2月2日は淡路島へ。
すっかり恒例となった黒岩水仙郷だが、今年は少し出遅れてしまった。
くもり空の中、朝8時過ぎに出発。
久しぶりで、どのルートを行くのか怪しかったので西宮SAで一旦休憩。
明石海峡大橋を渡る頃には晴れ間も見えだした。
空と海が青灰色に溶け合い渾然一体となる。
声も出ない。
淡路SAの大観覧車が見え、さらに行くと東浦IC。
その2キロほど手前から、はるか遠くにアノ像が見えて来た
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/heart.gif)
きょうは効率よく廻るため、像へ立ち寄るのは帰りのルートだ。
手を振りながら 「あとで行くから待っててね~」
この日はNの目の調子が悪いようで、緑PAで小休止。
目薬を持ってきていないので困った。
10時1分、西淡三原にて高速下車。
ドラッグストアを見つけ、Nだけ降りて目薬を買いに入る。
駐車場の端にはビヨーンと高く伸びたパームツリーが3本、青空をバックに葉をそよがせ
道を隔てた向かいがマルナカ。
(ああ、もうほとんど四国なんだなあ)
目薬を差してドライブ再開。
ここからしばらくは畑の広がる道沿いを走る。
黒い土と、丈の低いビニールハウスだけが延々と続く。
車内は暖かく窓を開けてもいいくらいだ。
わずかにタマネギのにおいが漂ってくる。
しばらくすると左前方にこんもりと茂る緑が見えてきた。
(何かの古墳?)と思いながらカーナビを見ると、「當麻夫人墓」 と出ている。
※ 帰宅後調べてみると、古墳は淳仁天皇という方のものだった。
不遇な運命のうちにこの地へ流され一生を終えたらしい。
當麻夫人はその妻。
もう少し行くと風力発電のプロペラが何機も見えてくる。
この景色もなんとなく魅力的だ。
間もなくカーブの多い登り坂へと差しかかる。
目的地まで12キロ。
日差しはいよいよキツくなってきた。
10時31分。
右手に海が見えると同時に、「民宿はぶ荘」「海鮮食堂」「灘みかん売り」の看板が現れだし
見慣れた風景に心が癒される。
このあたりは水仙ロードと呼ぶらしい。
ほどなく灘漁港で、ここから沼島行きの船が出る。
きょうはムリだが、また日を改めて行ってみたい。
もちろん、水津さんの写真を持って。
それにしても暑い。
思わずクルマの窓を開けると、道路わきに菜の花が咲きあふれている。
ここは南国。
黒岩水仙郷に着くと、予想以上の人だった。
年配者のグループが多く、みんなとても元気だ。
今年は水仙の開花が2週間ほど早かったらしく、もう咲いてないんじゃないかと心配だったが
そんなことはなく、海側も山側も満開の水仙でいっぱいだった。
開花後なので香りは弱いが、海を見下ろす斜面側の水仙は特にすばらしかった。
下りの途中、(何やらすばしこい蝶がいっぱい飛んでるなあ?)と目を凝らすと、なんとウグイスの大軍だった。
まだ咲いていない梅の木にはメジロもいる。
is国人質事件の痛ましいニュースとはあまりにかけ離れた世界に、一瞬心のバランスが取れなくなりそうだった。
お昼前だったが、斜面を下りたところの、いつもの食堂へ入る。
カレーやうどんがメインの、観光客向けのひなびた食堂で
いつもはここの名物「水仙うどん」を食べるのだが、今年はメニューから無くなっていた。
代わりに、鯛の唐揚げ入りにゅうめん(おにぎり付き)を注文。
にゅうめんのダシが少々濃かったが、唐揚げがいい味をだしていた。
淡路島と言えばやっぱり海の幸なんだろうなあ。
いつか、はぶ荘かおれんじ荘あたりで新鮮な海の幸を堪能してみたい
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0246.gif)
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下のミヤゲもの売り場で、ひじきを買ってクルマに戻る。
海岸沿いの道を走ると間もなくモンキーセンター。
この日は時間がないのでパスして通りすぎようとすると
入口脇の木の枝に真っ赤な顔したサルが一匹。
走り過ぎる我々をジッと見つめていた。
(ゴメンネー)
(次は必ず立ち寄るから許してね~
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_ang2.gif)
)
しばらく走ると、いきなり山道へ入る。
暗くて細い上り坂をウネウネ進むと、辺りはなんとなく「いかがわしい」空気に満ちてくる?
