昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

とんだ人違い

2004-05-05 22:28:10 | 日々の雑記
連日の雨続きで三日ぶりに車を出して、世の人並みにG・ウィークの雰囲気にでも浸ろうと、国道を南に向けて走らせた。今日は連休最終日のうえ朝から晴天ときてるから、何処へ向うのかは知る由も無いが結構な車の数であった。早い話が特別に行く当てもなく、只妻を乗せてその他の車の流れに従ったまでである。
 その車の流れの行く先は隣町の漁協のイベントであった。駐車場は殆ど満杯だったが何とか無理して停めて、人の流れに従いて行くと大きな人だかりが出来ていて、ソフトクリーム売り場だった。晴天とは云い風のまだまだ冷たい中、年寄り向きじゃないと別な集まりに向った。其処は此処の漁協が今日のイベントの目玉としている、「タコの串焼き」でとても美味そうで焼く片端から飛ぶように売れていた。もとより蛸好きの私にはかなり魅力的である。列に付こうとした時である、見るからに道央の都心からの観光客と思われる紳士の家族一行が急ぎ足で私に近付くなり、何を勘違いしたのか丁重に挨拶を始めたのである。「お久しぶりです。その節は大変お世話に成りながら、ご無沙汰いたし申し訳も有りません」夫婦揃って深々と頭を下げられても、とんと覚えも無く全く初対面、自分でも何を話して居るのか判らず、そうなると「タコの串焼き」どころでなく、適当に誤魔化してほうほうの態でその場を去った。全く惜しい事をしたもう少しで「タコの串焼き」にあり付けたのだ。勿論そのイベント会場からは逃げ出すように飛び出した。
 車内でも家に戻ってからも、思い出そうとしても何も浮かんでこない。やはり人違いなんだと自分なりにケリを付けて納得した。それにしてもあの熱々のは美味そうだったと残念だ。