※ 大名草庵からの帰り際、何かを質問中の中尾七段。
「あの植物はなんやろねー」
「えっ? ススキですやーん」 という会話ではない。
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24日(月)
朝日朝刊の1面に菊花賞の写真が大きく出ていた。
もちろん史上7頭目の3冠馬となったオルフェーブルがメインだが、4着に迫ったコマンドハーバーとキムタケもちょこっとだけ写っていた。
そのあとT整形へ。
わりと空いていてホッとする。
きょうは久々の大名草庵(おなざあん)行きなので、金太郎にミニコーンをやって9時半過ぎに家を出る。
前日に引き続き、この日も暑そうだ。
家を出しな、Nが着る物のことでグズグズ迷ってばかりいるので叱り飛ばす。
途中、赤松PAで休憩するが、とてもキレイになっていてビックリした。
惣菜パンや揚げ物のコーナーがすばらしく充実しており(大食漢の男性ならきっとよろこぶ筈)、私たちもつられて、タラコマヨパンと赤松コロッケを食べる。
お昼ごはんの開始まで2時間以上はあるので余裕のよっちゃんだ。
高速沿いには黄色いセイタカアワダチソウが目立つ。
紅葉にはまだ早いが、ところどころ茶色く染まりだしている木も見える。
今が1番楽しみな季節だ。
11時に青垣IC到着。
一般道へ降りて間もなく、パラグライダーの看板が現れた。
安用寺五段と教室のY本さんを思い出す。
<丹波 もみじの里 高源寺> と書かれたオレンジののぼりが見え出す。
気温は19度。
時間もたっぷりあるのでちょっと寄ってみることに。
赤いサルビアの咲きそろった駐車場に車をとめて歩き出すとすぐ、剥げかけた朱塗りの紅葉橋に出る。
入り口にデンと座る仏像さまの前に、小っちゃな柿が1こ、コロンと供えられていた。
山門から石段の続く境内を見上げると、まだ青々としたもみじが幾重にも折り重なっている。
紅葉にはまだまだだが、これはこれでまたなんとも美しい。
以前来た時はそぼ降る雨が冷たくて、石段へへばりついた色とりどりのモミジを、寒さに凍えながら写真に撮っていた。
帰りには、石段を降りてすぐの露店で焼きたて熱々のアマゴを食べたはずなのだが、これはどこだったかよく思い出せない。
高源寺
再びクルマに乗り、今度は真っすぐに大名草庵へ向かう。
人懐っこいビーグルの親子が住んでいた倉庫前を通り過ぎると、すぐに
あまご村だ。
そこからさらに奥へと進む。
辺りは広々とした田んぼと畑以外なにも無い。
12時ちょっと過ぎ、大名草庵到着(真っ直ぐに来れば宝塚から1時間ちょっとで着くと思います)
クルマを降りると、気配を察して女将さんが出迎えて下さった。
「わあルンさん お久しぶり~!」
しかし、この瞬間ちょっとビビってしまった私・・・。
理由は、
(お、奥さん・・・・去年よりずっとキレイになってる!!!
)
最近、雪ダルマ式に老化の一途をたどっている自分がなんとも恥ずかしく、なんだかオタオタしてしまった(みっともないなぁ)
マスターの方は以前とまったく変わっておらず安心した。
まだ時間があったので、そこらをちょっと散歩する。
辺りは見渡すかぎりのサンザシ畑で、ツヤツヤした真っ赤な実がかわいらしい。
それにしてもこんなにたくさんのサンザシ、ジュース以外、一体何に使われるんだろうなあ。
畑を下ると、思い出の <ルンルン落っこち川> へ出る。
あれからもうそろそろ16,7年が経つのだ。
パンツグショグショになって引き上げたあの頃は、まだ白髪もなく、少々歩いて足が痛くなるということもなかった。
(あそこに山崎君と増田君が寝てて・・・・ズボンをひざまで捲り上げた和田君が川のあの辺りにいて・・・平田君はどこだったっけな? そして川っぷちのあの辺で、落ちた私に川崎君が手を伸ばしてくれたんだなあ・・・役に立たなかったけど)
今でも鮮やかによみがえる、昔むかしの思い出だ。
12時10分前になったので再び畑へ戻るが、もう一団、まだ来ている形跡がない。
きょうはNの兄弟子の中尾七段、京都新聞のSさん、それに弟弟子の野間五段が揃ってやってくる筈なのだ。
そのうち畑の向こうをウロウロ迷いつつ走る車が見えた。
「あっ!あれや」 とNが叫ぶので、私も大きく手を振って合図を送る。
しかしNがケータイをかけると、一行のクルマは、まだぜんぜん別の場所にいるようだった。
見知らぬオバハンから手を振られたクルマは、そのままどこかへ引き返してしまった。
12時ちょっと過ぎに全員が揃い、さっそく囲炉裏端の特等席へ陣取る。
注文していたメニューは、予約限定の <大名草庵御膳>
目の前には、先ほど見かけたばかりのサンザシやピンクのベゴニアがちょこんとささったカワイイお箸置き。
そこに熱々の蕎麦茶と、ほのかに甘いそばかりんとうが出たあと、
朝採りの丹波の黒豆、田楽ミソの乗ったコンニャク、上品な薄口で炊かれたカボチャとだし巻き、ハム(おいしいけど、なんの肉だか聞くのを忘れた)などの付きだし。
それに、なにやらアメ色にツヤがかった奈良漬風のものが添えてある。
(なんだろう?) と思いつつ口に入れてモグモグすると・・・・・・うわっ、オイシー!!
