ルンルンピアノ

ピアノ教室の子どもたちとの楽しい毎日。。。。。。

853      小心者

2007-11-30 20:50:18 | Weblog
※ 愛媛母から送ってきた干しエビ。
  こんなにいっぱい・・・・どうやって食べろというのだろう。
  クリック♪


朝食用のトーストを、毎回必ずと言っていいほど焦がす。
きょうもかなり焦がしてしまったので、いつものように流しの縁でコゲた部分をけずっていると、手がすべって流しに落ちてしまった。
あわてて拾い上げるが、パンはかなり濡れている。

「ア~ア・・・」
「どうしたん?」
「パン、流しに落っことしちゃった」
「え~?  じゃあもう食べんとき」

こう言われるとかえって食べたくなる
なるべく味わわないように気をつけながら、最後まで食べきった。
それにしても、どうしてこうも毎回毎回、同じ間違いをくり返すのだろう。
ひと言でいえば、‘学習能力’ に欠けているのだと思う。
「あんたの人生はいつも ‘喉もと過ぎれば’ だから、ちっとも進歩がない!」
何かある度にしょっちゅう母親から言われ続けてきたセリフだが、本当にその通りだと思う。

午後、宝塚~ピピアと回る。
宝塚でNが用事のあいだ、阪急でマフラーを探す。
アイボリーで、あまりロングでなくて、肌触りのやさしいものをずっと探していたのだが、きょうやっとそれに近いものを見つけた。
そっと値札を見ると・・・・ウ~ン・・・・ちょっと予算オーバー。
手に持ったままジッと眺めていると (こういう時の表情はあまり他人から見られたくないものだ)
「それは無染色のカシミヤですから、とても手触りがいいですし、お肌に優しくてとっても人気なんですよ
そばへ来た若い店員さんの説明で、迷っていた背中が後押しされる。

「どうぞごゆっくりご覧下さいね」

しつこくもホッタラカシでもなく、こういう上手な客あしらいをされると、購買意欲もつのるというものだ。
同じ ‘無染色カシミヤシリーズ’ の手袋と帽子もいっきに欲しくなる。
(どうしよう・・・手袋も帽子も、もともと欲しかったんだから買ってもいいと思うけど・・・モンダイは値段だな。 このあいだブーツを買ったばっかりだし、ちょっとゼイタクし過ぎかな・・・・でも、最近はガンバって外食も減らしてることだし、ちょっとぐらい構わないか。 食費が苦しくなったらヘソクリでまかなえばいいんだし)

次の瞬間、マフラーと手袋と帽子をグワシとつかんでいた。
(Nに見つからないうちに早く買っちゃお) と思い、急いでカウンターへ行く。
すると、そんな時に限ってレジ待ちのお客が多い。
しかも全員贈答用のようで、「ノシはこのようでよろしかったでしょうか」 とか 「お箱か袋、どちらにいたしましょう」 「リボンのお色は・・」 などと、懇切丁寧にやっている。
そのうちバッグの中のケータイが鳴り出した。
「ハイ」
「もしもし、どこ?」
「今ねえ、1階のハンカチとか売ってるとこ」
「わかった。 すぐ行く」

すぐ来ないでいいよとは言えないので、仕方なく電話を切った。

間もなく私の番が来たのと同時にNが到着。
先ほど接客してくれた店員さんがカウンターに立つ。
「ご贈答でしょうか?」
「あ、いえ・・自分用です」

背後に控えるNの視線を意識しながら答える。

「たくさんお買い上げいただいてアリガトウございました♪」
「あ、ああ、ハイ・・・」
背後からの視線をさらに強く感じる。

(いらんこと言わんとサッサと包んでくれ~)


「えっと、お会計は・・・・・・○万○千○百○十円になります」

(今の金額、Nに聞こえてないはずは無いだろうなあ・・・)


商品を受け取り、なるべく平静を装って歩き出す。
つとめて明るい声で、「ちょうどイイのがあったんだ~。 無染色のカシミアなんだって! 今までのはずーっと肌がチクチクしてイヤだったけど、これでもう大丈夫だ♪」

するとNがニコリともせずに
「何をそんなにコソコソしてるん」
「エ?」
「すっごいコソコソした顔してるで」
「そんな・・・・・なんで私がコソコソしなきゃいけないのよ」
「い~や! いつもと全然ちがうで」

実際、それほどビクビクするほどの事でもない・・・


「いいやん別に! ずーっと長いあいだ探し続けて、やっと気に入ったのが見つかって買ったんだから。
それも毛皮とか宝石ってワケじゃないんだし」
「誰もナニも文句なんか言ってへんやろ。 ただコソコソしてるって言ってるだけやん」
「だってさ・・・あんまり高い買い物してたら心配するだろうと思ってさ」
「ハア??  なに言ってんの。 そんなんで心配なんかするワケないやろ」
「ほんとに? ‘自分が見てないとこでいつもこんなゼイタクなもの買ってたんか’とか思ってたんと違う?」
「あのなあ、そんなん自分で ‘ゼイタクなもの’ って決めつけてるだけやろ」
「だって・・・・ゼイタクだもん」
「安物ばっかり買ってる方がよっぽどゼイタクやで」
「そう思う?」
「思うで。 もうこれから安物はやめて、本当に自分が気に入ったものだけにしとき」

うれしかったが、内心、(やっぱりムリだろうな。 貧乏性と小心なところは、そう急に変えれるものじゃないし・・・第一、気持ちだけ切り替えたって、森家の収入が変わるワケじゃないしなあ)


とりあえず、買ったものは大切に使うようにしよう


またちょっと風邪気味なので、夜は、白菜・ベーコン・ニンジン・ブロッコリーを入れたクリームシチューで温まる。

そのあとHIRO。
Nが注文したモンブランが美味しかった。
帰宅後、ミニコープへ年賀状の注文に行く。
紛失した会員証の手続きは出来なかった (夜なので男の子しかいない)

きょうは温かくして早く寝よう・・・・


ルンルンなつかし劇場

ガラモン、カネゴン、ペギラ、ナメゴン・・・・怪獣が死ぬときはいつも悲しかった。

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852    ALWAYS  続・三丁目の夕日

2007-11-30 01:15:20 | Weblog
※ 三丁目の夕日 駄菓子詰め合わせセット。
  上ブタを開くと、飛び出す絵本の仕掛けみたいになっている。
  中に入っていたのは これ と
これ と これ と これ と これ と これ

お菓子を食べたあと、しばらくはゲタ箱の上にでも飾りましょう (ずっとはキツイ)
クリック♪


午前中、Nは伊丹 (将棋センターの梶井さんとお昼ごはん、天ザルを食べたらしい)
私は宝塚へ出て食料品の買いだし。

地下のスーパーでウロウロしていると、
 「今年度の全国味噌品評会におきまして、農林水産大臣賞を受賞した味噌でございます。 試食だけでも結構ですので、ぜひお立ち寄り下さいませー!」 と、元気な声が聞こえてくる。
振り返ると、たくさん積み上げられたお味噌の中で、直立不動の若いお兄ちゃんが声をはりあげていた。
(そういえば、我が家のお味噌もちょうど切れたところだったな) 
買いたいと思うが、辺りにお客さんの姿は無く、なんとなく近づきにくい。
どうしようと迷いつつ、遠巻きに眺めながら様子を伺う。

「農林水産大臣賞を受賞した無添加のお味噌です。 ご試食だけでもどうぞー!」

正直いうと、試食はいいからお味噌だけを貰いたい。
私は気が弱いので、たとえ試食して不味かったとしても買ってしまうだろう (他に大勢お客さんがいれば別だが)
それなら最初からサッ、パパッと買ってしまう方が気がラクだ。

「どうぞご試食だけでもなさって下さーい!」

こういうのは、『農林水産大臣賞受賞』 『無添加』 『全国味噌品評会優勝味噌!!』 などと大書きした紙を貼りだしておくだけで充分だと思う。
相変わらずお客の寄りつかない味噌売り場を後にしながらそう思った。

帰宅後、アジの開きと納豆でお昼ご飯。
食後、先日コンビニで見つけ、なつかしさのあまり思わず買ってしまった チョコ を食べる。
1本だけのつもりだったが、あとを引くオイシサに負け、1箱全部平らげてしまった

