この写真からは悲しみや憂いは読み取れない。しかしその目の前の魚の資源は大丈夫なの?と思ってしまう。資源枯渇の報道を読みすぎたせいでもある。
以前に比べ資源枯渇やそれにまつわる領海紛争の数が増大している。ソマリアの海賊は無政府状態で領海の中の魚を外国船がむしり取った結果だとされている。西アフリカのセネガルでは入漁料を払って、あるいは違法に地先の魚を大漁に獲り尽くす外国大型漁船により地元漁民の生計が立ち行かなくなっている。インドしかりスリランカも同じ。地中海ではクロマグロ資源が明らかに枯渇した。北海ではサバの奪い合いで国と国の対立が続く。北極海でもロシアとノルウエーが・・・という具合。
漁獲の規模と効率の格段に差がある場合、小規模な地元漁民は生計がなりたたない。背に腹は代えられず密輸か麻薬などの悪行に手を染める漁民も生まれていると聞く。漁師自身が乱獲で魚を枯渇させた事例はたくさんある。しかし現在は大資本と零細漁民の競争だから結果は言わずもがなである。こうした問題を探ってゆくと政府の無策に突き当たることが多い。入漁料をとって外国船を許容してもその金が漁民に回ることはない。漁民がやせ細ることを容認しているとしか思われない。
我が国とて例外ではない。尖閣諸島をめぐる政府の対応はどうだろうか。あの沖はまき網で漁獲するアジヤサバの好漁場で多くの日本漁船がいた。それがいまや沖縄の漁船が怖くて近づけない状況という。領土であることを認めながらことを荒立てないために自国民の上陸を認めない国家とは何か?当然中国はその隙を狙う。ついに日本の実効支配を破壊する旨の発言までするようになった。領土が守れずして国民は守れない。事なかれ主義で進んでよい命題ではない。内政の混乱に足をとられまともな対応ができぬ政権を悲しく思うし石原都知事の憤激は十分に理解できる。
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