memories on the sea 海の記録

海、船、港、魚、人々、食・・・などなんでもありを前提に、想い出すこと思いつくこと自由に載せます。

アラスカ漁師を痛めつける・・・キングサーモン不足 (2)

2009-10-23 00:43:43 | 水産・海洋
「もうこれに頼ることは出来ない」とアラスカ魚類遊魚局のSteave Hayesはいう。この組織と連邦魚類野生生物部局の当局者たちは連携して漁業管理にあたっているが、気候変動と自然サイクルの変化がたぶんサケの溯上に関与していると見ている。マスノスケのカルフォルニアとオレゴン州における溯上はこのところ貧弱で、海洋環境の変化が疑われている。

アラスカでは、漁業者はベーリング海のスケソウ漁船団が毎年、何万尾におおよぶキングサーモンを混獲していると非難する。これについての上限枠が2011年には有効となるだろうが、この制限もユーコン河の漁民にとっては満足に足るものではない。ユーコン河の漁業は州全体の水揚げに比べれば僅かではある。しかし、魚自体は世界で最高とされている。それはベーリング海からの溯上前の魚の体に蓄えられた豊富な脂肪によるもので、サケは2000海里もの旅をしたのちにカナダやアラスカで産卵する。

ほとんどの漁獲がユーコン河デルタで行なわれる、そこには山はなく、河の分枝が海へと流れ込むところである。エスキモー人はアルミ製のスキフ(小艇)に乗り道路では集落からはたどりつけないところでの漁をする。その岸辺は集積場の役目を果たす。

エモナックのKwik’Pak 漁業は人口794人であり、この地方の数少ない企業体である。フォークリフトがそれぞれ離れて立つ倉庫の間を泥だらけの道にフォークリフトが行き交う。魚処理場や従業員の宿舎が集落をとリ囲んでいる。カオンでいる。 何十年もの間、こうした商業漁獲のキングサーモンは日本のバイヤーへと売られていた。しかし、2004年Kwik’Pak では地元での販売を始め、また他の米国各州の魚好きに向けての販売をレストランやストア向けに開始した。
ことし、Kwik’Pakはシアトルのバイヤーに6尾のキングサーモンを出荷、また僅かな数のキングサーモンを市場に出した。こうした魚はシロザケ漁期の終わりに偶然漁獲されたものであった。Kwik’Pak はシロザケのプロモーションを行なっている、これはまたketaとも呼ばれるが、この脂のある白身のサケはCISCOとも呼ばれる。しかし、この魚水揚げは限られていて、漁業者の得る価格はキングサーモンよりも低い。202年に設立されたこの会社は地方経済発展の一翼を担っている。現在ではストア販売や漁業資材販売、そして魚を運んでいたトラックで砂利の運搬まで行なっている。この夏従業員たちはカトリック教会のペンキの塗りなおしを行なった。