落語に『こんにゃく問答』というのがありましてな、
旅の優秀な学僧と住職に化けた無学なこんにゃく屋の六兵衛との無言の問答ですわ、
学僧が手で印を作っての問いかけに対してですな、
六兵衛は即ゼスチャーで応じましてな、
最後に学僧は御住職は大変な学者だと驚嘆して去って行ったという話ですわ。
お隣のK君が2台目の空冷ポルシェ911を手に入れた。自身でカリフォルニアまでクルマを取りに行って3日間走り続けて自宅まで運転して帰ってきた。塗装の一部がヤレていたので磨き込んでオリジナルカラーのダークブルーの全塗装をし外観は新車の様な輝きを放っている。
おう、/
また、ポルシェ買ったんか!
おう、/
おまえに学んで2台体制にしたぞ。
おまえのランクルと一緒で西部から持ってきたぞ!
...汗
K君はクルマに対する何かの影響を僕から受けたらしい。僕は趣味のクルマは2台体制がいいとか、古い車を手に入れるならば車体の錆が少ない中西部から探せ、などとは一度も彼にアドバイスした事はない。人というのは面白いもので他人がどの様に自学しているかは分らないものなのだ。つまり人は他人に対してどの様に理解されているかはナゾなのである。ちなみに僕はK君が年に3~4回程しか乗らないポルシェに金と時間を注ぎ込んで大丈夫かい?と心配しており、ポルシェが2台になって年に8回乗るかって言ったら2台で3~4回乗る事になるんだろうと思っている。古いランドクルーザーを乗り回すおっさんを観て誰かが何処かで何かを感じ学んでいるんかな?と勝手に思うのは面白い事だ。多くの場合、路上のドライバーが遭遇する古いランドクルーザーは『あっ、俺のクルマよりボロいクルマが走っているぞ!』と理解し、大抵の人は自身の優位感を感じてくれているんだろうなと思う。そういった意味ではロクマルに乗るっていう事は社会にちょっと影響を与えているのかも知れないと思ったりもする。