二十一世紀の森と広場にある小さな梅林で、
早梅の白梅が10輪ほど開花していた。
一年で一番寒いのが2月といわれているが、
白梅の開花によって、春がそこまで来ていることが感じられ、
あと数週間も辛抱すると北風は「弥生三月の東風」と変化することだろう。
当地では、3月に入らないと梅花爛漫とはならないが、
満開で華やぐ梅林よりも、
冬ざれの梅林の中で最初に咲く一輪のほうが感慨深いものがある。
先日満開になっていた蝋梅の花は、
今がピークのようで、一部の木では落花が始まっている。
明るい日差しだったので順光で撮ったが、
その瞬間、弱い北風に乗って運ばれてきた蝋梅の香りに包まれた。
蝋梅にこれほどの芳香があるとはこれまで知らなかったことで、
来年からはこの芳香を意識しつつ花を待つことになるのかもしれない。
寒椿には明るさを増してきた太陽光が射し込み、
赤い花弁が透けていた。
花弁に傷があるのは、餌不足になっている冬の小鳥達によって、
開花直後の花蜜が採餌された為であろう。
もう少し暖かくなって風が止み、
明るい太陽が枯れ草を覆う頃になると、
キタテハやルリタテハなどの越冬蝶が、
陽だまりに姿を現すことだろう。