ルンルンピアノ

ピアノ教室の子どもたちとの楽しい毎日。。。。。。

575       若葉荘

2007-01-30 21:42:47 | Weblog
※ 逆瀬川にある 「若葉荘」 クリック♪


きょうはNも対局でレッスンもなく天気も良さそうなので外出する。
お正月からずっと気になっていたSさんを思いきって訪問することに決めた。

Sさんとは、以前PC教室で一緒だった90近いおじいさんだ。

私は自分のドン臭さを考えて、当時、 「熟年ゆっくりコース」 という、普通のクラスの倍の時間をかけて教わるコースを選択していた。
メンバーは私とSさんの他に、80代のおばあさん (恐ろしくチャキチャキしていて、ルンルンより飲み込みが早く根性もあった)、あと60代の男性と女性が1人ずつ。

その中でSさんだけがどうしてもローマ字を打てず、あきらめた先生はSさんだけ日本語入力で教えることに決断。
教えても教えてもすぐ忘れてしまうSさんのために、ともすれば授業が中断されることも度々だった。
のんびりホンワカ構えるSさんと、額に汗してパニクる若い先生の取り合わせがなんとも可笑しかった。

Sさんは枯れ木のようにヤセてメガネをかけている。
口数は少ないしPCの覚えも決して良いほうではなかったが、いつも穏やかな雰囲気を漂わせており、教室に入ってSさんの姿を見るとなぜかホッとさせられた。
Sさんとは結局半年ほど一緒に授業を受けたが、夏のある暑い日、急にSさんが 「具合が悪い」 と言い出し、教室に救急隊員が駆けつけた事があった。
心臓に持病があったようだが、その後しばらく教室を休まれることになった。
他のメンバーと、「さすがに教室はもうムリでしょうねえ」 と話していたが、1ヵ月後に復帰されたので驚いた。

その後、Sさん以外の3人は入門のクラスを卒業。
Sさんのみ、復習のため残留する事になった。

その後も、教室で習った暑中見舞いのハガキや年賀状などを出して近況を報告し合ったりしていたが、今年の年賀状の返事がいつまで経っても手元に届かないのだ。
年齢も年齢だし、ひょっとすると入院でもされているのだろうかと考えた。
以前にも、「先日たった一人の身内だった弟が死にまして・・・これで私もひとりぼっちになってしまいました」 と寂しそうにおっしゃっていた言葉が脳裏をよぎる。

朝10時前に家を出て電車に乗り 「逆瀬川」 で降りる。
プリントアウトしていた地図を広げ、宝塚病院の辺りまで歩く。
線路沿いの道へ出るとすぐ、大きな緑色のアパートが目についた。
(若葉荘だ・・・)

タンタンタンと3階までのぼる。
上りきった目の前を通路が一直線に伸びていた。
通路の各ドアの前にはせんたく機がズラッと並んでいる。
長い通路の1ばん奥で、背中を向けてポツリと立っている男性の姿が目に入った。

少しドキドキしながら進んでいく。
男性はせんたく機のそばで、相変わらずこちらに背を向けてジッと立っているままだ。
「あの・・」 と声を出す。

「あの、すいません。 ここは3階ですよね」
オズオズ切り出すと男性が振り返った。
「そうですよ」

(ああ! やっぱり!!  Sさんだ

「Sさん、こんにちは。 覚えてますか? パソコン教室で一緒だった森です」

Sさんはほんのしばらくポカンとしていたが、その後すぐに表情をやわらげ 「ああ、あの時の」 と思い出して下さった。

年賀状の返事が来ないので気にかかっていた事、以前近くに住んでいた事があり、きょうは散歩も兼ねて住所を見ながら寄ってみようと思った事など説明する。
「お1人で不自由はないんですか? ヘルパーさんとかは?」 と聞くと、今は要介護の申請をして週1回ヘルパーさんに来て貰っているという事だった。
心臓と腸が悪いのだとおっしゃったあと、「きょうはわざわざ訪ねて来ていただいてありがとうございました」 と頭を下げられる。
心なしか、早く帰って欲しそうな感じがしたので 「ではお元気で・・また暑中見舞い書きますネ」 と短いアイサツをして階段を下りた。

Sさんは穏やかながら、当時からあまり人と接したがらないタイプだった。
何か手助けしようと思っても、ニコニコしながら、 「いや、ありがとうございます」 と言うだけで、どこか人を寄せつけないような面があった。
1度そのことをNに話した事があって、「あんまりウルサク話しかけたりしない方がいいのかなぁ」 と言うと、「いや、本当にイヤやったら教室なんかきいへんで。 やっぱり人と接触したいっていう気持ちがあるんやと思う」 と言われ、ナルホドなぁと感じたことを思い出した。

