完全無欠な「もうすぐ前期高齢男」日記

「もうすぐ前期高齢男」に進級「老いの自覚」を中心にUpしていきます。

夜回り先生

2006年04月09日 | 
私は中年である。
中学1年生と小学5年の娘を持つ
中年の父親である。

昨日の某国営放送の深夜0:50から
前々から全編を見逃していた番組が
再放送されていた。

「夜回り先生」を皆さんは知っているだろうか。
水谷修氏のことである。
水谷氏は、数年前まで定時制の先生で、繁華街の
夜を子供達を指導して回ったことで有名になり、
今は日本中を講演して回っている。

その番組は、彼の今(昨年11月)を特集した
番組だった。

水谷氏は49歳。私らの世代だ。
痩身で白髪混じり、少々額が上がってきている。
あごと鼻の下に髭を蓄え、はっきりした目には
「鋭さ」と「やさしさ」の両方を共存させている。
エネルギッシュであるが、察するに「持病」を持って
いるらしい。

番組は、全国を回っている彼の講演の現場と
彼の部屋が中心である。

彼の語られる講演内容は「壮絶」の一言だ。

小学校4年生の男の子の「いじめと家庭虐待」
中学生ヒロシの「いじめ、ひきこもり、リストカット
からの死」
中学生アイの「いじめ、暴行、エイズ感染、エイズ
発症から死まで」

水谷氏は、教師だったときから日付が変わるころに
帰宅し、朝方まで子供からの電話とメールの対応に
追われる。その電話の内容もやはり「壮絶」だ。

水谷氏は言う。殺伐として攻撃的になってきている
今の世の中で、父親は会社での叱責・攻撃を
家庭の女房に向かって晴らし、母親はそのうさを
子供に向かって晴らしている。
そして子供は、自分が受けたストレスを

「他の子供に晴らす子供」(いわゆる「いじめっ子」)
「夜の街を徘徊してはらす子供」(眠らない子供)
「他の子供に晴らせず、夜の町にも出れない子供」
(眠れない子供)

この三つに分かれて行く。

水谷氏の以前の活動は(眠らない子供)を救うこと
だった。直接的には「ドラック」から子供を
守ることだった。

しかし、現在は(眠れない子供)の方がずっと問題が
深刻なのを認識し、今はその子達への救済を中心に
活動している。

実際、メールや電話をかけてくるのは、この
(眠れない子供)達がほとんどなのだ。
この子達の顕著な現象。それが

   「リストカット」
        
          なのだ。

全国の子供の7%(100万人)が、この「リスト
カット」をやっているという。学校に数人ではなく
クラスに何人のレベルになってきている。

誰にも相談できず、自分の体を傷つけることで精神の
バランスを取るしかない子供達。
水谷氏は言う。

「リストカットは、隠すな!大人の目の前でやれ!」
「リストカットは止めさせてはいけない!その行為が
  問題なのではなく、それをさせる原因が問題
                  なのだから」

大人は自分の「思い」を口にしなくなる。
自分の子供を嫌いな親はいない。(いや・・・今は
好きでない親がいるらしい。非常に残念だけれど)
それならチャンと、子供に言ってやれ!
子供達は心配なのだ。分らないのだ。
親が自分のことをちゃんと愛していることを・・・。

水谷氏の講演が終わり、一種異様な雰囲気の中
水谷氏が子供達の中を歩いて退場していく。
小声で「さよなら」「さよなら」と呟きながら・・・

私はいつしか涙を流していた。

なんとかこの番組の、水谷氏の気迫や活動を
伝えようと思ったが、私の拙い文章では
絶対に無理だと悟った。

皆さん、なんとかこの番組を見て欲しい。
だめなら、彼の本を読んで欲しい。
そして、気づいて欲しい。
子供は自分の「所有物」ではない。
そこに人格がある「人間」なのだということを。

今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなに幸福が訪れますように。  
そして、幸せな子供達が一人でも増えますように。   may














コメント (2)
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