Nが3時半過ぎに帰宅。
中途半端な時刻なのでどこへも行かず、おとなしく家で過ごす。

夕食は、奴に切ったお豆腐とエノキ・長ネギ・鶏ミンチを合わせて炊いたアンかけ風。
阪急でお昼に買っておいた鉄火巻き、ほうれん草のおひたし、ゆでたブロッコリー。

夜、 ALWAYS 続・3丁目の夕日 を観にピピアへ。
20時20分上映開始時刻をカン違いして、ずいぶん早く着いてしまたった。
ロビーでプリッツをかじりながら、『椿三十郎』  『マリと子犬の物語』 の予告ビデオを観る。
それにしても、『マリ・・・』 の柴犬は本当にカワイイ

ようやく 『三丁目の夕日』 が始まる。
お客は私たちを含めて10人ほど。
前回と同じく、薬師丸ひろこの、柔らかで温かい母親ぶりが感動的だった。
無骨で、ときに瞬間湯わかし器と化すが、本当は情にもろい父親。
その父親が、戦死した友と再会する同窓会のシーンにも泣けた。
「うるさい、ババア!」 と言われつつも、町の人たちを温かい視線で見守るタバコ屋のオバサンもいい味を出している
そして相変わらず美しいヒロミ役の小雪さん。
芥川賞選考委員と名乗るサギ師から、「実力はあるんだから、あと、お金さえ出せば間違いなく取れる!」 と言われ、赤子の手をひねるよりもカンタンに騙されるお人よしの住民達。

「淳之介は昔のナマイキだった頃の山崎くんにソックリやなあ。 あんまり似てるんでビックリしたわ」
終演後、Nがしつこく感動 (?) していた。

ああ、ナルホドな~


泣きはらしてグチャグチャになった顔でガストへ寄る。
お腹が空いていたのでミネストローネを注文。
ハタチくらいの派手なカッコウの女の子3人組がレジにいて、その中の1人がシャネルの紙袋を提げている。
『三丁目・・・』 とは、まったく正反対の世界だ。

11時過ぎに帰宅。
眠いけど、ガンバって今からお風呂


ルンルンなつかし劇場

大阪の映画館に行くと必ずやっていたCM。 エコーがレトロでしょう♪

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851       美容院・ブーツ・ジーパン・悪声     

2007-11-29 01:17:53 | Weblog
※ 川西アステ、12月直前の1階ロビー。
  右手に見える緑の球体からは、1時間毎に小鳥や妖精達が飛び出し、
  音楽に合わせて踊ったりさえずったりする。
  単純だけど、なにかホッとさせられる一瞬なのだ。
  クリック♪


Nが名古屋行き (支部派遣) で、朝6時過ぎに起きる。
Nが7時半に家を出たあと眠くてたまらず、結局10時過ぎまでソファーで寝てしまった。
早起きすると時間がもったいない。

伸びた髪が収拾つかなくなってきたので、お昼を食べたあと思いきって美容院へ行く。
鏡の前へ座った途端、 「やせた?」 と店長さん。
「へへ。 わかります?」
「見た途端、 アレッ? て思った。 やせたっていうよりは一回り小さくなったって感じかな」

その後、2週間ほど前に店長さんがギックリ腰になり、針(電気を通す) で治した話し
現在私が使っている、超お気に入りのシャンプーの話しなど。

「あんまり即効性のあるシャンプーは危険があるよ」
「髪がツルツルッとするのはアミノ酸のせいやと思うけど、頭皮に付着したアミノ酸が蓄積されると、あんまりいい事ないねん」

どんな事が起こるのかと聞くと

「頭皮のアミノ酸が日光に当たるとナントカカントカ (覚えられなかった) になって、そのあと段々髪の毛が細くなって脱毛が始まるねん」



「や、やめた方がいいかなぁ
「うーん・・・・でも、すっごく気に入ってるんやったら、まあ使ってもいいと思うけど」
「でも、そんなこと聞いたら怖くて使えないですよ」
「・・・・・あのね。 シャンプーを倍に薄めて使ったら大丈夫ですよ」
「それで本当に大丈夫?」
「うん、大丈夫」
「でもやっぱり心配だなあ。  あとでシャンプー持ってくるから見てもらえます?」
「うん、いいですよ。 ボクもそれ見てみたいし」

そんな事をキャーキャー言いつつカットが終わり、ふと鏡を見ると・・・・

(げっ!  サル


ションボリしながら美容院を出たあと川西阪急へ行く。
ちょっと予算オーバーだったがブーツを購入。
ついでに靴下とジーパンを2枚買った。
裾上げに1時間ほどかかるので、駅の売店で女性○身を買ってからマクドへ入る。
週刊誌のグラビアに 『関ジャニ』 というグループが載っていたが、どの子も同じ顔に見えてしょうがない。
関ジャニとは、もちろん関西ジャニーズの略なんだろうな。
週刊誌を読み終わると、となりの席にハタチくらいの男の子が2人座っているのに気づいた。
「クワイって知ってる?」
「・・・・・・・」
「球根みたいなカタチしたやつ。 あれが地元の名物なんやけど」
「・・・・・・・」
「正月の料理とかによく入ってる」
「・・・ハダ色みたいなん?」
「ウ~ン、あれハダ色やったかなあ」

「福山って、坂、多いん?」
「う~ん、坂・・・・多いなあ」

2人の関係が分からなかったが、微妙にかみ合っていない会話が可笑しかった。


6時になったのを確かめてマクドを出る。
何やら叫び声がするのでキョロキョロしてみると、駅前の広場で40過ぎくらいのオジサンが1人、アコースティックギター片手に唄っていた。
やたらとガナリたてながら唄うので、英語なのか日本語なのか、フォークなのかロックなのか、まるでワカラナイ。
声の大きいのが自慢のようだが、ハッキリ言ってすごい悪声。
みんな気味悪がって、オジサンの前を避けて通っていた。

ジーパンを受け取り電車に乗って帰宅すると、もう7時前。
トビオとクロに餌をやったあと、野菜スープに卵を落としたのと納豆と白菜シーチキンサラダで夕食。
メインが無いが、Nが居ない時はこんなもんだ。

9時半にNが帰宅。
予想通り、ういろ のオミヤゲだった♪ (すごく重かったらしい)

きょうはダラダラと長い1日だった。


ルンルンなつかし劇場

この歌わりと好きだったが・・・・今見てみるとすごいカッコウだ!!
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850       なつかしの友ヶ島 (後半)

2007-11-27 10:43:38 | Weblog
※ 「トモノスケ、もうきょうのエサは終わりやで」
  クリック♪
  


20分ちょっとの短い船旅の末、加太港から友ヶ島へ到着。
船から降りると入れ違いに、島の人達が、ダンボール箱や風呂敷で包んだ荷物を船員さんに渡す。
「スイマセーン、お願いします」
「いや助かりました。 間に合わんかったらどうしようもないところやった」
荷物を渡すほうも受け取るほうもニコニコ顔。
不便ながらも、人と人とのつながりで日々の生活が成り立つ島の暮らしが垣間見える一瞬だった。

数人の男性が釣り糸を垂れる桟橋を渡って上陸。
生まれて初めての野生鹿にビックリした広場(野奈浦)がそのまま残っており、思わず  となった。
広場に続くすぐ隣りには、見覚えのあるこじんまりした古い建物。

(ああ、友ヶ荘!!)

10年前の夏休み、まだ内弟子で中学生だった山崎七段と小5の息子、Nとの4人で泊まった旅館だ。
今はシーズンオフのせいか、シャッターが降りたままになっている。
あの当時、すべて自家発電に頼っていた島では、夜11時になると一斉に電気が止められた。
クーラーの冷たい風がピタリと止み、蒸し風呂のような部屋の中で、我々4人は苦悶のひとときを過ごす。
暗闇のあちこちから、
「ウ~~~~ン」  「暑い・・・」  「フゥ~~」  「波の音がうるさくて眠れん」 などと聞こえてくる。
目の前はすぐ海なので、涼みに出ようとNと2人そっと脱走を企てるが、玄関はしっかりと施錠されており、そのままスゴスゴと部屋へ戻った。
灼熱の部屋へ入り、(拷問だ・・) と呪いつつ、闇の中、何度も寝返りを打つ。
そのうち苦しそうな声も徐々に減り、私以外の3人は眠りの世界へ入ったようだった。
(ああ、いいなぁ。 この分じゃ私は朝まで眠れないなぁ) と思いつつ、その後しばらくして、いつしか私も深い眠りに入っていた。

そんなツライ思い出がよみがえる友ヶ荘をしみじみ眺めていると、突然むこうの方から
「オーーイ、何してるん!  そんなのまた後でユックリ見れるやん。 早よきぃ!!」

情緒もヘッタクレもないNの声が響く。
(この時、友ヶ荘の横手の溝とトタン屋根の上で、なぜかクジャクを発見!)


