先日の楽天×西武戦に舞いこんで試合を中断させた鳥が何なのか気になって調べてみると
「アカエリヒレアシシギ」という種類の鳥だったらしい。
これだけの数なので恐らく渡りの途中だったのだろうが、先頭のシギが池や沼かなんかと間違えたのかなあ。
どうか全員無事に目的地へ到着できますように。
8月29日
夕方から大阪へ出る。
早く着きすぎたので、どこで時間をつぶそうかとミスドの前でウロウロしていると、急に脇八段から声をかけられビックリ!
なんか、すごくカッコよくて驚いた。
久しぶりに前田アパートへ行きたかったが、まだちょっと暑いので、すぐ前の更科食堂を覗いてみることにした。
ほこりっぽい横断歩道を渡って高架下の食堂街へ入ると時刻は5時ちょっと過ぎ。
ガラス戸越しに中をのぞくと、入口近くのテーブルに4,5人の男性が腰かけ何やら相談中。
店のオーナー夫妻の姿はなかった。
外から写真を2,3枚撮ったあと、他に行くところもないので、とりあえずそのまま奥へ進んでみる。
すると、前方右手に、「coffeeダイヤ」と書かれた看板が見えた。
(ステキな名前だなあ)と思いつつ近寄ってみると、ちょっと古めかしいガラスケースの中に、サンドイッチやスパゲッテイ、ホットケーキやコーヒーのサンプルが並んでいる。
しかもコーヒー紅茶は300円だ。
(ここはもしや、なかなかイイ店なのでは?)と、ほのかな期待を抱き、少し緊張しながらドアを開く。
チリンチリンという鈴の音と共に中へ入ると、ゆるいカーブのU字型カウンターに座る男性客2人と、中央に立つ店主らしきオジイサンから視線を向けられる。
ちょっとドギマギしながら男性客と反対側のカウンターへ腰をおろし、紅茶を注文。
「紅茶はホットとアイス、どっちにします?」と聞かれ、「あ、温かいので」。
そのあと、レモンとミルクどちらか聞かれるかと思ったが聞かれなかったので、まあ両方出てくるかも知れないと思い黙っていた。
目の前には丸い灰皿が置かれ、辺りの空気はタバコの匂いに満ち、それだけでも昭和の雰囲気充分なのだが、部屋の隅にはなぜかピカピカの最新式?テレビが設置されている。
向かいの男性客2人はボソボソと将棋の話しをしているようだったが、途中から急に声のトーンが高くなり
「そういえばなあ、今度のNHK杯でフジイソウタが出るんやで」
「それもな、生中継らしいわ」
思わず耳をそばだてると、相手は森内九段で、始めから終わりまで全部生中継するらしい。
ふーん、そうなのかと思っていると、「ハイ、お待ちどおさま」と注文していた紅茶がきた。
見ると、薄くちぎれかけたようにカットされたレモンが添えてある。
ミルクは無い。
私は本当はミルクティーを飲みたかったのだが、年とったマスターに「ミルク下さい」というのも気が引けて、あんまり好きでないレモンティーをすする。
ほろ苦い味がした。
(ずいぶん古そうな店だから、村山さんも来たことあるかなあ) などと思いつつ、テレビの電化製品の安売り番組をボーッと眺めているとNからtel。
「もしもし、今どこ?」
「あのね、更科の奥にあるダイヤっていう・・・」と説明しかけると
「あー、わかった」 「すぐ行くから」。
へえ、この店知ってたのかと、ちょっと意外だった。
あとで聞くと、「イトーくん(伊藤博文さん)と来る時はいっつもここやから」とのこと。
こんなイイ店、もっと前に教えて欲しかったなぁ。
Nが来て間もなく、うしろのテーブルのサラリーマン風2人組がカウンターのマスターに向かって注文品をのべる。
ひとつはフルーツみつ豆で、あとは何だったか忘れてしまったが、注文を聞いたマスターが「ああ、フルーツみつ豆はできないんです」と答える。
「エッ? みつ豆できないんですかぁ」 と残念そうなサラリーマンの声に、「うん、きょうは豆を炊いてないからできへんねん」。
へえ! みつ豆用の豆って自家製なんだ、すごいなあ。(ふつうは業務用のでき合いのものとか使うんじゃないのかなあ)。
そのあと、「フルーツみつ豆はないけど、フルーツクリームやったらできるよ」。
ちょっと間があって、「フ、フルーツクリームですか」
「えっと・・フルーツクリームって、どんなのですか?」。
歯の抜けたような声で長々と説明されていたが、要するにフルーツサンデーのような物らしい。
そのあとNと話していると、突然ガッチャーンとガラスの割れる音。
驚いて振り向くと、イスにのぼったマスターが、あ~あという顔で床を眺めている。
クリームフルーツ用の器を取り落としてしまったようだ。
店内になんとも言えぬ空気が流れる。
6時前にダイヤを出てホテル阪神へ。
きょうは和食の「花座」で2度目の引退祝いなのだ。
じゅんさいや松茸の浮かぶ椀物、お造り、牛ロースの胡麻味噌焼きなど、おいしく贅沢なメニューに舌鼓を打つが、
白磁の釜に入った「焼き鮎の釜炊き御飯」は本当に美味だった。
そして最後の梨とブドウのデザートを頂きながら、忙しかった夏の日にやっと別れを告げられる気がした。
満ち足りた気分で外へ出て歩きだして間もなく、「あら、モリさんじゃない!」 と声がして振り向くと池〇夫人だった。
ダイヤがすばらしかったという話しをすると、へ~という顔で、「あそこはホットケーキが有名なんですよ」。
やっぱり地元民の情報はすごい。
馬の方はどうですかと聞くと、最近はサッパリらしい。
それなら10月いっぱいまでの園田ナイターへゼヒとお誘いして福島駅前で別れる。
すばらしい1日だった。
おわり