私が生まれ育った処は、今は異国ロシア領土のサハリンだが、終戦まではれっきとした日本国の南樺太で、国境(北緯50度)にほど近い海岸町である。夏こそ焚き火のもとでの海水浴・毛蟹やツブ捕りなどで多いに楽しめるが、その反面冬はただ暗いばかりで憂鬱な時期である。それ故に氷が融ける始める海明けが待たれるわけです。海面の氷がすっかり消える頃の一時期、決まって海の彼方沿海州方面から、オレンジ色の細長い(15~20センチほど)物が流れ着く。これはなかなかの珍味で大人にはかなり人気があって取り合いになる。それ程の人気ものなのに何故かこのもの名前は誰も知らない、ただその形と色合いから、何時ともなしに「露助ガモ」と呼ぶようになった。誠に下ネタめいて気が引けるが、男性の一物に似ているからである。
当時樺太ではロシア人の事を「露助=ロスケ」と呼んでいた。端的に云えば「ロシア人の××ポコ」である。大のおとな共が喧嘩までして奪い合うほどの美味珍味らしいのだが、子ども達にはそれほど人気は無く、私も一度も食べた事は無い。
当時樺太ではロシア人の事を「露助=ロスケ」と呼んでいた。端的に云えば「ロシア人の××ポコ」である。大のおとな共が喧嘩までして奪い合うほどの美味珍味らしいのだが、子ども達にはそれほど人気は無く、私も一度も食べた事は無い。