杯をBull Leaで捲るために生まれてきたような馬なのです〉(望田潤bot)

〈ブライトラインは前走と同じ轍は踏まない外捲り…というより、祐一が外に出したら馬がうなりながら勝手に捲ってしまったという感じ。何てうなってるのか耳を澄ましてみると、「こないだは前カベでうなれへんかったけど、俺は捲りの馬なんじゃあああっ! 母母父がAlydarなんじゃあああっ! トモがBull Leaなんじゃあああっ!」とやっぱりうなってました(・∀・)〉(13年みやこS回顧)

ちなみに母系にAlydarを引くタニノギムレット産駒の獲得賞金ベスト3はマイネルギブソン、キンセイポラリス、エアラーテル、まあやっぱりAlydar捲りのイメージですな

ラブイズブーシェは夏馬らしく追い切りの動きに復調が感じられたんですが、馬主のコパさんのツイッターによると「後ろ足踏まれて怪我and落鉄」とのこと

エアソミュールは位置取りの差そのままの4着という結果でしたが、ミルコはけっこうスタートで安目を売るので、函館や福島だといつもにもまして大味な競馬になりがちで、それはこの人の長所でも短所でもあり、まあ派手なエラーもやらかすけどそれをホームランで取り返す、というキャラですから(・∀・)

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日曜のボツ予想(2)~中京芝のチチカス、中京ダのA.P.Indy

2015-07-19 10:17:37 | 血統予想

バーデンバーデンは難しいですが、カハラビスティーが1人気ならば、現在単勝26倍の◎ニザエモンがこれのハナを叩くほうに賭けてみようかなと
昨夏のTVhの前半33.1は函館としてはなかなか速く(こないだの超Hペース前崩れの函館SSが33.0-35.3)、特に2F目の10.2は速いので、大先生が外枠でもハナは譲らんぞという決意で気合いをつけていけば二の脚はこちらが上ではないかと思うし、芝1200mで4角先頭なら[2.0.1.0]
In RealityとTom Rolfeとノーザンテーストのパワーで走るスプリンターで、体質的にも夏場は良さそうなタイプでもあります

マカオJCTも難しいですが、◎タガノビーンズは未勝利勝ちがエイシンソルティーを寄せつけず逃げ切り勝ち、3走前の2勝目は直線で外に持ち出したら突然伸びはじめて差し切り、明らかにチチカス産駒特有のAureole魂が感じられるレースぶり
チチカス産駒は中京芝では単複回値100超と相変わらず好調、鞍上は外伸び中京の後出し名人、なかなかの穴人気ですが買うならここからですかね~

シンガポールターフはキングストーンもトーセンデュークもどちらかといえばピッチで走るタイプで根は内回り向き、アトムは中京2000mで馬場が渋ると1800mベストと思われるだけに信用できず、渋った馬場が巧い▲ハドソンヤードの逃げ切り狙いでもいいんですがここはバンザイが譲らない可能性がある
◎タカノハーバーは母がバブルガムフェロー×トニービン×ノーザンテーストでそこにシンボリクリスエス、胴長でストライドで走るのですが動きは緩慢でしかしHyperion的なしつこさはあって、全3勝が逃げ切りですが近2走を見てのとおり脚質に幅が出てきて、前走も上がりが速く鋭さ負けであって決してバテてはおらず、同じ競馬でも時計や上がりがかかるぶんだけ前進が見込めるはず

ジュライは▲ヴォーグトルネードは脚抜きのいい馬場のほうが斬れる走りだし、☆ベルゲンクライはGrey Sovereign的ストライドで差すので中山で人気にするのは違うだろうと書いたように本来は大箱中距離向き、しかし中京ダ1800mは渋ると基本的に前有利のコースで(調べてみると1900mは最初に坂をのぼるぶん、1800mほど先行有利ではないのですね)、となるとフェアリードールのHyperion4・4×4・5・5・7・7・7がいよいよ本格化してきた○トゥザレジェンドが好位差しで信用に足る
◎アメリカンウィナーはサトノプリンシパルやサーランスロットやサトノジョリーと同じBernardini産駒で、A.P.Indy系らしく大箱で軽いダートが得意で、全ダ[16.10.12.105]、東京ダ[4.4.4.22]、中京ダ[3.1.1.8]、ダ重不[4.0.3.13]
この馬も東京ダ[3.0.2.5]ですが、Seattle Slew系らしい胴長体型でマイルは少し忙しく、2100mの金蹄では楽に好位をとってヴォーグトルネードの追い上げを封じました
大箱の中距離向きと思われるのに大箱の中距離で走ったことがこの一度しかなく(今回も函館に持っていったが除外でこっちに回ってきたらしい)、おそらく渋った中京1800mはベストコースで、和田ならトゥザレジェンドの後ろにはいるでしょうから、この人気ならばワイドでも流したい

「No.1予想」では函館記念を、「馬券総合倶楽部」では函館記念と下北半島特別を予想していますので、そちらもよろしくお願いします

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