海へ落ちこむ崖を右に、ゆるい上り坂の細道を歩く。
淡い色した海の向こうに、小さな三角のマストを立てたオモチャのような釣り船が何隻も浮かんでいる。
途中、大きなペンション風の建物があった。
「前に来た時には無かったよねえ」
入り口の陽だまりに茶色いネコが1匹。
 と思い近づいてみると、細いヒモでつながれている。
フックラとした茶色のネコで、まだ子供のようだった。
いきなり太い足を投げ出しゴロンと仰向いたかと思うと、手足をバタバタさせて1人でジャレている。

もう少し行くと、これもハッキリと見覚えのある海の家(富士屋別館)が現れ、そのすぐ先が第二砲台跡だった。
砲台跡は紀淡海峡を見渡す断崖にあり、‘危険、立ち入り禁止’ の注意書きの札と共に静かに残っていた。
進入禁止のロープをかいくぐり、砲台跡の裏手へまわる。
するとそこには、バラバラに崩れたレンガがガレキの山となっていた。
人為的に壊されたのか、それとも長年の風雨のためにそうなったのだろうか。
正面にはポッカリ開いた入り口があるが、何となく入ろうという気持ちが起こらない。

この辺り一帯は、由良要塞として軍事的に大変重要な場所であったらしい。
一般人の立ち入りは禁止されており、大阪湾へ進入してくる敵艦は、ここでハッキリと見張られていたのだという。
ちなみに、この第二砲台と、もう少し離れた場所にある第三砲台を併せて ‘友ヶ島砲台群’ と呼ばれ、
2000近くある ‘全国近代土木遺産リスト’ の中から、‘2003年選奨土木遺産’ に認定されている。

選奨土木遺産

その後いったん富士屋別館前に戻り、蛇ヶ池方面へ歩く。
蛇ヶ池は枯れたススキのようなものが鬱蒼と茂る、ちょっとブキミな池だった。
様々な鳥の鳴き声が響き、草むらのあちこちから、「バシャッ」 「ザザザ」 と物音が聞こえる。
「なんだかコワイね・・」 と言いつつビクビクしながら歩いていると、目の前を何かが横切った。
なんだろうと目をこらすと、池のふちに横たわった丸太の上に、ふさふさとした茶色いものが乗っかった。

「あっ!! リスリス

10年前にも島を散歩中、高い木に駆け上るリスを見た。
この島は自然の宝庫なのだ。

ほどなく、小高い場所にそびえる ‘孝助松’ が見えてきた。
付近には何の説明板も無いが、位置を確認すると間違いない。
頭の平らな、ちょっとユニークな姿をした背の高い松だ。
帰宅してパンフレットを見ると、
‘親孝行の孝助さんが嵐の際に、この松にしがみついて助かった話が由来である’

ほのぼのとしたエピソードだ。
孝助さんて、どんな感じの人だったんだろう (意外にマザコンだったりして)

その後、狭い道を登って友ヶ島灯台へ出る。
明治3年、イギリス人設計士によって建てられた、高さ12メートル (水面から灯火まで60メートル) の白亜の灯台だ。
銀色の扉にはしっかりと鍵がかけられているようで、押しても引いてもビクともしない。
シンと静まり返った灯台のまわりをウロつくと、正面山上に巨大なレーダーが見えた。
こういう非日常的な光景は、惹かれつつも何だかコワイ。
どこか ‘怖いもの見たさ’ に近いものがあるのだ。

灯台を下り、先ほどの蛇ヶ池を通って戻ることにする。
またリスに会えないかとキョロキョロするが、もうどこにも見えなかった。

富士屋別館前の浜辺へ出ると、雨ざらしの広い縁台にNが寝転がる。
ここもなつかしい場所で、青いワンピースに日傘をさし、ちょっとオスマシして写った自分の写真は今でも大事にとってある。
この浜辺で、大した事のないケガで大騒ぎしていた当時の山崎七段を思い出し可笑しくなる。
貝ガラか何かでチョッピリ切った手のひらを押さえながら、ジッと深刻そうな表情でいつまでも見続ける山崎少年。

「どら、見せてみ・・・・・・・・なんや、大した事ないわ」
「どれどれ?  あ~、そんなの大丈夫大丈夫!」

その後も、歩きながらずっと手のひらを気にする山崎少年 (ウ~ン・・・本当に、思い出せば思い出すほどウットオシイ!)
今振り返ってみれば、お互いロクな思い出のない時代だったと思う。

そんなことを考えながら、浜辺で貝拾いを始めた。
浜辺と言っても、空のペットボトルや干からびた海草、バーベキュー後のサザエの殻などが散らばり放題のキタナイ海岸だ。
それでも小さなカワイイ貝がらを3つほど見つけ、急いでポケットへ入れた。
いつの間にか縁台から起きだしたNも、遠くのほうで四つん這いになり熱心に何か探している。
一瞬、(このまま永遠に時間が止まればどんなにシアワセだろう・・) と考えてしまった。

しばらく経ち、そろそろ桟橋へ戻ろうと山道に上がる。
すると後ろから、ピカピカの釣竿をかついだ若者が歩いてきた。
片手には透明のビニール袋を提げている。
「釣れましたか?」
「ええ」
「これ、何が入ってるんですか?」
若者は立ち止まり、持っていたビニール袋を持ち上げながら 「ハマチとスズキです」
袋の中には、50センチをゆうに越す大物が2匹入っていた。

「すごいですね~! 塩焼きで食べるんでしょ?」
「ウ~ン・・・スズキは塩焼きもするけど、ハマチは刺身にします」

フムフム、それは納得

桟橋に向かいながら喋り続ける。
「いつも1人?」
「いえ、いつもは連れと一緒です。 きょうはたまたま1人ですけど」
「1人で釣りって、退屈しないんですか」
「いやあ・・・ (困った表情で) 釣りの時はいつもな~んにも考えてないんで・・1人でも2人でも変わんないですね」

フムフム、なるほど

「ここはすごく暖かいですね。 やっぱり和歌山は違うなあ」
「いや、きょうは特別です。 ふだんは寒いですよ、風も強いし」
「ああ、風ねえ」
「友ヶ島汽船も欠航になることが多いんですよ」
「え? でも、こんなとこで欠航になっちゃったらどうしようも無いでしょ?」
「ええ・・・でもまあ、最終便が出る前に島内アナウンスが流れますから」

フムフム、なるほど

「それにしても、船の便数 (加太・友ヶ島間) が少ないですね。 きょうも帰りは4時半発しか無いっていうから、行こうかどうしようかすごく迷ったんですよ」
「あ、でも今はまだマシですよ。 来月から2月末までは1日2往復になりますから」

加太 ⇔ 友ヶ島 時刻表

「どちらからですか?」
「岸和田です」
「あ! 岸和田なら、ついこのあいだ競輪場へ行きましたよ♪」

若者は黙ったまま笑っていた。


桟橋近くに辿りつくと、友ヶ荘の前の空き地に、先ほど見かけたクジャクがいた。管理人室のオジサンが、小さなビニール袋に入ったエサをやっている。
とてもよく馴れていて、袋のエサが無くなると 「もっとチョーダイよ」 というふうに首を伸ばして催促する。
聞けば、誰のクジャクでもないらしい。
「野生なんですか?」
「ま、そんなもんですわ」
さっきから気になっていたが、片足を上げて不自由そうに歩いている。
「釣り客のテグスが絡まって足をケガしてしまってねえ」
目の前のクジャクの、真っ黒いつぶらな瞳をジッと見つめていると、涙がこぼれそうになる。

