昭和ひとケタ樺太生まれ

70代の「じゃこしか(麝香鹿)爺さん」が日々の雑感や思い出話をマイペースで綴ります。

春のホッケ

2004-04-10 21:07:09 | じゃこしか爺さんの想い出話
樺太で旬が春の魚と云えばやはり鰊であろう。最近になって再び捕れ始めてきた様だが、一時は食卓から姿を消して幻の魚と呼ばれて居たものである。その最盛期は道内(日本海側)でも同様だったろうが、子どもの頃に見た鰊漁は見事なものだった。産卵で群来(クキ)る鰊で海面は盛り上がり、更にそれが雄の放精で真っ白に泡立つ様は、まさに凄まじい一語に尽きる。ところで今回の話の主役は鰊で無く「ホッケ」である。
 さて「ホッケの開き」として、居酒屋で人気もののこの魚も春が旬である。鰊の産卵を目掛けて必ずその後を追いかけて来るのが、この「ホッケ」の大群である。産卵みたての鰊の卵をたらふく貪り食って丸々と肥え、タップリと脂肪ののった、鰊の後の「ホッケ」の美味さも又忘れられない味覚である。

樺太のシシャモ

2004-04-10 14:46:03 | じゃこしか爺さんの想い出話
先ず「シシャモ」だが、北海道では秋(晩秋)が旬とされているが、樺太では春である。なお樺太シシャモの味は道産物より落ちると言われているようだが、私はそんな事は絶対に無いと思っている。約半日ほど日干ししたのを軽く焼き上げて食べる味は最高である。引き揚げて来て約半世紀になるが、あの子ども頃に味わったシシャモの美味さに出会っていない。ただしシシャモなる物金子を出して買う物でなく、直接海岸に出向き、産卵の為夜半から黎明にかけて岸辺寄って来るのを徹夜で待ちうけ、直接捕獲するのが普通のやり方である。私も何度か父に付いて行き、波で打ち上げられてピチピチ跳ねているのを素手で捕らえた事を今なお鮮明に記憶している。