そして
やっぱり今年も来てしまいました。 立川水仙郷。
「ハイ、こちらでーす」
愛想のいいオバチャンに入場料500円を払い、引き換えに水仙マンジュウ2個を受けとって
デコボコ道を揺られながら駐車場へ。
チンチン電車のポールとUFO神社を通り過ぎたところでクルマを降りる。
まずはマジメに水仙観賞。
日本ではここでしか見られないという真っ白い水仙(ギリシャ神話に登場するガリルという種類)が一面に咲く水仙畑をグルッと見てまわる。
いつもは人影まばらな水仙郷が、きょうはなかなかのにぎわいだ。
※(ここも段々と市民権を得て来たのかなあ)と喜んでいたのだが、例の建物に入る人はほとんどおらず
大抵は水仙観賞だけで帰っていく真面目な人ばかりだった。
水仙も見終わり、特に躊躇することも特に喜ぶこともなく、ごく自然な流れで例の建物へ入る。
ハッキリ言って、中の物にはもうほとんど興味が無いのだが(いいかげん見飽きた)
習性というか惰性というか、ここまで来て入らないというのがむしろ不自然に思えてしまう。
・・・とかなんとか言いわけがましい気持ちを持ちつつ入場。
すぐ前に、我々より若干年配の夫婦がいたのだが
「えー、こんなとこやったん?」
「男性はこんなんが好きなんやなあ」
「それにしても誰が作ったんや、こんなもん」
最近読んだニュースによると、日本国内の「この手の施設」は衰退の一途を辿っており
残るはごく僅からしい。
あまり褒められる物ではないが、これも高度経済成長時代の文化遺産であることは間違いない。
できればひっそりと生き残り続けて欲しいものだ。
水仙郷を出ると道は下り坂になり、林を抜けてセメント工場を通りすぎると間もなく由良港だ。
たくさんの鳥が見えたので道路わきにクルマを停めて外へ出る。
ひと気の無い漁港でトンビやカモメが元気に飛びまわり、実に平和な風景だ。
どこからかアオサギもやって来て、群れに混じってうれしそうに飛んでいる。
いつまでも見ていたかったが、この先もうひとつ立ち寄らなければならない所があるのでクルマに戻る。
「まあ、こんなとこやったら食いっぱぐれないわなあ」
「安心だよねぇ」
そのまま海岸沿いを北上すると、間もなく洲本温泉のホテル街へ入る。
ホテルニューウアーワ~ジ♪
ホテル街を通り抜けると、間もなく炬口漁港が見えてくる。
海辺のガードレール沿いに植わったヤシの木が南国ムードを醸しだす。
13時26分、遠くに例の像が見えてきた。
地名は洲本から淡路市に変わり、すぐ右手にオノコロワールドの観覧車と入場口が見える。
それも通りすぎて普通の道になると、金太郎という名の回転寿司があった。
次回はゼヒ入ってみたい。
ガソリンが乏しくなってきたので、小さなセルフの店へはいる。
色々手間取っていると、安倍首相を優しくしたような人が出てきて親切に教えてくれた。
リッター120円ぐらいだったかな?
そしてついにやって来ました、我らが平和大観音。
大好きな「喫茶アメリカ」の駐車場に降り立ち、大観音を見上げると
なんと、胴体の一部が破損して黒っぽい空洞が見えている。
「あーっ! 壊れてる」
「・・・・台風のせいかなあ」
アメリカへ入ると、お客は工事現場で働いてる人達のグループひと組だけだった。
観音像の見える窓際のテーブルへ座り(いつもほとんどここ)、ホットケーキとミルクティーを注文。
道路を隔てた向かいの廃墟ビル(オーナーは平和観音の建主、もうずいぶん前に亡くなっている)も、初めて来た頃に比べると少しずつ寂れている。
観音像を見てそのまま帰るつもりだったが、オミヤゲを買いそびれていたので、途中の東浦ターミナルパークへ寄る。
敷地内に猫の美術館を見つけるが、残念ながら休館日。
みやげ物店で、玉ねぎ博士こと中西教授という人の作った「超減農薬タマネギ」を購入してクルマに戻る。
時刻は3時11分。
少し寒くなってきた。
舞子トンネルを抜けてから、空は徐々にグレーへと変わる。
青かった空は淡路島マジック。
宝塚で高速を降り、家へ帰りつくと4時半だった。
裏口のドアを開けると、金太郎のよろこびの声が聞こえる。
今年も淡路島へ行けてよかったなーと思える一日だった。
おわり