Fish On The Boat

書評中心のブログです。記事、それはまるで、釣り上げた魚たち ------Fish On The Boat。

『ぽてんしゃる。』

2017-02-18 18:57:47 | 読書。
読書。
『ぽてんしゃる。』 糸井重里
を読んだ。

イトイさんがほぼ日やツイッターなどで書かれた
2012年分のなかから選りすぐって編集した本です。
小さなことばシリーズ第7作。

やっぱりおもしろいです。
だけど、すべての言葉にうんうん肯いて
「そうだなあ、そうだなあ」とはならないんです。
7作目にしてぼくがアンチテーゼに入ったというわけではないでしょう。
内容と同様のことをぼくも考えるように
自然となっていたりする、そういうのが影響していると思う。

また、本書だけに限らなくて
これまでの(比較的最近ですが)
イトイさんのほぼ日やツイッターの文章などを
読んでいてもそうなのだけれど、
うちのうるさい親父をずっとみてるせいか
イトイさんが言っていたり仮定しているより、
こじれていたりドツボだったりすることを知っている場合があって
イトイさんの考えでもまだうまくないって思ったりする。

それと、
イトイさんが「こういうのはいいね」って言っているようなところに
ぼく自身が当てはまってるところがあったりするんだけれども、
それがさ、重々考えたうえで確信的にそっちの道を選んでいるんじゃなくて、
ふわっとだったりなんとなくだったり
無意識的に決まっいった道がそうなんです。
まったくもって、紙一重。
このまま歳を重ねていけたら、
もっと意識的に自分の歩く道を選んだ理由を
手に掴むようになれるんだろうか。

後半には、吉本隆明さんに関する
興味深い文章が続くところがあります。
2012年は吉本さんが亡くなられた年でした。

「対象に働きかけるということは、
対象の側からの反作用を受けているんですよ。
必ず、そうなんです」(吉本隆明)
深淵を覗くとき深淵もまたこちらを覗くっていうのに
似ているような言葉です。
今のぼくならば、乃木坂46にのめりこんでますから、
乃木坂の側からなんらかの影響を受けるかもしれない。
かわいくなったりして。……違うかな。

ブックインブックの部分の味わいもとてもよかったです。
そこは、おいしい、おいしい、読みものぶぶんでした。

このシリーズはほぼ日の永田さんが編集されているようです。
フォントの形や大きさや配置も決められているんだろうなあ。
デザインの部分、編集の部分、選別の部分、
いい仕事をされてますよねー。

このシリーズは、
疲れ気味だったり、
ちょっと「キーーッ!」とした気分が続ているうちのある時だったり、
そういうときに読むと平常に近づいたり戻れたりするんじゃないかなぁ。
プラスして、気がつけば「光の射す方」を向いているようになりますよ。

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