私は前期高齢者寸前男である。
人間なんて現金なもので・・・・。
「2000円」だと思っていたものが「1300円」で観れるとなると、すごく得したような気になる。
ということで先週の「ゴールデンカムイ」に続いて映画「身代わり忠臣蔵」を観てきた。
★★★★★★ここからは「ネタバレ」があります。鑑賞予定の方は注意してください!★★★★★★
シネコンでは「ハイキュー!!」や「鬼滅の刃」が同時に上映されていて、土曜日と相まって結構の人出であった。
しかし、それらの方の動員が圧倒的で11:40の「身代わり忠臣蔵」はそれほどの混んではいなかった。
だいたい前期高齢者寸前男は、映画を観に行くにも「薄~い情報」をもとにしている。
だから、よほどの話題の高い映画でなければ見に行かなかった。
ちょっとぐずぐずしているともう「上映終了」とかになっていた。
この「身代わり忠臣蔵」は、前回の「ゴールデンカムイ」の上映前のデモンストレーション映像で気になったからの鑑賞である。
最初に断言するが、この映画は「ムロツヨシ」という俳優がいなければ成立しなかった映画に思える。
当たり前だが、もともと「忠臣蔵」がどういう話かを知らなければこの映画の意味が分からない。
逆に忠臣蔵を深く知っていればいるほどこうした話が面白く観れる。
前期高齢者寸前男は、時代劇・時代小説・ドキュメント等々が大好きなのである。
様々な角度からの知識で知っている「忠臣蔵」を「どんな形の喜劇にしているか?」には興味津々であった。
前出したが「ムロツヨシ」という稀代の俳優でなければ、この面白さには仕上がらなかっただろう。
彼の「アドリブ」らしきものも、その「シリアスさ」と「コミカルさ」のギャップも映画のおもしろさに直結している。
ただ「可笑しい」だけでなく時代における「人間性・武士の本懐」みたいなものもしっかり表現されている。
ある意味、うまく「脱力」しながら「締めるべきところを締めている映画」なのである。
キャストもバランスよく「超大作」ではないが「優秀作」になっている。
歴史モノ・時代劇物は「史実に基づいている者が原作」の場合、中心的な物語が研究され尽くされていて。
小説や映画・ドラマなどが「サイドストーリー」を中心になってきている気がする。
今回の映画も「吉良上野介」も大名であり家臣たちがいて、そこには「赤穂浪士」と同じ忠義心があること。
殿様という個人意識の「政(まつりごと)」は、各藩によって全く違い、多分今の「アメリカ合衆国」の「各州」に近い国の形態になっていたと私は思っている。
そうしたことに対する認識が、こうした「映画になった」気がする。
今回も「十分満足できる映画」だった。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。これを読んでいる皆さんも、自分の経験や知識をフル活用して映画を楽しみますように。
May
当然だけれど「コミカルな演技」がうまい役者は「シリアスな演技」もうまい。そうした意味でもムロツヨシは昨年の秀吉役の「どうする家康」でその両方を発揮して完全に役者として地位を確立した感じだね。