そんな事をツラツラ考えながら駅まで歩き、(さて・・このあとドーシヨウ) と考える。
Sさん訪問はあっという間に終わってしまったし (アパートを見つけるのにもっと時間がかかると思っていた)、別に買い物もない。
ふと頭上を見上げると、見事なまでに澄みきった真っ青な空だ。

以前住んでいた辺りを小1時間ほど散策してみた。
ポカポカと暖かく、上着を脱ぎたいほどだった。

帰りがけ、コープ入り口に出来ていた 「水野家のコロッケ」 と、昔よく立ち寄っていた 「大関寿司」 を買って帰る。

大関寿し ←クリック
水野家コロッケ ←クリック

なんだか不思議な1日だった。

おわり
コメント (6)
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574      お毒見役

2007-01-30 00:08:18 | Weblog
※ 「武士の一分」  クリック♪


久々で、トビオがこたつ布団にそそうした
「ふぁみりい劇場」 の将棋大会の打ち合わせでNがいない間に、洗濯機を3回まわす。

天気が良いので、玄関先でクロのブラッシング。
トビオと違い、いくらブラシをかけてもフワフワした抜け毛がいくらでも出る。
風にのって隣近所へ飛んでいくので、あまり長時間はできない。
続きはまた明日やろう。
家へ入り、先日 「白雪」 で買っていた酒粕で 「かす汁」 作り、その後お風呂場のそうじをする。
きょうはカビ○ラーを使って少し念入りにがんばった。

お昼過ぎにNが帰宅して、出来たての粕汁とブリの照り焼きでお昼ごはん。
食べ終わった直後、激しい睡魔に襲われる。
珍しくマジメに家事をこなしたのと、粕汁に酔ったせいかも知れない。
3時40分からの映画に誘われていたが結局起きられず、Nがちょっとガッカリしているようで申し訳なかった。

夕飯のメニューを考えるうち、急にサンドイッチが食べたくなり買い出しに行く。
ミニコープへ行くと、かわいらしい豆柴が1匹つながれていた。
あまりカワイイので写真に撮ろうとすると、ちょうど小学3,4年生くらいの女の子が通りがかり、その豆柴をなぜようとした。
すると次の瞬間、「ギャウッ!!」 という吠え声と共に、豆柴が女の子の手に噛みつくような仕草をしたのだ。
女の子はビックリして手を引っ込めた。
ジッと手を見つめる女の子の様子をうしろから見ていると、出血はしていないものの、歯が当たったところを痛そうに押さえている。
「だいじょうぶ?」 と声をかけると、ちょっと驚いた表情で私の顔をみて 「はい」 と答え、ミニコープの中へ入っていった。

どんなに人馴れしている犬でも、子ども相手となるとやっぱり危ない。
あの柴犬も相当ビックリしての行為だったのだろうが、大事に至らなくて本当によかったと思う。
「犬の飼い方」 の本などによく、『初めての犬と接する時には、まず犬と同じ目線になるようシャガミましょう』 とか 『手のひらでなく、手の甲を見せましょう』 などと書いてあるが、どんな事をしても噛む犬は噛むし、吠える犬は吠えるものだ。
初めての犬をナゼるという行為は、そばに飼い主がついていない限り、まず慎むのが賢明だと思う。

帰宅してサンドイッチを作る。
HIROのサンドイッチを真似、軽くトーストしてマスタードバターを塗った薄切りパンに、お歳暮で頂いたハムと、レタス、トマトをはさむ。
それに、簡単なトマトスパゲティとオニオンスープを添えて出来上がり。
夕食にパンというのは森家ではまず無いパターンだが、たまにはいいかも知れない。
食後にNが淹れてくれたコーヒーが絶妙なオイシサだった

昼間見損なった映画 ( 『武士の一分』 ) を観に行く。
藤沢周平原作、山田洋次監督、主演木村拓哉だ。
初期のシーンで出る、城中の 「お毒見」 シーンが興味深かった。
5人のお毒見役が並び、それぞれが違う一品一品を食べるのだ (木村拓哉はそこでアカガイにやられる) が、思っていたよりもササッとこなすものなのだなぁと感じた。
食事を待つ殿様のことを考えると、のんびりクッチャクッチャともやっていられないのだろうから、まぁあんなものなのかも知れない。
それよりも、アカガイの件が元で切腹させられた武士 (役名は忘れたが、小林稔侍扮する毒見役頭?) があまりにも可哀想で泣いてしまった

キムタクの演技は初めてみたが、なかなか迫力があった。
刀さばきも堂に入っており充分見ごたえがある。
ストーリーは至って単純だが、いかにも藤沢周平の世界という感じで素直に感動できた。

途中、Nがアメの包みを開く音が耳についてうるさかった。


おわり
コメント (8)
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