波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

「本は友だち」(池内紀著)を読む

2015年03月17日 | 読書

  本好きにはたまらない。「ちゃぶ台」「サル」から「加藤周一」「日本国憲法」「漱石の長襦袢」など、時代とジャンルを自由に飛び交い「へーっ」連発の本を次ぎ次ぎに繰り出し53篇のエッセー。表現もたまらない。難解なのを門外漢に「読んでみたいなあ」と思わせてしまう文章。最良の素材を名人の調理で極上の料理に、という感じ。読書のすすめは上から目線になりやすいがそんな嫌みが無い。この、終始快適で唸ったのが「本は友だち」(池内紀著:みすず書房)。作者は、ドイツ文学者でエッセイストとして高名らしい。昔1冊読んだような…その時も「へーっ」のはず。
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 「老いた馬が回想録を書いた。ながらく生きてきたのだもの、いろいろ書くことがある。牧場を跳ねまわっていた子馬のころ、長い脚をのばして…、走れなくなってからは荷車をひいた。思い出したくないことも少しある。…終わりの頁に予告編をつけた。いずれ天馬になって大空を走ったときの報告。-乞うご期待」(表紙の言葉)なんてある。「えっ!」と思った。この言葉は、筆者が作ったカレンダー「動物ものがたり」(絵も描くんだ!)にある言葉なのだ。各章扉の洒落たイラストも描いていたとは。優れた料理人は器まで作ってしまうのだ。


 「波風文庫」を作ってからブログで本の紹介が減った。その分、同好の士と語らう機会も減りつまらなくなった。久しぶりのカテゴリー分類「読書」              

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