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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



南御堂では法要のない平日12時15分から50分まで無料のステレオコンサートが本堂で行われる。

御堂筋を少し注意して歩くと南御堂の入り口にコンサートの案内看板で出ているので、それを見て飛び込みで入る人もいるのではなかろうか。



いつもは法要が行われる本堂は入り難いが、良く見ると本堂の入り口にも演奏曲名を書いた小さな看板があり、椅子が並べられた薄暗い本堂には既に先客が何人かいた。



お寺の本堂なので、正面のご本尊を仰ぎ見ながら、スピーカーから流れてくる音楽を楽しむという趣向である。



梅雨の合間であったのでエアコンの無い本堂は少し蒸し暑かったが、お寺で聞くクラシックの名曲は心地よく、中にはうとうととしている人もいる。



毎日の昼休み、ここでの35分間の非日常体験は、気持ちをリフレッシュさせてくれるのではなかろうか。

昼休みの時間が残り少なくなったので、早々に本堂を出て両側の青銅製の灯篭を見ると灯篭の背後に建造年が彫りこまれていた。



正保2年(1645年)、正保4年(1647年)、元禄6年(1693年)と3つの年数が記されているが、1645年に建立し、その後2回の修復があったということか。



本堂の左側の奥に進むと、松尾芭蕉の有名な「旅に病んで夢は枯野をかけまはる」という辞世の句碑が庭園に立っている。



江戸を出発し、京や伊賀を経て、大阪に入った芭蕉は、南御堂の前の花屋仁右衛門邸に泊まり、1694年、51歳の生涯を終えている。

従って芭蕉は先ほどの青銅の灯篭や、大谷本願寺と書かれた梵鐘を見ていることになる。

この庭園には狭い枯山水の庭があり、獅子吼園と書かれた表示があったが、緑の少ない大阪のビジネス街にとって貴重な空間となっている。



1868年、明治維新の際の南御堂には、幕府を討つ薩摩軍の陣が置かれ、明治10年の西南戦争の時には、今度は皮肉にも薩摩を討つための征討総督府が置かれている。


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