管理人室へ戻ったオジサンがクジャクの羽を5.6本持って出てきて、そばで一緒に見ていた金髪の若いカップルと私とに呉れた。
「わあ♪ ありがとうございます」
「それは引きちぎったんやのうて自然に抜け落ちたもんやから虫は湧かないよ。 2,3年はキレイな色のままやし」

戻ろうとするオジサンに
「この子の名前はなんていうんですか?」
「名前・・・さあ、名前はないなあ。 なんかいい名前つけたって下さい」
「ウーーーーン・・・・・じゃあね、トモちゃん (友ヶ島なので) はどうですか?」
「トモちゃんねぇ・・・でも、これ男の子だからねぇ」
「あ、そうか・・・・・・じゃあ、トモノスケはどうかな~?」
「トモノスケか、いいねえ。  じゃあこれはトモノスケ1号や。 あと2匹おるからね」


というワケで、友ヶ島のクジャク君は、本日付けでトモノスケと命名されました


船が来るまで少し時間があるので、桟橋前の広場で待つ。
来たときの暖かさはとうに無くなり、シンと冷たい空気が身を包む。
あっという間に、手も足も氷のように冷えきってしまった。

乗船客も集まったようなので、4時半の船が4時10分出港となった (いやあ、アリガタイ
行きは甲板で過ごしたが、帰りはさすがに奥の客室へこもる。
来たときに一緒だった黒い半袖Tシャツの男の子、金髪カップル、釣りの青年・・・
若者グループはみな甲板だ。


あっという間に加太へ到着。
駐車場からクルマへ乗り込む人、自転車に乗る人、バイクにまたがる人。
夕暮れの中、皆それぞれバラバラに散っていく。

帰りは、しばらく高速を使わずに下を走る。
予想外の渋滞で、Nが何度もしつこく悔いていた。
みさき公園駅付近に差しかかると、明かりの消えた巨大なカンランシャが不気味なシルエットを作っている。
前を行くバスの後ろには、‘宇度墓古墳行き’ の表示。
カーラジオからは、「京都~大原サンゼンイン。 恋にやぶれた女がひとり~♪」
ネオンピカピカのラブホ街を見ながら、なんとも言えず寂しく浮かない気分になるのはなぜだろう。

そのうち、まっすぐ先に超ノッポビルが現れ (臨空タウン駅らしい)、そこから高速入り口に入る。
別世界のようにスイスイと快適な走りでホッとする。
途中、中島1Cでトイレ休憩。

6時半を回ってしまったので、てん川で夕食をとって帰ることにする。
平日の夜というのに、駐車場は結構いっぱい。
Nはカレーうどん、私はカレーそば。
あと、おいなりさんを一皿とって分ける。

お腹いっぱいになって帰宅。
トビオ、クロ、源さんがキュンキュン ボーボーと激しく鳴く。
10時過ぎ、奨励会の終わった坪井5級が帰宅 (ちょっと遅いぞ)
昇級したので、きょうからは坪井4級だ。


「また10年後に来てみよう」
友ヶ島でつぶやいたNの言葉を思い出しながら寝床に入る。
楽しかったり切なかったり・・・・・
色んな思いが交錯する1日だった。



ルンルンなつかし劇場


きょうはこの音楽さえも物悲しい・・・
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849       なつかしの友ヶ島 (前編)

2007-11-26 22:54:29 | Weblog
※ 富士屋別館前、山崎ケガ浜辺にて。
  キレイな小石集めに夢中のN。  クリック♪



昨夜疲れて早く眠ってしまったため、きょうは少し早起き。
「きょうは和歌山へ行ってみようか?」
もちろん二言はない。
テキパキと朝食を済ませ、チャッチャと顔を洗って出発

尼宝線から湾岸線に乗る。
きょうは全体に霞がかっており、視界がボヤッとしている。
湾岸線からの景色は、やはりクッキリスッキリが1番だ。

最初の料金所で、ETCでない一般の入り口が見つかりにくく少しウロウロする。
「そろそろETCにせんとアカンかなあ・・・」 とN。

大浜IC付近の路上で何か燃えていると思ったら、発炎筒のようだった。
初めて見るのでちょっとビックリ。
カーラジオからはNHK全国学校合唱コンクールが流れてくる。
この番組は、鈴木しげおさんの、‘丁寧な口調ながらもズバッとこきおろす講評’ がナントも味があり大好きだ。

ナビ設定のため泉大津PAへ立ち寄る。
駐車場の柱すべてに、モモタロウや犬・サル・キジのイラストが描かれており (どうしてなのだろう??) とすごくフシギに思ってNに聞くがワカラナイ。
この辺にも、岡山と同じく桃太郎伝説というものが残っているのだろうか?
トイレに入り、サービスのお茶を飲み、みやげ物を見てから駐車場へ戻る。
肝心のナビの設定を忘れたまま出発。

岸和田北を過ぎ、大きな川を渡る。
「春木川だってさ」
「ああ、春木か。 昔は春木ケイバってあったんやで」
すぐ左手に松林が見える。
ナビを見ながら、「錦浜公園だね」
その後、泉佐野北~南と通り過ぎ、有名な 『紀ノ川』 を渡ったあと 『紀ノ川SA』 で停車。
‘レストランてまり’ で少し早めの昼食にする。
Nは ‘めはり寿司’ のついた紀ノ里弁当、私は ‘和歌山ラーメン’ を注文する。
初体験の和歌山ラーメンは、ネギ・チャーシュー・シナチクの乗った、濃い茶色をした少々コッテリ系しょうゆ味のスープ。
トンコツベースなのか鶏・魚系ベースなのかハッキリ判らない、ビミョーな美味しさに満足♪
ただ、となりにドヤドヤとやってきた白装束 (熊野詣か?) のオバサン達のグループが異常にうるさく、食べ終わる頃にはすっかり萎えてしまった

SAを出て高倉山トンネルを越える。
ほどなくラジオの合唱コンクールが終わり、続いて ‘邦楽のひととき’ に変わる。
‘この番組になった途端チャンネルを変える人って多いだろうなあ’ と、毎回考えてしまう。

雨山トンネルを抜けると阪南市。
いつの間にか、紅葉した山々に四方を囲まれている。
10分ほどして和歌山IC。
「ハイッ ここから和歌山県♪」
「モリノブオのクルマ、初の和歌山県でーす!」
いつになくルンルン気分のNだ。
外の気温は16度。
クルマの中はけっこう暑く (寒いと思って厚着してきたせいもあり) 時おりクーラーを入れる。

和歌山ICで高速を降り、ここから少々迷いつつ 『加太(かだ)』 へ到着。
JAの駐車場にクルマを停め、すぐそばの加太駅へ行く。
駅前の古いミヤゲ屋を眺めながら、10年前に来た家族旅行をなつかしく思い出す。

ミヤゲ物屋の前の小さな観光案内所で、加太までの定期船の時刻表が貼り出されているのを発見。
13時の乗船時刻に間に合いそうなので、あわててクルマに乗り込み ‘加太港’ 目指して出発。
迷いながらも、なんとか時間までに辿り着く。
近くには、10年前みんなでお昼ごはんを食べに入った ‘あたらし屋’ もあり、なんとなく嬉しかった。

船着場には、なにやら聞きなれぬ音楽が流れている。
♪連絡線の~ ああ磯ノ浦ぁ~
 忘れられない恋だからぁ~

やがて桟橋に入ってきた友ヶ島汽船 ‘ともがしま’ に乗り込む。
お客は私たちの他に、黒い半そでTシャツ姿の男の子が1人。
船内には和服姿の女性のポスターが張られており、『山口智世 ~ 友ヶ島情話』 と書かれていた。



天気が良いので甲板へ出る。
エンジン音をとどろかせ、白い波しぶきを上げながら走る。
はるか頭上をトンビが横切り、波に削り取られた跡が荒々しくむき出しになった島が横たわる。
もう1人の男の子 (大学生っぽい) も、時おりケータイで写真を撮りながら、甲板でのひと時を楽しんでいるようだった。


ちょっと疲れたので続きはまた明日・・・・
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848    ジャパンカップ

