アリゾナ州のフェニックスのスカイハーバーエアポートでレンタカーを借りた。今回は未舗装の道を走る計画もあったので四輪駆動車のSUVを予約していたのだが、手続きを済ませてクルマに乗り込んでみると四駆の機能を持ち合わせていないFF駆動車であった。直に苦情を申し出て車を交換する事は出来たが、四駆じゃない方が面白いかも知れない、という気持ちが沸いてきた。今回借りたレンタカーはNISSAN ROGUE 、FF駆動のクロスオーバーである。
アリゾナ州の最北部、ユタ州との州境にある Monumenet Valley Navajo Tribal Park を訪れました。ここはナバホ国の聖地でもあります。500億年という途方も無い時間を掛けて削られた大地に自然の岩の彫刻が浮かび上がっています。
公園内には全長17マイル(周回13マイル)の未舗装な道があり自己責任で走行する事が許可されています。コースはオフロードのダートコースですが良く整備されており走りやすいです。しかし、日本の殆んどの観光案内書の解説ではこのコースをレンタカーで走る事を薦めてはいません。それは砂地の道で往々にスリップやスタックが起こるリスクが有るからであるからです。
オフロードを走る前に大切な事があります。それは自分が駆るクルマを知るという事です。アプローチアングルは20度位でしょうか、タイヤの空気圧は落しません。モノコックボディで車体の前後にはフックポイントは有りません。
ツアーバスが砂埃を立てて走って行きます。このコースは自身のクルマで走るか、ツアーバスで走るかのどちらかです。ATV やオートバイは進入が禁止されています。
僕はこの道をレンタカーで走る事を薦めます。なぜならはこのオフロードは観光客が正々堂々とためらう事無くオフロードを走る機会を提供している数少ない場所の一つであるからだ。更に全体を廻るのに2時間程かかるが太古から座する巨石に静かな場所で自身をスキャンされる様な特別な感覚を感じる唯一無二の場所でもある。この場所を守り提供してくれているナバホの人々に感謝。
このコースをドライブする機会を得る人に2つのアドバイスをします。このアドバイスをしっかりと守る事はこのコースを走るための救命胴衣である。クルマは4x4或いはFF, FR どれでも大丈夫です。
アドバイスその1、運転をしながら常に As slow as possible and as first as necessary, というマントラを唱え続ける事。
コースの途中にある John Fprd's Point、
対向車とすれ違う時は瞬時に窓を閉めます。
アドバイスその2、As slow as possible and as first as necessary を実行する事です。コースの最初にある坂の途中とトーテムポールからの帰り道の2箇所には深い砂地が有ります。赤砂は非常に細かく粉の様な感じです。観ているとこの2箇所で多くのクルマがスタックしていました。原因は砂地を抜ける時にはアクセルを緩めないで走り抜ける As first as necessary という知識が無いからです。現在のクルマの前後にはフックポイントが有りませんのでスタックしたら誰かに押してもらう事になります。砂地の道はある程度勢いを付けて走りきる事がコツです。最初の出だしでスタックすると自信を喪失してしまいます。そういったクルマは見ていると引き返して行きます。
モニュメントバレーの景色が懐かしいと感じるのは依然ここを訪れたことがあるからではありません。自分がこの世に生まれる前にこの様な景色を眺めていたのではないかと妄想するからです。
太陽が巨石の向こうに沈んでゆきます。
クルマには砂埃が蓄積されます。
景色をずっと眺めていたら日が暮れてしまい辺りは闇に包まれました。今夜はこれから3時間以上運転して Fragstaff の街に向かいます。このオフロードコースはThe Valley Drive と呼ばれています。オフローダー達にとっては初心者コースですが、期待を裏切る事の無いアイコン的なドライブコースです。
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