memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

気候変動で“魚飢饉”に

2009-10-15 00:00:45 | 水産・海洋
気候変動が食料としての地先の魚にどのような影響を与えるのか、世界の貧しい国ぐにでの激しい資源減少に警告が報じられている(英 Guradian10月9日)
今後の半世紀で熱帯の魚資源は、地球温暖化の影響で40%減少するであろうと見られている。開発途上国にとっての食料源が危機にさらされている現状が報告された。インドネシア水域は魚の豊富なところとして知られているが、インド洋の環境変化により2055年にはそれが20%にまで落ちこむと見られている。米国沿岸(アラスカとハワイは除外)で操業する漁業者もまた魚資源の減少に直面し、それはチリーや中国でも同じである。

「魚は水温に敏感である。気候変動によって温度が上昇すれば、魚は移動し、いなくなるだろう」遠くへと移動できない魚はその現地で消滅する」とWilliam Cheungはいう。ブリテッシュ・コロンビア大学の“我々を囲む海プロジェクト”は気候変化が沖合いの食物供給にどのように影響するかを研究し、地球的変化と生物誌に掲載された。
しかし総ての海域が失うわけではない。寒冷気候域では30%~70%の増加を見る可能性があるという。ノルウエー、グリーンランド、アラスカ、ロシア極東などでは最大の増加が見込まれる。その理由は海洋の温暖化により、より冷たい水を求めて北に向かって移動するからである。しかし世界の全体としての生産性はほぼ同じレベルにとどまり、激しい減少を示すのはアジア、カリブ海、地中海のような閉じられた海が、深刻な不足に陥るだろう。

サブサハラ・アフリカや南アジアはすでに気候変動により食料不足にみまわれている。国際食料政策研究所は先週地球温暖化によって今世紀中盤は米と小麦の急速な減少を予測、これにより2500万人以上の子供に栄養失調が生まれると見ている。アフリカや東南アジアでは魚や水産物によって動物性たんぱく質の半分以上を摂取している。「それは荒廃だ」とブリテイシュ・コロンビア大学の海洋生物学者のDamiel Paulyはいう。「多くの人々は海沿いに生活している。人々は漁業によってたっている、このことは我々のような北に住む人間とは異なる。だから、収入面、消費面で漁獲減少は直接的に影響を受ける」
コンピュータ・モデルによる気候変動の影響の解析予測は1,000種以上の魚類について、オキアミからサメまで、世界の20の漁業海区について行なわれた。この予測では海洋の酸化現象については参入していない。酸化は二酸化炭素が海水に溶け込む事によって進行し、そのことは海洋の温暖化を促進すると科学者は見ている。「我々の予測は控えめなもので、海水の酸化を考慮すれば将来の漁業生産のポテンシャルはさらに減少する」とChueng氏はいう。また同氏は次の研究課題は酸化の影響についてであると。

科学者たちは温暖化した海水が現在の棲息地からの移動をもたらすという。たとえばタイ類は北へと移動している。いくつかの魚種はより冷たい水へと移動できるだろう。こうして魚の集団はより北へと移動するだろう。しかし、その他の魚は変化の中で生き残ることが出来ない。「すべてが移動できるわけではない。高温に対してさらにエネルギーを使い、このことによって成長が損なわれ、漁獲の可能性は低くなる」とPauly氏はいう。この研究はここの種について論じたものではない。科学者たちは、とにかく海水の温暖化によって、冷水域においても英国沖合のように、見慣れた魚が減少すると見ている。英国沖のマダラはアイスランド、ノルウエー、グリーンランドへと逃げ出すだろう。

<写真:モーリシャスのロドリゲス島の漁民。貧しい国では人々は食料を魚にたよっている。収入面また、消費面で彼らは漁獲減少の影響を直接受けている。Photograph: Marc Dozier/Hemis/Corbis>