2007-11-25 23:14:17 | Weblog
※ 馬が走るわけでも無いのに、この人出。
  「きょうはダービーめでたいな~」  クリック♪


朝からツイてない・・・・・
脱衣所の足ふきマットの上にはトビオの○○○がコロン。
洗たく後の洗濯機の中からは、グチャッと折れ曲がった980円残高のラガールカード。
里芋の煮っ転がしも、ちょっと目を離したすきに半分ほど焦げつかせてしまう。

(これはあまり幸先よくないなぁ・・・・

NHKのど自慢を見ながらお昼ごはんのあと、坪井5級は連盟へ。
そして我々は 仁川 へと向かう。


そう・・・きょうはジャパンカップの日なのだ
と言っても、私もくわしくは知らないので下記をご参照ください。

ジャパンカップ


競馬場へ着くと、さすがに昨日よりも人が多い。
早速馬券売り場へと向かった。

タバコのけむり臭い売り場では、競馬新聞をにぎりしめたオッチャン達が真剣な表情でオッズの画面を見上げている。
私は今朝までに考えておいた路線で買うつもりなので、それほど真剣に見ない (見てもあまりワカラナイのだ)
さっさとマークカードに記入して窓口へ行く。
スッと差し出した私のカードをジッと見つめる係りのオバサン。

(へ? また何か間違ってるのかなあ

すると
「これ、番号が若い順に全部書き直しときますけどいいですか?」 と聞かれる。
意味がわからなくて黙っていると
「10-9 や 10-2は、9-10、2-10という風に、小さな番号のほうから書き直しておきますね」

(ああ、そういう事か・・・)

でも、まだ少し不安だったので
「あの、それどちらが1着でも2着でも大丈夫なんですよね?」 と念を押す。
するとオバサンは若干にこやかな声で、「ええ、どちらでも大丈夫ですよ。 この券に打ち込む番号の順番が変わるだけですから」

「ハイ、どうぞ」 と馬券を渡されホッとする。
背中を向けて立ち去ろうとすると、「どちらが来ても大丈夫ですからねー♪」 の声。
よっぽど頼りなく見えたんだろうな。

Nのところへ行くと、まだ迷っているようだった。
「まだ考えてるの?」
「・・・・・ウン」
「あんまり考えすぎると外しちゃうよ」
「・・・・・・・・」
「私なんか、色々迷ってあせってヘンなの買っちゃわないように、ちゃーんと昨日から考えてたのに入れたよ」
「・・・ちょっと、今考えてるところだから静かにしとって!」


へえへえ、わかりましたよ


やっと決まって外の観覧席へ出る。
きょうは風もなく穏やかなよい天気。
15時20分発走までの30分ほどの間、大スクリーンで 東京・京都・中京の実況中継をノンビリと観る。
こういう時間もなかなかイイものだ♪
時おり、パドックを歩くメイショウサムソンやウォッカの映像が映り、気分も徐々に盛り上がる。

やがてファンファーレの音と共に、第27回ジャパンカップ(G1)が始まった。
各馬いっせいにスタート。
真っ先に飛び出したのはチョウサン。
さっきまで、「ヘンな名前だねえ」 「馬主が長島ファンなんかな」 と言っていた馬だ。
本命のメイショウサムソンは遥か後方。
(でも武豊がきっとやってくれるさ) と期待をこめつつ気持ちを静める。
それにしても、18頭だてのレースはさすがに ‘各馬入り乱れて’ という感じだ。
ダート2400メートルというのも、けっこう長い。

いつのまにかチョウサンが追い抜かれ、ポップロック、アドマイヤムーンが出てくる。
これはこれでウレシイ展開なのだが、肝心のメイショウサムソンがなかなか来ない。

(オ~イ! もうそろそろ来てくれないと困るよぉ)

もう1頭、当日急に気になって買ったインティライミの姿もない。
(ア~ア・・・・Nのひと言を聞いた私がバカだった)


結果

1位アドマイヤムーン
2位ポップロック
3位メイショウサムソン



客席もシーンと静まり返っていた。


ちょっとガッカリしながら競馬場をあとにする。
Nは何やらゴチャゴチャ買っていたおかげで、わずかながらプラスのようだった。
私も負けずにガンバロウ!

帰り、仁川の川沿いにあるクラシック喫茶 『コンツェルト』 へ入る。
ここは上品なお店なので、とても馬の話しなど出来るような雰囲気ではない。
店内に響くモーツアルトに耳を傾けながら、おとなしくロイヤルミルクティーを飲む。


さあ!
次の有馬記念まで勉強勉強



ルンルンなつかし劇場

きょうはこんな雰囲気・・・
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847      きょうは1人で仁川へお散歩

2007-11-24 23:34:40 | Weblog
※ 柵に片足をかける小さな男の子。
  もうすでに ‘競馬場通いのオッサン’ の雰囲気を漂わせている。
  クリック♪


夜中、寒さで2回ほど目が覚める。
この分だと、今年は電気シーツが必要かも知れない。
湯たんぽという手もあるが、私にはちょっとメンドクサソウな気もする。

午前中、将棋教室の合い間に山崎医院へ行く。
きょうは少し混んでいて10人待ち。
しばらくすると、どこかで見たことのある男性が入ってきた。
ジロジロとそこいらを見回したあと片隅のソファーへ腰かける。
ポケットから取り出した紙を広げ、壁のほうを向き背中を丸めながら読んでいる。
首をウーンと伸ばして覗いてみると・・・・虫メガネで競馬新聞を読んでいるのだった。
(えっとえっと・・・あ! 参道の××××のオジサンだ)

今はもう潰れてしまったウドン屋の店主で、2,3年前までは日がな一日ブキミな声で客引きをしていた。
「よ~お参りです」
「おいしいオデンもございます、見晴らしのいい座敷もございます」
以前にも書いたが、母と2人で秘かに ‘客取りホイホイ’ と呼んでいたあのオジサンだ。
山崎医院でも1度会っているが、その時はあまり観察できなかった。

きょうは、私のとなりのオバアサンにしきりに話しかけている。
「この間のソリオのお祭り、行きはった?」
「ハア」
「たくさんのグループが来てはったけど、みんな歌詞書いた紙を見て歌うんやな。 まあ90番まであるんやから覚えるの大変かも知らんけど・・・ワタシやったら70番くらいまでは覚えてますわ」
詩吟クラブの事のようだ。

「おどりはもっと大変やでえ。 ホールの使用量が20万円以上やから、出演する人達はみんな2万円以上払わなアカンらしいわ。 その上、色んな衣装だのなんだので大変なこっちゃ」

そんな話しに耳を傾けている間じゅう、引っきりなしに患者さんが入ってくる。
いつもはほとんどオジイサンオバアサンばかりなのだが、きょうは働き盛りの男性や若い夫婦、一家揃っての患者さんが多い。
フシギに思って見ていると、ほとんどがインフルエンザの予防接種に来ているようだった。
今年は ‘ロシア型’ というのが主流だとどこかで聞いたが、耳慣れない響きでちょっとコワイ

そのうち私の番が来て診察室へ入る。
血圧は正常とのこと。
「体重のほうはどうですか?」
「ハイ、あの・・・今ピタッと止まってしまってるんですけど」
山崎先生はハハハと笑い
「そう、止まっちゃった?  まあ、あまりムリの無いようにガンバリなさいね」

待合室へ戻ると、客取りホイホイとオバアサンはまだ喋り続けていた。
「荒神さんもなぁ、前はこんなんや無かったんや。 中山さん(中山寺)は色々考えてはるからなあ」

「荒神さんは天皇陛下とおんなじで世襲制なんよ。 親子代々で受け継いでいきよるもんやから工夫というもんをせんのやな。 中山さんは外から人を入れる順番制やから、荒神さんに比べると色んなことをやって努力するんよ。 エスカレーターとか、ごっつい納骨堂とか」

「ワタシは夜学の大学に通って10代の頃からウドン屋しよったんよ。 2つ3つのローン抱えとったけど・・・・田中角栄の時代はめちゃくちゃ景気よくてなあ、その時いっぺんにローンも返したわ」

「その頃はそりゃあゴッツイ賑わい方やったで。 正月なんか特に混むから、大阪や神戸の人達は1月やのうて2月に初詣に来るんや。 だから昔は1月2月と立て続けに忙しかったんやで」

