完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

バター品不足は、日本農業崩壊の第一歩    ~農業従事者として~

2008年06月09日 | 農業
私は中年である。

この頃、書きたい内容が頭をよぎっていくが何しろ書き込んでいる時間が無い。

しばらくはこんなことが続くと思うが、少ないこのブログの読者の皆さんには
申し訳ない。

まあ、ぼちぼち行きます。


さて、バターがスゴイ品不足になっている。

数ある乳製品のなかでなぜ「バター」なのか、私には良く分からない。

しかし、このバター品不足はこれから先の日本の食糧事情を暗示しているように
思えてならない。

みんなが分かるバター不足の原因は、この際割愛するがそれとそっくりの状況が
日本の食糧事情を取り巻くそこここの生産現場に起きている。


結局、最後は「原油高」ということで終わりになるのだが、その途中の「理由」が
私に暗示を感じさせる。

酪農家は近年「激減」しているという。

我々消費者には、具体的にどれくらい酪農家が減ったかなどは、よほどその気で調べないと、
分かるものではないし、もし分かったからと言って何も変りはしない。

こうしたことは、不足状態になってはじめて実は「大変なことだった」ことに気がつかされる。


農業というものは、なぜその仕事をしているのか?という「モチベーション」を持ちにくい。

日本の稲作農家は基本的に「家業」としての農家がほとんどであろうから、小さい時から「いつのまにか」農業を手伝わせれている。という状況がほとんどだろう。

そして日本の稲作農家のほとんどは「兼業」であり、その稲作だけで生計を立てていない。
というより、生計を立てるだけの収入が農業だけでは入ってこないのだ。

当然、違う「本業」を持ちながらの農業になる。

そして、日本の政治は「農業(食料事情)」を、ほとんど真剣に考えてこなかった。
日本政治の得意技「先送り」によって、とりあえず農家に補助金をバラ撒き「可も
なく不可もない」状況を続けてきた。しかし、事態はジリジリと悪い方向に進んでいく。

そして、古米・古古米を生み出しながら「生産調整」という苦肉の策をずっと進めてきた。

現在の生産調整の割合は25%を越える。つまり、4年間すべての稲作を作付けると
次の一年は「作付けできない」ことになる。

作付面積が少ない農家がほとんどの日本において、徐々に「なぜ稲作をやっているのか」と
いう疑問がわいてくるのは当然だろう。

そして、作付面積が少ない故において「離農」するのも、それほど大変な決断では無い。

酪農は、稲作と違いもっともっと複雑で大変な作業だ。稲作以上にいろんな投資も必要
だろうし、経営理念・経営方針もしっかり持たねばならない。

そういう人たちは「兼業」の稲作農家より、もっともっとむずかしい選択の中で「廃業」
していくのだろう。

生産規模が違うから、酪農と稲作農家を単純には比べられないが、どちらも簡単に生産者が
増えることはありえない。

「米離れ」が小麦の値上がりで一時的にストップするかも知れないが、何か特別なことが
起きない限り稲作農家の離農も進むばかりなのだ。

そして、あるとき「飢饉」がきてバターの品不足以上の「米不足」の時が来る可能性は
決して少なく無いのだ。


原油という根本のものがフラついて、日本は工業・商業はもちろん農業も間違いなく破綻する。

それは「今日」からかも知れない。

今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなが、今の日本がいかに「脆弱か」ということ認識しますように。
                          
                               may

将来に希望の無い「農業」という職業は、続けていくにはあまりに辛い仕事だ。




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