波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

恩師のお使い

2020年06月14日 | 日記・エッセイ・コラム

 

 中 学時代の恩師の家に1年ぶりに顔を出した。先生から30年ぐらい間に教えた生徒の木版画の原版を返したいので協力してくれないかと頼まれた。家はママヨさんの育った近所で親が住んでいるはずらしく、先生はすぐにでも行きたい感じだった。とても丁寧に彫られた木版で授業の参考作品にしたのだろう。

 る途中の場所だから、そこに伺い先生の気持ちをまず伝えることになった。家は直ぐに見つかり、表札をじいっと見ていたママヨさんが、「ケイコちゃん?」と呟きながら戸を開け、出て来られた奥さんに旧姓を告げて挨拶した。家の中の人が「ママヨちゃん?」と呼んだ。小学校6年間、女子4人だけの学級児童の53年ぶりの再会。互いに、面影はもうありませんね、と笑っていた。

 の恩師と波風氏の再会も中学卒業33年後の1本の電話が機縁。波風氏も中学校時代に「授業で使いたいから貸して欲しい」と言われた絵を15年ほど前に返してもらい感激したことがあった。ママヨさんが、「このお使いがなければケイコさんに会うことはなかった。とても感謝したい」と言う。近いうちに、先生と波風夫妻がママヨさんの友だちを訪れて息子さんの作品を返しに行く。


今回のふるさとへ行く途中で見た不思議な感じの雲。超現実主義のサルバード・ダリ『内乱の予感』を思った家に帰ってきてママヨさんが「互いに面影がありませんね」と笑いながら小学校時代のアルバムに見入っていた。

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