もっと聞いていたかったが、受付で名前を呼ばれたのでクスリを受け取りそのまま帰る。
(人に歴史ありだなあ・・・)

午後の教室のあいだ、どこかに出かけようと思い外へ出る。
風もなく、穏やかなよい天気だ。
(どこか散歩でもしたいな、どこがいいだろう・・・) と考えているうち、ふと仁川の○○場を思いつく。

宝塚から乗り換え、『阪急仁川』 で降りる。
(明日はジャパンカップというのがあるから、場外で来ている人達も多いはず) と読んでの行動だ。
馬券なんか別に買わなくてもいいし (初めての場所なんかで買えっこない)
敷地内や館内をブラブラ出来ればいいやと考えたのだ。

競馬場入り口に新聞売り場があり、皆そこへ立ち寄ってサッと買っていく。
私もマネして売り場の前に立った。
「ハイ、何にしましょう!」  すかさず売店のオバサンにうながされる。
新聞と言えば、「ダービー」 か 「キンキ」 だけと思っていたのだが、他にも数種あってどれが良いのかワカラナイ。
困ってしまって、「あの・・これ全部競馬新聞ですか?」 と尋ねる。
すると、「そうですよ。 もしかして初心者のかたですか」 と言われ、ハイそうですと答える。
「それならね、この 『エイト』 が1番わかりやすいですよ」 と指し示す。

(アレ? でもさっきみんなが買っていってたのは、こんなカラー刷りの新聞じゃなかったぞ)

「オジサン達が買っていくのは、こっちの 『ダービー』 のほうですよね」
「そうそう、オジサン達はダービー。 でも女の子はこっちのエイトのほうが見やすいのよ」
考えた末、「じゃあ2つ下さい」 と言う。
「ハイ、じゃあ2つ。 820円ね」

ドッヒャ~!!  高~~~


観覧席に出ると、想像以上に人が集まっている。
スクリーンでは、中京と東京からの中継を交互にやっているようだった。
私もオジサン達の横に座って新聞を広げるが、どこのページのどの表なのか、まるでワカラナイ。
しかし他に頼る者もないので、一生懸命スクリーン画面と新聞とを見比べる。
なんとか探し当てたと思って喜んでいると、もうそのレースは終わり。
又あれこれページをたたんだり引っくり返したり、落ちたページを拾っては又落としたり・・・
なんだか1人ガサゴソしているようでみっともない。
あきらめて、そこらをうろつく事にする。

するとそこへ、「ただいまスカイパークのポニー乗り場で、馬車の試乗会を致しております」 のアナウンス。
よくワカラナイが行ってみることにする。
スカイパークというからには上のほうだろうと、どんどんエスカレーターを上がる。
が、ふと・・・(馬をそんな高いところへわざわざ上げるだろうか??) と思い、トイレ掃除のおばさんに聞いてみると
「スカイパークは下よ。 芝生の広がってるところ」
ダッシュでエスカレーターを駆け下りる。

なんとかポニー乗り場へ辿りつく。
立派な栗毛の馬が、子ども連れの家族を乗せた馬車を引っぱりながら、狭い囲いの中をユックリ歩いている。
1周まわったら次の家族と交代だ。
係りの男性に 「どうぞどうぞ」 と勧められるままに列に並んだが、10分ほど並んでガマンしきれなくなり列を離れる。

芝生を歩いて行くと、みな背中を丸めて座ったり寝転んだり、思い思いのカッコウで競馬新聞を読んでいる。
私もちょっと座ってみたが、新聞を広げてもチンプンカンプンなのですぐに飽きてしまった。

館内に入ると、沢山の人達がオッズの画面を見ている。
私も一緒に見ているうち、なんだかちょっと買いたくなってしまった。
ちょうどJCダートの11レース開始前、(どうしようかな~) と思いつつ見ているうち、結局買うことにした。
新聞の推奨する3連復を買おうとマークカードに記入するが、周りでは誰も券売機で買う気配がない。
(20分前じゃ早いのかなあ) と思い、もう少し待つことにする。
そのうち10分前になったが、やはり誰も買おうとしない。
10分を切り、(さすがにこれはオカシイぞ) と思って券売機に近づくと・・・
どの機械にも全部、‘発売中止’ のマーク。

あせって隣りのフロアへ移ると、そこでみな平和に買っていた。
やれやれと思いお金とマークカードを入れる。
が、カードがピーと言いつつ戻ってくる。
(あれ? あんなに確認しながら書いたのに・・・何が間違ってたんだろ)
戻ってきたカードを手にとって眺めようとすると、券売機のトビラがあいて係りのオバサンから 「どうしました?」 と尋ねられる。
オロオロしながら、「なんか・・・間違っちゃったみたいで」 と言うと、私の手から券を引ったくり
「買うのは明日のレース? それとも、きょうのレース?」 と聞かれる。
「きょうのです」 
「東京? 中京?」
「東京です」
「何レースを買うの? 11レース? 12レース?」
「あの、11レースを・・・」

かなり情けない会話を終え、それでもなんとか馬券をゲット。
他にも買いたかったのだが、ドンくさいので買っている最中に時間切れとなり、「ゴメンナサイね、もう終わっちゃったの。 精算ボタンのところを押してね」 と言われる。

私は知らなかったのだが、筆頭に選んだ馬の乗り手は武豊だった

1着でゴールしたのだが・・・・・・・・残念ながら取れなかった


ほんのわずかな金額で結構ドラマチックな時間を過ごせた。
もっと勉強して再度トライしたいものだ。


夜はHIROへ。
坪井くんが泊まり。


ルンルンなつかし劇場

きょうのブログのテーマにピッタリ♪

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846         ぶはらと王子動物園

2007-11-23 22:19:31 | Weblog
※ 王子動物園のゴリラ。 どこか物憂げに見える。
  クリック♪


午前中、たまっていた汚れ物の洗たくをする。
寒くなってくると、どうしても水仕事をサボりがちだ。
食卓テーブルの上の散らかりかたも相変わらずヒドイ。
「ちょっとォ! ここ何とかしてよ、あんまりひど過ぎるよ。 人が生活する場じゃないよ」 と大声を出すと
「でも、それ全部アナタのもんやで」 とN。
(??) と思ってよ~く見直してみると・・・・
確かに8割がたは自分のものだった。
(そっか・・・) と反省して半分の4割ほどを片付ける。
それでも、雑誌・湯のみ茶碗・クツ下(もちろんキレイなの)PC・N関係のものなどで、テーブルの半分以上はふさがったまま。
風水的に見ればサイアクの環境かも知れない・・・・

きょうも2人揃ってオフなので出かける事にする。
「こんなに毎日出歩いててイイのかなぁ」
ちょっぴり後ろめたい気持ちでつぶやくと
「いいやん。 季節のいいうちはドンドン出とかんと・・・寒くなったらどうせ何処へも行けなくなるんやから」
毎年毎回聞かされるセリフだが、別に冬場だからと言って非活動的になるワケでは無い。
遊ぶための単なる言い訳なのだ

行き先がなかなか決まらない。
という案も出たが、きょうはもう1つ気乗りがしない。
すると突然Nが 「ぶはらのカレーを食べに行こうか!?」 
これで決まった

電車で西北まで行き、そこから神戸線に乗り換え、『阪急 岡本』 で降りる。
ケーニヒスクローネやケルン、ドンクの前を通り過ぎて 『ぶはら』 へ到着。
ブキミな人形の飾られた隣りのタイ料理店を見て、チラリと浮気したくなるが、Nにいさめられ大人しく 『ぶはら』 へ入る。

開店少し前に入ったので先客は無し。
2人共ホリデーランチというのを注文する。
4種のカレーの中から、Nは ‘ラムカレー’ 私は ‘エビのカレー’ を選んだ。
テーブルの上には銀の器があり、赤唐辛子、岩塩、カルダモンポッド、クミンパウダー、マサラ、フェンネルシード、セロリシードなどのスパイスが入っており、自由に振りかけられるようになっていた。

