元日で帰省したときに「蝦夷鹿の肉」を約2kgほど戴いてきた。
田舎の実家を継いでいる兄にはライフル射撃や猟銃の趣味があり、
昨年の秋、北海道に「蝦夷鹿狩り(駆除)」に行ったときのものとの事だった。
狩猟で取った蝦夷鹿は、すぐに現地の案内人や鹿肉専門の処理業者によって解体され、
後日、鹿の角や燻製肉などと一緒に生肉40kgが送られてきたとのこと。
隣近所におすそ分けしたが、なお残っていてその一部を私がもらってきたのである。
狩猟後すぐに解体されているため、意外と野生動物の独特の臭みは少なく、
スーパーなどで売られているジンギスカン用羊肉よりも匂いは少なかった。
鉄分が多く含まれている肉で、牛の腿肉のようにやや赤味のある肉だった。
肉を見て、「蝦夷鹿は牛の仲間である」ということがなんとなく納得できた。
とはいえ、生まれて始めて食べる鹿肉とあって、どうしても牛肉や豚肉との比較になってしまう。
最初はそのままの肉に塩を振っただけのあぶり焼にしてみたが、
牛や豚に比べればやはりなんとなく違和感があった。
ネットで料理方法について調べると「蝦夷鹿の角煮」なるものを発見。
におい消しのためには、生姜を入れるとよいとあったので、
千切りの生姜を入れて佃煮風に作る「時雨煮(しぐれに)」を作った。
まず、鹿肉のアクをとるため水で煮立て、
火を通した後に肉を水洗いしてから一口大に切って、醤油と砂糖とみりんで煮た。
肉からも水分が出て、肉は半分以下に縮んでしまった。
水分が少なくなったころあい(下の写真参照)を見計らって、
肉のコーティング用に「水あめ」を適量投入し、
菜箸で混ぜながら焦げる少し手前で火からおろして完成。
完成したのが巻頭の写真。実物は写真よりもやや色が濃い。
やや硬めに仕上がったものの結構おいしく出来上がり、
酒のおつまみや御飯おかずにもなるものになりました。
やや残念だったのが、嵩が半分以下になってしまったこと。
肉系統の時雨煮の場合、まず煮汁を十分に煮詰めてから材料を投入すると、
身も柔らかでおいしくなるという。佃煮の基本でもある。