Fish On The Boat

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『ハムレット』

2017-02-21 23:39:44 | 読書。
読書。
『ハムレット』 シェイクスピア 福田恆存 訳
を読んだ。

有名な古典劇の戯曲で、ジャンルは復讐劇の悲劇です。
シャイクスピアのものを読むのは
『ロミオとジュリエット』以来の二作品目になります。

ぼくは演劇をよく知らないので、
他の比較してどうだとか、
現代劇と比較してどうだとか、
まったくわからないのですが、
この『ハムレット』に関していえば、
ストーリーのスピード、セリフの質などから、
「勢いがあるなあ」と思いました。

また、
「悲しみというやつは、いつもひとりではやってこない。
かならず、あとから束になって押しよせてくるものだ」など、
名言、警句、機知に富んだ言い回し、多様な比喩、
アンバランスな狂気の言葉がちりばめられていて、
シェイクスピアはめちゃめちゃ攻めています。
そして磨いていて鋭さもある。
攻めて磨かれた言葉たちなんですよね。

そして、それらによって、
熱狂というか、「熱」を生みだしているように感じました。
舞台で演じられているさまを想像しても、
観客の頭に「熱」が生じる感じです。
アドレナリンがふつふつと湧いていくるような快楽が
「熱」という形でやってくるとでもいえばいいのでしょうか。

いかに昔のひと(16~17世紀)の書いたものでも、
表現力と洞察力のすごさにはやるなあと思います。
未来永劫名前が残るひとってのはこういう高みある、
それも攻めの高みです。

原文で読めば、韻を踏んでいたり、
リズム感だったり、そういうところのすごさもわかるんだろう。
解説によれば、日本語にすることで、
シェイクスピアのよさは9割減になっているらしい。
それでも、早口でセリフを言うことで、
シェイクスピアのよさをちょっとは表現できるんだっていう話でした。
やはり、そこは、つまりシェイクスピアのよさっていうのは、
「熱」なんだと、僕は思うんです。

あとは雑学めいた話になるんですが、
「明日は14日 ヴァレンタイン様よ」という
オフィーリアのセリフが出てきた。
ヴァレンタインズデイはそんなに古くからあるのですか。

それと、
シェイクスピアのお嫁さんの名前、アン・ハサウェイっていうんですね。
これを知ると、現代のアン・ハサウェイに、
そういう由来だとか色付けを感じるわけです。
というわけで、wikiを調べてみると、
「名前の由来は劇作家ウィリアム・シェイクスピアの妻からである。」
と書いてありました。
ハサウェイ家に生まれて、ご両親がしゃれてたのかな。

なかなかおもしろかったので、
またいずれ、シェイクスピアのものに触れたいと思います。
悲劇ばかりじゃなくて、喜劇もあるそうなので、
次はそっちがいいかなと思っています。


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