memories on the sea 海の記録

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台湾とイカ・・・そしてイカ漁業(8)

2010-07-15 00:00:19 | 水産・海洋
***船が多すぎ漁獲も過剰***

国籍登録という短期的な問題のほかに、遠洋イカ漁業は長期的な資源維持問題に直面している。この問題は非目的魚の混獲という環境主義者を巻き込む問題とは異なる。イカ釣り漁業は非常に選択的漁法であるからだ。

むしろ、乱獲の脅威がある。アルゼンチン沖のイカの漁獲は年間30万トンである。台湾で販売されるイカの8割がここからきている。イカは1年または2年で再生産されるとはいえ現代の漁船はあまりにも効率がよい。

アルゼンチンの漁業雑誌REDESの94号の記事によれば1996年のイカ漁獲量はその前年の50%相当の増加となった。「アルゼンチンの漁業は10年間連続して成長を続けた今はいくつかの重要魚種においては資源枯渇の兆しが見え始めた。国内における非難も無視できる状況には無い」とロバート・フウ氏は言う。

農務委員会の漁業部局のリ・ジェン・チュアン理事は「台湾漁業界は資源保護に関して強い認識を持つべきだ。漁業にのみ注目するのではなく、資源の管理に参加し利用と保護の両面に重点を置くべきである。これによって初めて責任ある漁業の評価が得られ、資源の維持可能な利用に尽力すべきである」
“責任ある漁業“とは? 長さが24メートル以上の漁船で海水の汚染防止装置、安全装置と救助設備を備えるほかに、日々の位置と漁獲を報告する。漁業日誌をつけ、季節、時間、水温、水深、緯度と経度、漁獲サイズ、漁獲量などの詳細を記録する。このことによって国際機関が魚類資源の追跡を行うことを可能にし、科学的調査のためのデータを供給する。

現在の有償かつ科学調査との協力という要求事項のほかに、将来、漁業資源を持つ国々は地区的な機関を構築するであろう。その場所で漁業を行おうとするものは地域当局との許可枠についての交渉が必要となる。と“海の呼び声”は報じている。この本はイラスト入りのもので台湾遠洋漁業の国際的責任として農業委員会が用意したものである。

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