波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

カッコいい人 ご逝去

2021年10月12日 | 日記・エッセイ・コラム

家小三治さん、10月7日ご逝去(享年81歳)。訃報聞き、「かっこいい男がまた亡くなった」と思った。このブログでも書いているが、小学生の頃から好きだった。落語は知らないが惚(とぼ)け方が愛らしく言葉が面白く、瞳がいつもキラキラしていた。後年は一見不機嫌そうな頑固親爺で、垣間見せる茶目っ気がやっぱり楽しかった。落語界唯一の人間国宝、この国も粋なことできる力があるんだな。

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報知った早朝、森下典子著『日々是好日』の小三治さん作の解説読んだ。文中の国木田独歩著『忘れえぬ人々』を青空文庫で読み、続けて『ま・く・ら』(講談社文庫:柳家小三治)を再読。中の『駐車場物語』で声を出して笑いママヨさんを起こしてしまった。表も裏もそれが人間、そこのところを飄々と洒脱に言葉を選ぶ芸に朝から感心、やっぱりすごいや、この人で無ければ『陛下の思い出』は語れない。

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述の「また亡くなった」は、緒方拳さんに続いての意味。この人も、嘘やタテマエを全部取っ払った心を感じさせてくれた。だから言葉が(文字も口跡も)、絵や書がいつも懐かしかった。俗の中の聖の輝き、作為感じさせない生き方、そこから生まれる素朴であたたかい表現。カッコいいなあ。こんな大人になりたいなあ。


関連する記事・・・「文庫本『日々是好日』の解説を読む」(18.11.30)、「座邊師友」(2011.10.02)。昔書いたのを読むと自分が好む人間性というか人生観を思うね 小三治さんのイラスト、新聞の写真見ながら描いたけれどそこはかとなく似ていてあんまり似ていない(涙)。でもそういうのがいいんだよ(笑)  

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