memories on the sea 海の記録

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海洋温暖化と廃棄物が生活を奪う     ツバル共和国

2011-03-09 00:01:18 | 水産・海洋
太平洋に浮かぶツバル諸島の魚資源は消滅し、人々は生存のための脱出を迫られている(3月4日英国GUARDIAN)

海水がツバルの首都のFunatutiの環礁から湧き出している。気候変動により海面が上昇、汚染が人々の生活の維持を不可能にし、島々は消滅するであろう。
塩気の強い痩せたツバル諸島は、腹が減れば魚を獲りに行けばよい。しかし、気候変動と環礁の温暖化により、家族を養うことが漁民にとって困難となっている。大平洋諸島の中のツバル共和国は低地であることが知られ、海面上昇による影響だけというわけではない。貧弱なごみ処理や排水処理が原因で海岸の浸食を生み、洪水が増加、嵐や雨の降り方の変化などこれらのすべてが魚資源に影響し、人の住む9つの島の背板全体に影響している。
主島の首都Funafutiのほとんどの家族が環礁から魚を得ている。「もし家族に男がいれば、必ず漁に行く。コストがかからず、自由だから」とツバル漁業局の Fuli Siaosi はいう。ツバル人は一日一人当たり500グラムの魚を食べる。 これが常食であり、ツバルは食品の輸入をしていないからだ。魚は朝昼晩と毎食である。プロの漁師は沖からマグロを持ち帰るが、ほとんどの家族は環礁のなかの伝統的な漁をする。

気候変動で環礁の中の浅瀬は温度が上がる。サンゴ礁に棲む魚はさらされ乾燥する。その上に排水の飛沫がかかり環礁の中で藻類が繁殖、小魚は殺され、それに頼る大型魚も危うくなる。これは、気候変動の問題だけではなく、人間による汚染もそうであると漁業局の研究担当 Tupalaga Poulasiはいう。
漁師の家族のための日々の魚も危うくなっていると報じられている。漁業局の行った聞き取り調査ではほとんどの漁師の話は皆同じ内容という。彼らは環礁よりもさらに遠くまで出向かねばならなくなった(その広さはおよそ幅14㎞、長さ18㎞)同じだけの量の魚を獲るのに長時間かかり、あるいは水揚げは昔より少ない。魚は常食であるだけではない。ツバルで自給できる伝統食でもある。

ところがFunafutiが都市化し、人口過剰となった。およそ5000人がここに棲み、ツバル人口の半分に相当。貧弱な1.4平方キロの面積に、である。家、ビル、集合的なインフラは庭、バナナ栽培、パパイヤの樹、伝統的な穀物のpulakayaや石灰質の穿った穴に育った根菜のタロイモなどにとってかわった。
のこった植物は海水、土壌の塩化、地下水にさらされる。多くの人々が自家菜園をあきらめ高価な輸入製品に頼る。米、小麦粉、缶詰食品である。「むかしは庭にバナナの樹があった、ちょうどここだ。でも海水が地下から湧き出して10年になる。」と、議員であ小規模島嶼国家連合の議長であった Enele Sopoagaはかたる。「土地は塩分が増して、黄変し立ち枯れた」

島民は現在8割の食糧を輸入に頼っている。それらはフィージー、NZ、豪州などから毎月貨物船で運ばれてくる。だから選択の余地は限られるが、価格は非常に高い。ミルク1リットルが2.85米ドル、鶏卵1ダース4ドル、米1キロ1.6ドルなどであり、これらに対して給料は良い方で月に488米ドルである。大人数の家族でも一人の給与に頼っている。住民サービス以外にはわずかな就労チャンスしかなく、政府の努力にもかかわらず失業率は高止まりし、それも若年層がそうである。
ツバルの社会は家族関係に基づいている。一人が仕事に出れば、ほかのものは漁をし、子供の面倒を見、炊事をし、工芸品の手内職や地域社会への貢献をする。

漁業局に戻れば、Poulasi氏は魚資源の減少が続けば家庭にとって非常に大きな打撃を与えるという。「我々は海に生きている」と Poulasi。「そこが資源を得る場所であり、魚を獲ることができなければ、食品転移行かねばならない。つまり現金がいる。多くの過程には金はない」と。ツバル人は何百万もの太平洋の人たち、カリブ海、インド洋など、発展途上国の一員であり、家族を養うために寄港の脅威におかれた食資源に頼っている。

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