最新の治療法など、地元の医療情報を提供する「メディカルはこだて」の編集長雑記。

函館で地域限定の医療・介護雑誌を発刊している超零細出版社「メディカルはこだて」編集長の孤軍奮闘よれよれ・ときどき山便り。

創設から120年を迎えた函館の修道院

2018年08月03日 01時32分36秒 | 新聞コラム
北海道新聞みなみ風の「立待岬」。
6月1日掲載のタイトルは、「創設から120年を迎えた函館の修道院」。



 島原の乱の鎮圧後、キリシタン禁制の日本に潜入したポルトガル人の司祭ロドリゴは拷問されている信者のうめき声に接して棄教を迫られる。遠藤周作の「沈黙」は神と信仰の意義を命題に描いた。
 長崎では江戸時代以降、キリスト教徒が厳しい弾圧に耐え、信仰を貫いてきた。その2世紀以上にもおよぶ禁教の歴史である潜伏キリシタンの関連施設が世界文化遺産に登録された。
 函館の「天使の聖母トラピスチヌ修道院」は創設から120年を迎えた。北海道新聞函館支社報道部は昨年3月から1年以上も取材を続け、企画記事を連載。今年6月には修道院の1年間の暮らしをまとめた「光のもとで 函館・トラピスチヌ修道院」を発刊した。修道院と修道女の情景や生活・活動がよく伝わってくる1冊だ。修道院では約50人の修道女が祈りと労働、そして聖なる読書を中心とした暮らしを営んでいるが、農作業の写真が特に印象深い。労働は生計の手段以外に神と対話する場でもある。
 キリスト教への信仰を隠して暮らしてきた潜伏キリシタンは農漁村で暮らす民衆だった。修道院では長崎出身者が、修道女たちの半数近くを占めた時期もあった。信教の自由が人間にとっていかに大切か。「光のもので」を読みながら、そのことをかみしめる。(メディカルはこだて発行人・編集人)


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