まず最初に サモサ とトルコサラダが到着。
サモサは2つ、緑色のコリアンダーソースとケチャップが添えられている。
ぶはらに来てコレを食べない手はない。
軽い食感でペロリといける♪
そして、それ以上に私が好きなのがヨーグルトで和えたトルコサラダ。
一瞬、(え? ヨーグルトォ・・・) という感じだが、これがなかなかオツな味で、「もう一皿食べたい!」 と思うほど後を引く味なのだ。
そしていよいよメインのカレーが登場。
下から小さく炎が見える銅の器に入って運ばれてくると、もうシアワセいっぱい
私の注文したエビカレーは、マイルドでいくぶんサラッとしている。
スープとしても充分にイケそうな味だ。
それに比べ、Nのラムカレーはもっとスパイシー。
いかにも ‘カレー’ という感じで、これはこれで美味しそう。
最後にポットに入ったチャイが出るのだが、これだけはどうしてもニガテなのでパス
チャイ好きのNが全て飲み干してくれる (便利だなあ)

帰り際、レジの店員さん(若い男の子、マジメ) に思いきって尋ねてみる。
「あの・・・実はウチに ‘ブハラ・トランペッター’ っていう名前のハトがいるんですけどね」
「はぁ・・・ (キョトンとした表情)」
「実際ブハラには鳩が多いもんなんですか?」
「・・・・・・・・」
「いや、アハハ。 店名みて急に思い出したもんで・・ワカンナイですよね、こんな事」

自分で尋ねて自分でオチをつけようとする気弱な私。
隣りに立っていたもう1人の店員さん (私と話している子の先輩格)は、聞こえないフリを決め込んでいる。
なんとなく気まずい空気が漂い始めた頃、ようやくこんな答えが返ってきた。
「ウチは食べ物の店ですので、そういう事はわかりませんね」

それりゃモットモだ。
だけど・・・あまりにもモットモ過ぎるなぁ
きっと私と違ってマジメなんだろう・・・・


その後、岡本駅まで戻り、腹ごなしも兼ねて 王子動物園 へ行く。
阪急王子公園駅から動物園までの途中、‘ヴィッセル神戸’ の垂れ幕のかかる 『王子スタジアム』 前を、楽器を抱えた学生やユニフォーム姿のチアリーダー達が懸命に走ってくる。
競技場でアメフトの試合があるようだった。

動物園へ着くと、めずらしく家族連れで賑わっている。
きょう初めて、ガラス越しでない場所でジャイアントパンダを見る。
かなりの至近距離だ。
いかにも横着そうなカッコウで仰向きながら、ムシャムシャと笹をかじっている。
正直言って、ジャイアントパンダがこれほど可愛いものだとは思わなかった。
今まで他の動物園などでも見たことはあったが、きょうのは特別だ。
あの ‘ダラシなさ加減’ ‘ふてぶてしさ加減’ は、母性本能をストレートにくすぐるものがある。

その後、平和な カピバラ
1日に3万匹以上のアリを食べるという オオアリクイ
意外に人気度の高いカバ
砂ぼこりを上げて押し合いを続けるサイ
毎回写真の撮りにくいダチョウ
一見おとなしそうだが、機嫌を損ねるとツバを引っかけてくる ラマ
他にも、意外とカワイイホシガメ
初めて見る シロクロコロブス
中国奥地、チベット高原から四川省などの海抜4500m~5000mの草原、山地などに生息するという ウマグマ
アフリカ、シリアの岩場に生息、ツチブタなどの巣穴を棲家とする ケープハイラックス
ワッサワッサと長いトゲを背負った アフリカタテガミヤマアラシ
きょうはなぜかボンヤリした表情の ホッキョクグマ
昭和30年に来園した国内最長寿のチンパンジー、ジョニー君などなど・・・・


いやあ、心底癒された
やっぱり動物はイイなぁ・・・・・・・・

帰り、西北で下車して、Nがジュンク堂へ行っているあいだ新響楽器で楽譜を探す。
「ピアノの広場 1」
「先生と生徒のれんだんコンサート~こどものジャズ名曲集」
大村典子ファミリーピアノ連弾集6 きらきらステージ
「WAKUWAKUおんがくドリル」  「WAKUWAKUおんぷ読みドリル」 を購入。

ジュンク堂へ行き、面白いカレンダーを見つけたので3冊購入。
岩合光昭さんの 「いぬ・ねこなかよし 憲法9条カレンダー」 


ああ、きょうもブログ入れにすっかり時間を費やしてしまった
明日からはもっと簡潔にしよう。


ルンルンなつかし劇場

‘家庭の明るい団欒のひと時’ という感じがすごく伝わってくる音楽
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845     高源寺 ・ 円通寺

2007-11-22 22:40:52 | Weblog
※ 青垣町 『高源寺』 境内にて、冷たい雨に打たれつつ、地面のモミジを写すN。
クリック♪


2人ともオフなのでドライブ (毎日オフなような気もするが)
遠出してモミジでも見たいなあというNの希望で 高源寺 へ行く事になった。

長尾山トンネルを抜け、三田に差しかかった辺りで小雨がパラつく。
「アリャ、こらイカンなあ・・・チェッ!」
Nが珍しくボヤいている。
その後も降ったり止んだりのままで篠山市に入る。

「そういえば、今頃また恐竜の発掘してるんと違うかなあ」
「あっ、そうか~。  ちょっと見てみたいなあ」
「じゃあ帰りにでも寄ろう」

こういう場合、予定通りきっちり立ち寄って帰るというパターンはまず無い。

追入の表示板が出たあと新鐘ヶ坂トンネルを抜け、廃墟街道に差しかかる。
くもり空の下、生い茂った雑草の向こうに見える○○苑入り口の、半開きになったままの自動ドアがブキミだ。

柏原へ入ると12時近かった。
本当は駅前の 『桂馬寿司』 へ入ってみたかったが、Nがもうひとつ気乗りしないようだったので、手前の 『大連飯店』 へ入る。
Nは日替わり定食、私はヤキソバを注文。
ここの女性店員さん達はみな愛想がよく、「ラーメン定食イーガ! 焼き飯定食イーガ!」 の声が店内に響き渡る。
(イーガ=1个 1つという意味)
「 ‘ロマン柏原’ というバラの香りの紅茶です」 と言いつつ差し出されたサービスのお茶がとても美味しい。
窓の外には背丈ほどに伸びたダチュラが植わっており、クリーム色の大きな花が冬の日差しに透けながら、重そうにぶら下がっていた。

大連飯店を出てしばらく行くと176Rから7Rに変わる。
そして間もなく ‘氷上市’ の表示板。
以前までの ‘氷上郡’ のほうがゴロが良かった。

さらに20分ほど走って 『高源寺』 へ到着。
車を降りると驚くほど寒い。
その上あいにくの雨だが、それにも拘らずモミジ狩りの観光客の姿は
多い。
赤や黄色のモミジがペッタリとはりつく苔むした急な石段を、「すべらんように、ゆっくり登らなアカンで」 と声を掛け合いながら登るオバアサン達。
「ハア・・・・まだ上までずいぶんあるんやなあ」 とボヤきつつも、杖をつきつつ案外スタスタと登っている。
こういうところへ来る老人はみんな元気なのだ。
小さな柴犬を連れながら写真を撮る男性の姿も見える。

やっと本堂のある頂上に辿り着いた。
体はすでに冷え切っており、指の先がちぎれるように痛い。
時折り激しく吹きつける風とともに雨は降り続ける。
1本しかない傘を私がさしているので、Nはベチョベチョに濡れながら写真を撮っていた。

この高源寺は、 『天目楓』 という、杭州(中国)より持ち帰った種から育てられた楓で有名なのだ。
境内には数種類の楓が植わっているが、中でも1番葉の小さい黄色いものが、その天目楓のようだった。

