腕利きのベテラン刑事マイク・ブレナン(ニック・ノルティ)が麻薬の売人を射殺する事件を起こす。若手のニューヨーク地方検事補アル・ライリー(ティモシー・ハットン)は、ニューヨーク郡検察殺人課課長ケヴィン・クイン(パトリック・オニール)に呼び出され、ブレナンの射殺事件調査を命じられる。
調査を進めるうち目撃者の一人麻薬ディーラー、ボビー・テックス(アーマンド・アサンテ)の証言とQ&A(尋問調書)が食い違うことに気づく。
ボビー・テックスの内縁の妻ナンシー・ボッシュ(ジェニー・ルメット)は、アルと学生時代に恋仲だった。ナンシーが父親を彼に紹介したとき、黒人であることに表情を変えた。ナンシーは、彼のもとを去った。しかし、彼は今でもナンシーを愛している。そんな因縁が事件に絡んでくる。
ボビーの語る裏事情は、ブレナンが裏組織の殺し屋として雇われていること。また、事件の黒幕がアルの上司ケヴィン・クインであること。しかも、クインの少年時代チンピラ仲間と殺人事件を犯していたこと。ブレナン事件は次第に検察当局に難題波及の様相を呈してきた。
窮地のブレナンは、ボビーをはじめ関係する人間を殺し、警察署でアルに襲いかかって銃撃戦となり射殺される。アルは全容が明らかになるものと思っていたが、ブレナンの単独犯行として検察当局は隠ぺいを選んだ。
同僚のベテラン検事から言われる。「目をつぶって昇進を選んで郊外に瀟洒な家を建てるか、愛想を尽かすかのどちらかだ」
アルは愛想を尽かした。そして小さな島にいるナンシーの元へ。「君がどうしても嫌なら、僕は去っていくよ」
こういう実直で一途な男の将来は……青臭すぎると思うが、それは私が若者でないからかもしれない。この映画も、この二人のその後が知りたいとも思う。ニック・ノルティのワルぶりが見事で必見。1990年制作
監督
シドニー・ルメット1924年6月~2011年4月ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ。1957年「十二人の怒れる男」でアカデミー監督賞にノミネートされたが受賞にはいたらず、今でも名作として語り継がれるている。
キャスト
ニック・ノルティ1941年2月ネブラスカ州オマハ生まれ。
ティモシー・ハットン1960年8月カリフォルニア州マリブ生まれ。
ジェニー・ルメット1967年2月ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。父がシドニー・ルメット。
アーマンド・アサンテ1949年10月ニューヨーク州ニューヨーク生まれ。
パトリック・オニール1927年9月26日~1994年9月9日フロリダ州オカラ生まれ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます