Fish On The Boat

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『小さいことばを歌う場所』

2013-08-12 00:46:59 | 読書。
読書。
『小さいことばを歌う場所』 糸井重里
を読んだ。

2007年四月発行の「小さいことば」シリーズ第一冊目がこの
『小さいことばを歌う場所』です。
それまで『ほぼ日刊イトイ新聞』でイトイさんが書かれたことの中から
短いセンテンスを抜粋して編まれた本です。

僕は『ほぼ日』の初期の頃から読みに行っている人です。
とくにメニューページに毎日更新される「今日のダーリン」が大好きな人です。

僕がインターネットを始めた97年、
いろいろなホームページを見て回りましたが、
著名人の中で糸井重里さんのページが無いことを残念に思っていました。
そのうち、知らない間に開設されましたが、
大瀧詠一さんとの対談が載ったという噂をききつけて、それで
『ほぼ日』を知ったんだと思います。
もう、けっこう、定かじゃないんですけどね。

この本に収録されているイトイさんのことばって、
「含蓄がある」「重々しい」と表現すると的外れになってしまうのだけれども、
こころに適度な重みと温度でもって残ってくれることばなんです。
少なくとも僕はそう感じました。
小さいことばが歌われている…、本当にそうですね。
うまいたとえではないかもしれませんが、
寒い冬、雪の降る夜に街を歩いていて、
見つけた家の灯のような暖かみに通じるような。
暑い夏、強い日射しをくぐりぬけてたどりついた場所で、
おいしい水がこんこんと湧く泉を見つけたような。

もう長く、糸井さんのことばに接していますから、
言葉そのものにしても考え方にしても、いろいろと影響を受けています。
前にも、「頭の良い人だ!」と失礼ながらもどこかで評したことがありますが、
いまならこう言うでしょう、「とっても好人物!(たぶん)」。
ちょっと弱い表現になりましたか?
僕としては、グレードがアップしたというか、
素敵さを以前よりもわかってきたなと思っています。

本書には、随所に愛犬ブイヨンの姿もあります。
それらも目に入れながら、読んでいると、考える顔になったり、にこやかな顔になったりしました。

そして、持った感じ、装丁、質感がすばらしいのです。
読み始めたら中身もこれまたすばらしくて。
トータルでもって気持ちがぽかぽかする本でした。

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