ベチャベチャの地面を足を冷たくしながら歩き回っていると、先ほど石段で見かけた柴犬を発見。
すぐそばでは、飼い主の男性が傘をさしたまましゃがみ込んで、鐘楼の写真を熱心に撮影中だ。
柴犬は見るからに賢そうで、ご主人の横にピタッとくっついて辛抱強く待っている。
あまりにカワイイのでジッと見ていると、写真を撮り終わった飼い主と目が合った。
「かわいい柴犬ですね」 と声をかけると、照れたように 「ハア、どうも」 と答える。
椎名誠と楳図かずおを足して2で割ったような顔の男性だ。
「ここは何度も来てらっしゃるんですか」 と聞くと、きょうで2回目との事。
「2週間前にも来たんですけど、その時はまだ全然早過ぎてダメでした。 きょうだと・・・ちょっと遅かったかな」
「ここへ来るまえ円通寺へ寄ってきたんですけど・・・写真同好会のような人達でいっぱいで・・・ずいぶん粘って待ったんですけどダメでした」
良さそうな人だったのでもっと話したかったのだが、寒さで口がうまく回らないのと、あまり撮影のジャマをしては悪いと思い、お礼を言ってその場を去る。
最後に柴犬へ向かって 「バイバーイ」 と手を振ると、その男性も柴犬の手を握って、小さく 「バイバーイ」 とテレながらつぶやいた。
本当にいい人だった (Nなら絶対にしない)

すっかり冷えきって駐車場へ戻ると、すぐそばに張られたテント内で地元の物産品を売っていた。
1番手前では、串に刺した アマゴ を、頭にタオルを巻いた男性がパタパタとウチワで扇ぎながら焼いている。
25センチほどある大きなアマゴで1本300円。
迷わず買ってハフハフ言いながらかじりつく。
食べ終わって熱々のお茶を飲み干すと、体の芯まで温まった。
その後、となりの店でNだけが甘酒を飲む (私は甘酒がニガテ)
テントを出ると、今度は ‘鯛焼き’の露店に目がいって、またまた買ってしまう。
オイシかったが、きょうはこれだけで相当のカロリーオーバーだ

やっと車に乗り込んで出発。
走り出した途端、それまで降っていた雨が上がって青空が見え出した。
N 「わぁーっ! 晴れてきた!!  円通寺に行く?」
冷えきった体がせっかく温まってきたところだったので、「ええー? もう寒いからイヤだなあ」 と答えるが、「エッ?! でもモッタイナイで、こんないい天気になったのに。 行こう行こう!」

やたらとハリキる人間には逆らえない。
足の先が冷えてジンジンしていたが、仕方なく 「・・・・ウン」 と答える。

田畑の真ん中を突っ切ると、円通寺はすぐそばだった。
観光バスが何台も停まり、大勢のグループが連れだってゾロゾロ歩いていく。
ひなびた光景を思い描いていたので少々ビックリ。
山門をくぐってすぐの場所で、三脚を据えたカメラマンが、なにやらエラそうな感じで若い女性に指導中。
「ホラ、丁度ここがポイント。 うん、もう少し右、そうそう」
やっとセットし終わった頃、カメラを向けた先から騒がしい一団がやってくる。

「バーチャンの足元、気ィつけたってやー!」
「ホラ、何してんねん! アブナイでえ」
「ケンっ! 走ったらアカンて」
「ホラホラ、あぶないからバーチャン見たってえ~!!」

そして、据えられた三脚の真ん前で繰り広げられる光景。

「ほらッ! リカちゃんリカちゃん早よ来て来て・・・はいっポーズ♪」
「ケンも早よおいでー! 写真撮るでえ!!」
「リカちゃん、ホラもう1枚・・・ハイっ行くよ~、ポーズポーズ」
「待ちなさいケンちゃん! そこに立って立って・・ホラ早く早く・・はいっ、ピースして~」

マンガのような光景で、呆れながらも楽しかった

高源寺の紅葉に比べるとこちらの紅葉のほうが見事だったが、またもや天気が崩れだし細かい雨がパラつく。
境内の隅に水琴窟があったので、長い竹筒に耳を当てて聴いてみる。
そばでお守りなどを売っている男性が、「きょうは雨降りやから、音がちょっと速めですわ」
本堂前では投稿俳句の箱が設置してあったので、Nを誘ってムリヤリ3句ひねる。

「人去りて やがて寂しき もみじかな」

裏手に回ると見事な枝振りの枝垂桜があり、立て札には ‘200年前のイトザクラ‘ とある。
こちらは来年の春、ゼヒ見に来たい。
池の縁にそそり立った樹齢700年の天然記念物 ‘円通寺の大杉’ も見事だった。
境内からの坂道を降りていると、そばを歩いていた年配の女性が 「あっ、虹!!」 と叫ぶ。
見ると、はるか彼方に、かなり大きな虹がかかっていた。
「虹を見るのはずいぶん久しぶりだね~♪」

坂を降りきったところで、地元産のカブラを二株買う。
後ろではNが蜂蜜を買っていたが、その横のカゴにハヤトウリがゴロゴロ入っていて、‘ご自由にお持ち下さい’ と書いてある。
これはとっても美味しいので4つほど頂いた。

車に乗り込むと、またまた青空が広がった。
Nが恨めしそうな表情だったが、今度こそ本当に帰らなければならない。
途中1回、コンビニの駐車場で仮眠をして6時前に帰宅。
朝、少し元気のなかった源さんが元通りになっていたのでひと安心する。


夕飯のあと、予約していた本を取りに宝塚へ。
そのあとHIRO。


ルンルンなつかし劇場

クシャミをするたび思い出します

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844      いっ時あん   

2007-11-21 22:13:01 | Weblog
※ 朝、さわやかな目覚めと共にリビングへ入ると、テーブルの上がこんな荒んだ状態に!!
でもまあよく考えてみれば、普段とそんなに大差ないかも・・・・
クリック♪


午前中、宝塚へ出る。
Nが銀行へ行っているあいだに阪急の地下で買い物。
パンネル が出ていたので、久しぶりで山食を買う。

宝塚からそのまま中山寺方面へ向かった。
行き先は いっ時あん 
店の真横の駐車場を見逃し、業務用スーパーの駐車場でUターンする。
座敷とテーブリ席があり、座敷のほうを選んで座った。
ほどよい和風感覚の部屋に先客は無く、店の人の姿も見えないので、ノビノビとくつろげる雰囲気だ。
Nは 『そばセット』
私は 『十割そば』 と 『そばの実おこわ』 を注文。

あまり待たされる事もなく注文の品が到着。
お店の人から、「こちらでのお召し上がり方は初めてですか?」 と聞かれ、そうだと答えると、色々と親切に教えてくれる。
小皿に入った塩は、「お箸の先でちょっと取ってお蕎麦に振りかけて下さい」 との事。
あと、「ワサビは本ワサビで、つけつゆに入れると香りが消えてしまうので、お蕎麦にチョンとつけて召し上がって頂くと良い香りがいたします」 との事。

フムフム・・・・なかなか勉強になるのだ
店の人の説明も親切で、ちっともエラそうなところが無いのが気に入った。

お蕎麦はかなり細めで、うっすらと緑がかっている。
最初の2,3口だけお塩とワサビで食べるが、やっぱりつけつゆで食べるほうがオイシイ♪
竹の皮に包まれた ‘そばの実おこわ’ もシンプルな味わいで、ツブツブの蕎麦の実が入ったおこわの上に大きな黒豆が3つ並んでおり、見た目にも美しい。
その上、Nのセットに付いていたダンゴ状の揚げ物を食べると、けっこうお腹いっぱいになった。
あとで出てきたそば湯も、うす過ぎず濃過ぎず、ちょうどいい塩梅だ。
蕎麦専門店にしてはリーズナブルなお値段、店の雰囲気も店員さんの態度もよいし、また行きたいなと思えるお店だった

帰宅後、ふき のスジ取りをして翡翠煮を作る。
私はなぜか、里芋のぬめり取りや大根をお米のとぎ汁でゆでたりという、いわゆる ‘下ごしらえ’ をするのが大好き
枝豆のさや切り、ねり物の油抜きというのも全く苦にならず、ルンルン気分でハリキッてやってしまうのだ。
そしてこういう事は大体、買い物から帰ってからすぐ、疲れ果ててトビオや源さんに囲まれて眠っているNの横で行うのが恒例となっている。
逆にニガテなのは ‘盛り付け’
せっかくオイシクできた料理も、盛り方次第でそれ以上にも以下にもなるが、私の料理はいつも 「以下」 になっている気がしてならない。
でも世の中には、そうオイシクないものを 「以上」 で出している主婦も大勢いると思うので、どちらが良いのかワカラナイな~


夜のレッスンが終わりHIROへ。
こっそりとスポーツ新聞を読んでしまった



ルンルンなつかし劇場 


これも今となっては懐かしい

 
コメント (2)
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