聞くと、地元の人に教わったショウガの煮付けだそうだ。
これはなかなかの一品です!
続いてマスターイチオシの秘蔵酒 『奥丹波』 登場。(Sさんが間違えて、なんども奥播磨と連呼する)
おおっ! と目を輝かせる男性陣。
下戸の私もひと口だけお相伴させて頂く。
南倍南風に言うと、「う~ん・・・この大名草に吹き渡る秋風のようにサワヤカな中にも、駆けめぐるイノシシのごとき力強さを併せ持つ味」 と言ったところか(イイカゲンですね、すみません)
それから、私の注文していた特製さば寿司の登場。
まずは身の厚さとお寿司のボリュームに圧倒される。
ガブリとひと噛み・・・・う~ん、この味、この香りだー。
Nなんか、人の分までパクパク食べていた。
続いて真打ちの生蕎麦登場。 もちろん十割だ。
まずは、きめの細かな塩をパラリとふりかけて味わったあと、濃い目のダシにつけながらゾゾゾーッと頂く。
秋の日本列島を旅するような、爽やかさと懐かしさが入り混じったような味わいである。
そして次は “みんなで選ぶ大名草庵ベスト3” に間違いなくランクされるであろう <茶碗蒸し>
文字どおりフワフワのトロ~ッで、お味つけも言うことなしのオイシサです。
そして続くは、これもオススメ <かも汁つけ麺>
かも肉と長ネギの浮いた甘辛くコクのある出し汁に、熱々のお蕎麦をつけて頂くシアワセ。
これからの寒い季節にはピッタリの一品です。
ハ~ア、満足満足と思っていると、なんと、デザートまで出していただきました。
そばがき入りの善哉。
もうお腹いっぱいのはずなのに、スーッと胃袋に納まってしまうのが我ながらフシギ。
小豆は、丹波産(お隣のおじさん作)の 『大納言』という丹波名産のあずきとのこと。
本当においしくて、一粒一粒味わいながら完食いたしました。
おいしい食事の合い間には楽しい話題もいっぱい。
マージャン、橋下政権、男の料理(なんと、中尾七段はハモをさばけるらしい)、海外旅行、女にモテない理由、ジャーナリストの泣き所、などなど。
知らぬ間に2時間を超えていた。
そう言えば途中、店の外でドドドドンとすごい音がして、ライダー風のカッコイイ男性二人組が入店。
マスターがハーレスト(ハーレーに乗るという意味)なので、そのお仲間でしょうか。
帰りは玄関先で記念撮影。
マスターが走って出してきてくれた3脚にデジカメをセット。
スタンバイしてニコニコ顔で待つあいだ、3脚がガクッとかしいで一瞬ヒヤリとなった。
中尾七段とSさんを見送ったあとで、お父様やアルフちゃんの話しを聞かせて頂き、そのあと大阪で仕事の野間五段と3人クルマに乗り込む。
窓をあけて外を見ると、マスターと女将さんがいつまでも手を振って下さっていた。
丹精こめて打たれる蕎麦、女将の見事な里料理の数々、どこまでも広がるサンザシ畑とぐるりにそびえる山々、おいしい空気・・・・。
でも、それらを越えてもっと素晴らしいのが、お二人の温かい人柄だ。
ここをご覧の皆さま方にも心からオススメのお店です。
(ご存知の方も多いでしょうが、去年 『人生の楽園』 というテレビ番組にもご出演されました)
最後に大名草庵さんのHPを貼らせて頂きますので、ゼヒゆっくりとご覧くださいませ(なぜか金太郎まで登場!)
大名草庵(おなざあん)
PS 団塊おやじ様、またいつか御一緒させて下さいね
清荒神へ着くと、ようやく秋らしいイワシ雲が広がっていた。
いい1日だった。
おわり